一言で言えば、非常に残念な結果に終わりました。
専門誌の開幕前予想、
確か、平均で16位くらいだったんですよね。
そう考えると、残留できたことは一定の評価?
なのかもしれませんが、
降格したチームの戦力を見れば、
14位というのは非常に順当な順位だった、
という気もします。
今季は、レギュラークラスだと
MFマルシオリシャルデス、DF永田充、MF西大伍が抜け、
2010年途中に矢野も海外へ。
補強した選手は主にJ2と新人からで、
ブルーノ・ロペスもフィットするかどうか
計算の立たない中での開幕でした。
おまけに、GK黒河の故障、更には東口まで、
また主力が抜けた中で台頭した若手が
U22で抜けたり(鈴木、酒井、ヨンチョル)する中で、
戦力の薄さと故障で不安定なシーズンになりました。
選手は、良くやったと思います。
特にディフェンスに関しては、
下位に沈んでいても崩壊すること無く、
ラインを高く保って全員で守備をしてショートカウンター、
という形は最後まで保つことが出来たと思います。
ただ、
ここに限界があるんだろうな、というのが
正直な感想です。
「勝ちきれない試合」が結構あったんですが、
これ、こちらの新聞とかテレビでは、
「守るのか攻めるのかがはっきりしなかった」
とか「集中力」とか言われていましたが、
良く考えたら、違うと思うんですね。
高いラインを保って集中力を保つ守備を90分続ける、
という事自体に無理があるんじゃないか、
というのが僕の意見です。
つまり、試合終盤に失速してしまう戦い方をしている、
ということが言えるんだと思います。
簡単に言うと、
ボールを奪ったら直ぐに前線に預けて走り出す、
まあ要はショートカウンターなんですけど、
ハマれば点は取れますが、
それだけ、攻撃に参加している人数が少ない訳で、
ミスすればまた相手ボールになり、
守る時間が増える、という悪循環なのだと思います。
今シーズンのような戦い方をする以上は、
恐らく今の順位より上に行くことは出来ないんじゃないか、
というのが今シーズンのほとんどの試合を
見た(テレビで)上での感想です。
攻撃に関して言えば、
「遅攻」のパターンがあまりにも少な過ぎた、
ということが決定的だったと思います。
どうしても、ボールを持つとフィニッシュまで素早く、
というのがJリーグ全体の方向でもあるんですが、
新潟においては特に顕著で、
自分たちでボールを支配して、攻撃の時間を長くする、
ということでリズムを生み出すことが、
90分という時間を考えると、必要になってくると思います。
そうなってくると、
正直今シーズンの戦い方の中では、
遅攻のイメージが沸かないわけです。
パスを少し回している間にボールを取られる感じがあります。
現代のサッカーでは
サイドバックとボランチの攻撃参加が不可欠で、
厚みのある攻撃を展開しないと、セカンドボールも拾えず、
結果守る時間が長くなるということですね。
ボールを取られた後の守備への切り替えとか、
そういうところの全員守備の意識は非常に高く、
そういう献身性というのはアルビレックスの伝統として
脈々と受け継がれていくべきだと思うので、
やはり遅攻のパターン、
例えばミシェウとブルーノの二人の崩し、とかでなく、
もっと多くの人数が絡む攻撃のパターンを
もっと作っていかないといけないと思います。
そういう意味では、
マルシオが抜けた部分はここに表れていて、
中盤でボールを持って仕事をする選手がいなかった、
という部分があると思います。
パスの供給源ですね。
本来はミシェウがそれを担わないといけないのですが、
ポジションがあって無いようなもので(苦笑)、
しかもFW的なポジションでの使われ方が多かったので、
余計そうなったと思います。
本当は、本間がボランチの位置から、
ガンバで言うところの遠藤のように
もっと攻撃でタクトを振う役割を担わないといけないんですが、
左右に散らすイメージが多く、中で仕事をし切れていない、
という感じですし、
三門、田中はボールを持って、というより、
運動量や運動の質で勝負するタイプ、
つまり配給源があってより生きるタイプで、
左のヨンチョルは、キープしてタメは作れるけど、
パサーではなくフィニッシュに絡んでいくべきタイプで、
ボールを足下でもらって勝負するタイプなので、
そういう意味でマルシオの穴は大きかったと言えます。
攻撃パターン、つまり遅攻をもっと増やす、
これが来シーズン必ず必要なことだと思います。
DFが崩壊しなかったのは、
鈴木の定着と菊地辺りの出来、
さらにFWを含めたチーム全体の守備のコンセプトが
ブレなかったということが大きいですね。
僕が今シーズンのMVPに挙げたいのは、
GKの故障がこれだけ続いた中、
小澤の安定したパフォーマンスが非常に大きかった、
と思っており、
彼こそ今シーズンの救世主だったと思います。
まあただ、現場は良くやっていると思います。
昨シーズンも、北野、千代反田、ジウトン、松下が抜け、
今シーズンもマルシオ、永田、西、矢野が抜け、
監督も昇格組で目立った補強も無く、
一つ間違えば降格してもおかしくなかったと思いますし。
編成の方も、限りある予算で、これまで
若手のブラジル人選手をチームにフィットさせてきて、
J2や新人がほとんどですが、的確な補強はしてきたと思います。
ただ、今の戦い方や、
今の選手層、では、
正直夢を持つのが非常に難しい、と思います。
観客としてスタジアムに行けてない人間があまり言えませんが、
安定経営、身の丈経営の形は出来ているので、
もう一歩、クラブとして何かを変える意識が
必要なんじゃないかと思います。
まあ、契約満了や戦力外の報道を見る限り、
来季の補強も大きく為されない感じはあります。
新潟の根底に脈々と流れる献身性を保ちながら、
より魅力あるチームを作ってほしいと思います。
まだいろいろ契約が決まって無い訳ですが、
例えば今の選手でなら、違うフォーメーションも
試す価値があると思います。
例えば4-2-3-1、
1トップにブルーノを置いてトップ下にミシェウ、
左にヨンチョル、右に田中もしくは木暮、
ボランチに本間と三門とすれば、
もう少しミシェウやヨンチョルを生かせるかと。
ただブルーノは1トップのタイプじゃないけど。。。
アンデルソンはもう少し運動量を増やさないと、
正直スタメンでは使いづらいかな、とか。
とにかく、今の若手、
代表組や、元代表組、
彼らには特に期待をして、数年は何とか新潟を背負ってほしい、
と思います。
もっとアルビに明るいニュースが出てくると良いな、と。