きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

禁煙カクテルバー

2018年08月08日 | 禁煙治療
大学の同窓生の集まりがあり、その二次会で久しぶりに、あるBARに行きました。

そこは、オトナのための正統派BAR「S」。

大切な友人を誘って、楽しく、じっくり話をしながらBARでお酒を飲みたいときはココと決めています。

普段はお酒を飲まないし、そういう「オトナ飲み」の機会もそれほど頻繁にあるわけではないので、そのBARを知ってから10年以上たちますが、まだ数えるほどしか行っていません。

二人で飲むならぜったいカウンター、なのですが、このときは6人だったので、奥のテーブル席に陣取りました。

皆でメニューを見ていたら、カウンターの中から「先生♪」と声がします。
6人のセンセイがたが一斉に振り向きました(笑)

みれば、顔見知りのバーテンダー氏がこちらに向かって笑顔で手を振っています。

「あれからずっと続いてまぁす♪」



かつて私の禁煙外来には、数名、夜のお仕事をしている方が治療にいらっしゃったことがあります。


彼が外来にやってきたときは、ポマードできっちり固めたバーテンダーヘアでなく、洗ったままのふんわりヘアでしたし、白いスーツ姿ではなく、ジーンズにポロシャツ姿でしたが、すぐに、かのBARのバーテンダー氏だと気づきました。

バーテンダーが禁煙?!

「ついに世の中もここまできたか」と喜んだ反面、「はたしてうまくいくかなあ」と不安に思ったのも事実でした。

なぜなら、禁煙補助薬は当然使いますが、タバコを吸うお客さん相手の酒場で働きながらの治療は誘惑が強く、禁煙するのはかなり難しいんじゃないかなと思ったからです。


予想通り、禁煙はストレートにすんなり・・・というわけにはいきませんでした。
それでもA氏も私もあきらめず、最終的には禁煙継続状態で治療を終了することができました。

けれど禁煙で大切なのは「続ける」ことです。




「もう(禁煙してから)5年になります。店も完全禁煙にしました」


きけば市内には他にも数軒、店内禁煙にしているBARがあるそうです。


「ワインバーは昔から禁煙という店が多いんです。うちのようにカクテルバーはワインバーよりも格式が下と思われがちなんですが、負けたくないって気持ちがあって、ソムリエの資格もとりましたし、店も思いきって禁煙にしました」


こういう話をきくと、我ながらいい仕事したなあと、自分を褒めたくなります。




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