<「一丈木」付近のS23年の航空写真>
●歩いた日:2019年6月4日(火)
●歩いた所
・本堂城回:若林、馬場
・土崎 :上野乙
・千屋 :上向野
・浪花 :南荒井
●歩いたログ(足跡)(道のり6.0km)
(以上の地図:国土地理院)
次に、同じくS51年の、「一丈木」付近を拡大した写真を見ていただく。
(S51年-2)
空から眺めると、この場所一帯が計画的に造られたことが一目瞭然である。並木や随所に残る森のような木立群が美しい。いつまでも残し伝えたいものである。
五差路のすぐ近く、現在「千畑小学校」が建つ場所は、当時は「千屋小学校」である。大きな校舎が建ち並んでいる。
小学校の南側にも建物がある。本文で書いたようにここは「旧千屋中学校」があったところで、中学校はS46年に閉鎖されたようだが、S51年当時校舎はまだ残っている。並木道から校舎に至る白っぽい通路の途中に丸い緑地が見える。先に掲げた校門の写真で、校門の奥に写っていた石を並べた植え込みがこれだろう。
小学校の東側がグランド、県道を挟んでその北側一帯の木立の中に赤い屋根の建物が南北二カ所に建っている。南側は現在「美郷町武道館」が建っており、北側は通りすがりにちらっと眺めただけだが、古い建物の一部が残っていたような気がする。写真の建物は二カ所とも公的施設に見えるが、何の建物だろうか。
グランドと二つの赤い屋根の建物のある一画の東側を「田沢疎水」が縦断している。「一丈木」の集落を縦断する部分の水路は現在、上が覆われてトンネル状になっていて水路が見えないが、写真には水路が写っている。
写真上端、現在「暁稲荷神社」がある場所は田んぼになっている。そのすぐ左上にこんもりした木立と小さな建物が写っており、ここが当時の神社と位置と思われる。田んぼの区画整理にあわせて現在の位置の移転したようだ。
五差路から左上に延びる道挟んで、細長い三角形の杉林と、その東側の住宅が建っている一角に留意しながら、次にS23年の航空写真をご覧いただきたい。
(S23年)
この写真でまず目に付くのは、何といっても整然と並ぶ並木である。S51年の写真と比べると分かるように、S51年当時はすでに並木が無くなっていた五差路から西側の県道沿い、五差路から「若林」の県道十字路に向けて北西に延びる道沿い(ここは木がだいぶ小さいようだが)、「一丈木」の北東の集落境を東西に走る道沿い(「田沢疎水」の文字の少し南)にも並木が続いている。
次に目を引くのは、右上隅と右下に田んぼが見えるものの、中央から西に広がる広大な土地は畑あるいは原野・森林であることである。
右上隅の田んぼは山から流れ下る小さな川の水を利用して拓かれたもので、その水量では上流の土地の一部しか開田できなかったことを示している。右下の田んぼは、その一部が写る「一丈木溜池」(S13年完成)と「赤倉川」の水が利用できる地域に拓かれたものである。
それ以外の土地は水が不足して開田できなかったため、「第一暁開拓記念」のところで書いたように、遠く「玉川」から水を引く「田沢疎水」の事業がS12年に着工され、S15には開田を担う入植者の入植が始まった。この写真を見ると、S23年当時、「第一暁」にはS51年とほぼ同じ(22戸)の家を数えることができる。しかし、戦争などの影響で工事が大幅に遅れ、着工して10年以上になるものの、まだ入植者の家の周りは田んぼではなく小さな区画の畑が広がっている。
そしてその「田沢疎水」であるが、写真を見ると、「赤倉川」に達したところで途切れている。また、「一丈木」の集落を縦断する区間が上流部分に比べて明らかに幅広になっており、工事中のようである。「田沢疎水」の通水はこの時から3年後のS26年で、その後に待ち焦がれた周辺の畑の開田に着手されたのだろう。
「旧千屋小学校」の校舎はS51年とほとんど同じ形をしている。「旧千屋中学校」の場所は空地になっている。学校の右上にある木立に囲まれた一画の中に、建物が見えるがその形、配置はS51年とはだいぶ異なるようだ。
細長い三角形の杉林はS51年と全く同じであるが、その東側の一角は空地のように見え、その外周と中央に小道のような白っぽい線、4棟の建物、黒っぽい長方形の部分が写っている。ここはS51には広い屋敷・畑をもつ十数軒の住宅が建っているが、もともとこの一角はどのような土地だったのだろうか。
最後に、どうでもよいようなことだが、写真中央やや上部の畑の中、S51年と同じ位置にこんもりした木立が写る。移転前の神社と思われる。
(終わり)
●ブログに掲載したログの累計(累計の道のり:396.8km)
累計の道のりが400kmに近づいてきました。最近、出かけるペースが少し落ちてきましたが、400kmを節目にまた気持ちを新たにしてブログを続けたいと思います。が、次回の場所はこれから決めて出かけなければなりません。泥縄式になってきましたが、よろしくお願いいたします。
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