ふるさと!-秋田仙北平野を歩く-

ふるさと秋田の「仙北平野」をくまなく巡り歩き、その写真とエッセイを掲載します。

★2019、夏、秋田駒ヶ岳・ムーミン谷

2019年07月13日 | 山・麓歩き

<「秋田駒ヶ岳・ムーミン谷」を往く>

●出かけた日:2019年7月6日(土)

●歩いたログ(足跡)

(地図:国土地理院)

 (注)「アルパ駒草」から「八合目小屋」まではバス(日中、マイカー乗入れが規制)で往復したログ。

●歩いた部分の標高図

(GPSデータを「カシミール3D」で加工したもの)

 一昨年(2017年)、酒飲み?友達のAさん、Mさんと「大白森」と「乳頭山」に登りました(その記事はブログに掲載しました)。この6月の中旬、Aさんから、また3人で「駒ヶ岳」の「ムーミン谷」に花を見に行かないかと誘われました。昨年の秋に、痛めた足の足試し?に「8合目小屋」から「阿弥陀池小屋」まで歩いて、これくらいなら大丈夫、という実感はありましたが、「ムーミン谷」に行くには「阿弥陀池」から改めて下って登り返して来なくてはなりません。ということで、同行は途中までになるかも知れない、ということを伝えた上で出かけることにしました。

 6月下旬から7月初めにかけて雨の日が続きましたが、7月の第一土曜日はしばらくぶりに快晴の予報がでました。さっそくAさんに連絡し出かけることにしました。 (以下、本文調で)

 バスが発着する「アルパ駒草」での集合時刻は7時半。我が家からそこまでは車で1時間程度なので少し余裕をみて6時前には家を出発することにして、と出かける準備をしていると、5時半頃Aさんから「アルパ」に着いたとのメールにびっくり。「早過ぎ!。私はまだ家、これから出発。7時前には着く」と返信。「年寄り(私より少しだけ年配)は朝早くて困る。」とは送信しなかった。

 「アルパ駒草」から7時7分発のバスに乗車。久しぶりの好天を待ちかねたように、大勢の登山客でバスは満員。山の上の方を見上げると厚い雲に覆われている。太平洋側(岩手県側)からヤマセが吹き寄せ、「奥羽山脈」に吹き上げられて雲が発生しているようだ。

 30分ほどで「八合目小屋」に着く。濃い霧が横から吹き付けるので、雨具を羽織って出発。当初はログ地図にある「シャクナゲコース」を登るつもりであったが、その分岐をうっかり通り過ぎてしまったことと、このコースの先にある県境の尾根は霧を含んだ風が強いに違いないと思い直し、「阿弥陀池」に出る西側のコースを登る。1時間半ほどで「阿弥陀池」の西端に到着。

<歩いたログ(拡大図)>

 「阿弥陀池」の西端から少し登ると「男岳」に至る稜線の鞍部(一番低いところ)に出る。当初、私自身は「ムーミン谷」までは無理かと思っていたが、ここまで足の調子は悪くないので「ムーミン谷」に下る急坂を足元に気を付けながらゆっくり降りる。

(「ムーミン谷」への急坂)

 谷に降りたところで上を見上げても、垂直にも見える急斜面に遮られて稜線が見えない。しばらく進んだところで振り返る。

 稜線の一番低いところから左の雪渓のところまで坂を下ったところ。標高図を見ると、この辺りとの標高差は200m、水平距離は1km程なのでかなりの急傾斜である。

 稜線の右手は「馬の背」の痩せ尾根、左手は「男岳」に向かう尾根である。目を左に移し「男岳」を見上げる。

(「ムーミン谷」から望む「男岳」)

 中央奥のピークが「男岳」。その左手には鋭い岩峰が望まれる。

 ところで、山の案内図などにはこの谷の名称を「馬場の小路」と記している。しかし、誰が称したかわからないが、いつの間にか「ムーミン谷」と呼ばれるようになり、現在はこの名称が定着している。霧がかかり、岩峰ものぞかれるこのような景色を見ると、今にも「ムーミン」が出てきそうな雰囲気で、よくぞ名付けてくれたと思ってしまう。

 右手に白い噴煙(水蒸気?)を上げる「女岳」や小さな噴火口である「小岳」を、左手に「馬の背」に駆け上がる急斜面を見上げながら、真っ黒な砂礫が広がる正面の「大焼砂」の稜線を目指して木道を進む。この時期少し花が過ぎ加減であるが、至るところに「チングルマ」の群落が広がる。

 稜線に出、「横岳」に向けて続く道をひたすら登る。傾斜はそんなにきつくないものの、砂礫で足場が悪い上にかなり長い登りは古希の足に堪える。霧の晴れ間から今歩いて来た「ムーミン谷」が望まれる。

(「大焼砂」から「ムーミン谷」を望む)

 木道が延々と続く「ムーミン谷」、その奥に「男岳」が聳える。足元に溶岩の黒い砂礫が広がる。点々と「コマクサ」が花を咲かせている。

 ようやく「横岳」にたどり着く。正午近くで昼食をとっている登山者も多くいる。しかし、風が少し強いので私たちはすぐ下に見える「阿弥陀池小屋」まで降りて昼食をとることにする。15分ほどで小屋に着く。

(「阿弥陀池」のほとり)

 小屋脇の風の弱い場所に腰を下ろし昼食をとる。先ほどは池の向こう岸から左手の鞍部を越えて「ムーミン谷」に下った。しばらく長い距離を歩いていなかったが、その谷からここまで登り返して来て少し体力に自信がつく。

 お湯を沸かして食後のコーヒーを飲んで1時間程休憩した後、右手の木道を進み、登って来た道を引き返し「八合目小屋」に向かう。小屋に到着するとちょうどバスの出発時刻なので急いでバスに乗る。急いだのでGPSの電源を切るのを忘れ、そのまま「アルパ駒草」まで下ったので、バスの軌跡までデータに残ってしまった。せっかくなのでその部分も地図に落としてみた次第である。

 花を見に登ったつもりだが、花についてはほとんど書かないでしまった。眺めた花を思い出して思いつくままに列挙すると、

 ハクサンチドリ、エゾツツジ、オノエラン、イワカガミ、シモツケソウ、ニッコウキスゲ(蕾)、ミヤマダイコンソウ、コケモモ、ハクサンシャクナゲ、シラネアオイ、チングルマ、ヨツバシオガマ、ヒナザクラ、コマクサ、キスミレ、ムシトリスミレ、ミヤマハンショウヅル、・・・・・。

 (終わり)


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