見出し画像

ひとり ときどき ふたり旅 さんぽ 壱

東の横綱 南千住 うなぎ尾花 白のれん

前から気になっていた、南千住にある鰻の「尾花」、 前を通るたびに多くの人が並んでいます。

梅雨空の中、11時にお店に伺います。

西の麻布飯倉「野田岩」東の南千住「尾花」と呼ばれるほどの有名店です。

1_201406300937081fb.jpg

 

平日だというのにシャッターの前には、すでに10人の年配の方が並んでいます。

お店が開くのは、11時半。30分の行列です。

 

皆さんのお話しを伺っていると、人数が揃わないと案内して貰えないとのこと。

ここは、注文を聞いて鰻を割くので、一人だけ時間がズレてしまうのは客も気の毒だし、店としても迷惑だということらしいのです。

そして、予約も出来ないようです。

それと困ったことに、並んでいる間に蚊に刺されます。

開店5分前、列のうしろを見ると、最後尾は見えません。

IMG_7432.jpg

 

11時25分にシャッターが上がります。

2_20140630093709e9a.jpg

 

係の方から人数を聞かれます。ここで揃っていないと、後ろにまわされてしまいます。

庭には真っ赤な「お稲荷さん」の社があり、江戸前の鰻屋といった風情があります。

3_201406300937109b6.jpg

 

店の入口には大きく尾花と染め抜いた暖簾が掛かっています。

食するのが天然うなぎだと、紺地に白抜きの暖簾に「天然うなぎ」と染め抜かれています。

4_201406300937127cc.jpg

 

靴を脱いで、下足札を貰い、小机に案内されます。

IMG_7431.jpg

 

大広間に小机が並び、70人分の座布団が並んでいます。

5_201406300937139df.jpg

 

奥の右から座っていきます。すでに順番通りの座布団と小机がセットされています。

6_20140630093728b0e.jpg

 

私は、左奥の窓ぎわに面する小机です。

壁があるので丁度いい背もたれがありますが、

平座りがきついので、高めの座椅子を用意してもらいます。

難を言えば、目の前がトイレに向かうのれんの前です。

7_20140630093730e1e.jpg

 

順番札(下足札)を机の上に置き席に着くと、すぐに店員さんが来て注文を取りに来ます。

必ず「ウナギの料理と土産の追加は出来ません」と念を押されます。

この店は客の注文を聞いてから鰻をさばくので、出来上がりまで最低40分はかかるのです。

途中で追加をされると時間がかかり過ぎてしまうので、追加は出来ないと言うことです。

8_20140630093743384.jpg

 

メニューはこちらになります。

TRA_0002.jpg

 

TRA_0003.jpg

 

昔から「うなぎをせかすのは野暮」と言うくらいで、

うなぎは割いて蒸して、タレ付けて焼いてと、手間がかかります。

うなぎを待つ間、ビールの小瓶を頼み、のんびりとうなぎを待ちます。

 

このひとときが至福の時間です。

ビールといっしょに出てきた箸休めは、細かく切ったお新香です。

10_20140630093747c86.jpg

 

まず最初に頼んだあては、「うざく」。うなぎの酢の物です。

うなぎの肉厚さもあり、甘めの三杯酢と良くあいます。

11_2014063009384137c.jpg

 

それともう一品、「鯉のあらい」も頼みます。

色艶もよく、つけ味噌の味が絶妙です。

12_2014063009384245d.jpg

 

鯉のあらいにあわせて、冷酒にかえます。

おっー 私の好きな銘柄「櫻正宗」です。

やはりどこの老舗にもは必ずありますね。

日本酒の燗も櫻正宗だそうです。

給仕してくれる店員さんの振る舞いも気持ちよく、実に手際が良くていい感じです。

13_20140630093844179.jpg

 

お隣りのご老人は、70すぎでしょうか。

高めの座椅子にひとり座り、

「冷酒とうざく」でちびり、そして「燗酒とやきとり」でちびちび。

奥さんにお土産でしょうか「蒲焼と白焼」を頼んでいました。

 

窓ごしには、かなりの雨が打ち付けています。

私は、W杯日本戦の新聞批評を見ながら、冷酒をちびちび。

まわりに目を向けると、みなさん待ちくたびれたのか、話しも尽きたのか、宙をさ迷っています。

何もなしで40分は、きつそうです。

 

ちょうど冷酒のあても終わりになるころ、まわりがザワついてきました。

まずは、お盆にお新香と肝吸いが届きます。

別注の「きも吸い」には、きもと玉子豆腐があしらわれています。

14_201406300938450d1.jpg

 

そして、順番に、鰻重のご登場です。 時間を見ると、注文を取ってから約40分ほどです。

15_20140630093847ed0.jpg

 

お重の蓋を開けた時の蒲焼きの色と艶の見事さに、思わず声が出てしまいます。

蒲焼に箸を入れたらなんと柔らかいこと。

どこまでが鰻で、どこからが御飯かが分からないほどです。

16_20140630093907a39.jpg

 

香ばしさが絶妙で、あっさり目のタレがよく合います。

食した時のふっくら感は、炊きたての御飯の上にのった蒲焼きと絡み合い、幸せが広がります。

17_2014063009390868e.jpg

 

30分行列して、鰻の焼き待ち40分、食してお勘定まで35分の計1時間45分

お勘定して、下足札を渡し白のれんをくぐります。

 

外には10人ほど待っています。

かなりの雨が降ったようです。

草木は濡れ、石砂利も色を変え、庭先がしっとりとしています。

食べ終えて、小道を戻る時、何とも言えない満足感で一杯になります。

18_201406300939106e4.jpg

 

いつも並んでいる、東の横綱と言われる有名店。

単なるブランドだと思っていましたが、

構え、振る舞い、味など総合的にみて「待っても食べたいもの」のひとつとなりました。

19_20140630093911e5e.jpg

 

IMG_0003.jpg

 

いつか、麻布飯倉の「野田岩 本店」か、浅草駒形の「前川」にもふたたび伺いたいものです。

 

お付き合い ありがとうございました。

 

◯ホッとする「いやしのフォト」 こちら ポチッとクリック❣️❣️

◯「初版 ひとり ときどき ふたり散歩」 こちら  ポチッとクリック❣️❣️

 

下記リンクは、terra「ピクスタ」アカウントです。

販売中の写真を見ることが出来ます。

写
真素材 PIXTA

最近の「🐟うなぎさんぽ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事