きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

メンソール、めんそーれ。

2018年08月03日 | 禁煙治療
何年か前の禁煙外来でのことです。

ニコチンパッチ(*)を使って治療をすることになった30代の男性。


「自分はメンソールタバコを吸ってるんですが、パッチを貼るところにはトクホンチールを塗ったほうがいいですかね?」


これには大笑いしました。

ところがなんと彼は大真面目だったんです。



メンソールタバコは若者や女性に人気があります。


メンソール(Menthol)とは、薄荷(ハッカ)やミントに含まれるスーッとする成分で、風邪をひいたときになめる飴にも使われていることからもわかるように、のどの麻酔作用があります。

メンソールタバコは製造過程でこの成分が加えられており、吸いやすいというのが特徴です。
ですから初心者でもはじめからムセずに上手に吸えてしまうため依存におちいりやすく、スパスパと吸い続けてしまうというわけです。


昔からタバコを吸う若者の間で、「メンソールタバコはヤバイ」という都市伝説が語り継がれてきました。
つまり、メンソールタバコを吸っていると男性機能不全(ED)になるというのです。


「メンソールタバコがヤバイんなら、のど飴もヤバイですか?」

禁煙講話をした警察学校で、こんな質問をされたこともあります。
男性にとっては、ホントに重要なことなんですねえ。

それだけに誤解が多いのですが、メンソールという成分が危ないのではありません。

「喫煙そのものがEDの原因になる」のです。

これは知っておいて損はない事実です。
ですから、ぜひ早めに禁煙することをおすすめします。


あっ、それから、メンソールタバコを吸っていたからといって、ニコチンパッチにトクホンチールやアンメルツを併用する必要はありません。念のため。



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禁煙補助薬のひとつニコチンパッチ。

タバコをキッパリやめて、1日1枚。
皮膚からニコチンが吸収されるので、タバコ吸いたさが抑えられます。

2ヶ月間かけてシールを徐々に小さくしていき、ニコチン依存から抜け出すという仕組みです。

薬局・薬店でも市販されていますが、禁煙外来受診をお勧めします。

その理由は3つ。

①条件があえば、保険適応されて治療費が安価
②医療機関で処方されるパッチは高用量なため、「吸いたくならない」という効果が実感しやすい
③専門医のアドバイスも得られ、成功率が高い


薬局で直接パッチを買う場合は保険が適応されませんが、それでもパッチ1枚はタバコ1箱程度の値段です。

仕事等で病院には足を運べないという方のために、近隣の薬局で禁煙指導がしっかりできる薬剤師さんたちがいてくれると心強いですね。













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