オンライン署名「 家事労働者に労基法・労災保険の適用を! 1週間・24時間拘束労働で亡くなった高齢女性の過労死を認定してください!」の発信者の NPO法人 POSSE さんが、最新のお知らせを投稿しました。
急逝した西田敏行さんの追悼番組や映画がテレビで放送されています。先日映画「釣りバカ日誌」の最終作も流れていました。
そのなかのある場面が改めて感動を呼んでいました。西田さんとコンビを組んだ三國連太郎さん演じる大手建設会社の会長(スーさん)が退任のあいさつをするシーンです。「この会社は私のものではない。ここにいる経営陣のものでもない。株主のものでもない。君たち社員のものだ」。
働く人たちと家族の生活を大切にすることは企業の社会に対する義務だ。経営不振は経営者の責任で雇用に手をつける時は経営者は辞めなければならない。創業者としての信念を語るスーさんに全従業員から万雷の拍手が送られます。
SNS上では「経営者のかがみ」といった称賛や、いまの経営者に聞かせたいという声も。それだけ労働者の現実が厳しいことの裏返しか。
日産自動車が業績不振を理由に世界で9千人もの人員を削減すると発表しました。地域や時期は明言を避けたものの、大規模なリストラに国内でも不安が広がっています。社長は役員報酬の5割を自主返納するそうですが、それでも3億円以上を手にすることに。
東芝の4千人リストラをはじめ、今年も多くの企業が解雇や退職を強要してきました。それなのに自民党からは解雇規制の緩和を求める声まで。職を失うことは収入が途絶えるだけでなく、社会から存在を否定されたような扱いを。働く人びとの人権を守る社会―それもまた新しい政治プロセスです。
真相解明を寄付でごまかすな
自民党の無反省とごまかしには驚きます。
自民党は総選挙後、6月の通常国会で公明党とともに強行成立させた改定政治資金規正法の再改定の議論を始めました。裏金問題への怒りの声に直面し、再び政治資金の集め方や使い方を見直さざるを得なくなったのです。
しかしその中身は、国民の審判に向き合うどころか、ごまかすことばかり考えたものです。▽改定法で合法化した政策活動費を「廃止を含めて」検討▽政治資金に関する第三者機関の設置―などを打ち出すものの、裏金問題の真相解明には取り組まず、裏金づくりの温床となった企業・団体献金の全面禁止をかたくなに拒む姿は選挙前とまったく変わっていません。
■裏金相当額の2倍
ごまかしの一つが裏金問題の“けじめ”として、裏金相当額の2倍(約14億円)を国庫へ寄付するほか、東日本大震災や能登半島地震の復旧・復興のために寄付する案です。9月の総裁選でも「国庫に返納することでけじめをつけるべきだ」(河野太郎前デジタル相)、「政党交付金から国庫に返納すべきだ」(加藤勝信財務相)など、国民の税金である政党助成金を原資にした“寄付のけじめ”論が出されていました。
被災地の復旧・復興のための予算措置は緊急に行うべきです。しかし、それを自民党ぐるみの組織的犯罪で脱税、選挙買収などの疑いが問われている裏金問題のけじめとするのは、まったくの筋違いです。まして寄付の財源に税金も考えられています。それで“けじめをつけた”などというのは言語道断です。
裏金相当額の倍を寄付したとしても、裏金の犯罪性や政治責任が免責されるわけではありません。刑事告発され不起訴となった萩生田光一自民党元政調会長の秘書について検察審査会が「不起訴不当」と議決(10月23日付)したように問われ続けています。
寄付算定の元とされている裏金総額(7億2284万円)は、自民党の2月の内部調査で2018~22年の5年間に限って認めた85人の衆参議員の裏金額に、当時立件されていた議員3人分を合わせた額です。刑事責任が問われた5年間分以外にも裏金づくりが行われた証言があります。
■企業献金の禁止を
総選挙での審判を受け、来年改選を迎える参院の裏金議員などから、疑惑をもたれた国会議員が弁明する場である政治倫理審査会(政倫審)の出席に応じる声が出はじめています。衆院政倫審で弁明しないまま総選挙で落選した裏金元議員に対しても、民間人として予算委員会や政治改革特別委員会での参考人招致や証人喚問を行うことができます。野党側が予算委員長などのポストを獲得したことはこれらを実現できる条件を広げています。
裏金づくりがいつ、だれによって始められ、何に使われたのか―日本共産党が追及し続けたこの根本的問いに自民党は答える必要があります。自公両党の議論からは企業・団体献金禁止がすっぽり抜け落ちています。「けじめ」というなら真相の解明と、企業・団体献金の全面禁止で腐敗をおおもとから断ち切ることが必要です。
名古屋市長選 尾形候補を小池書記局長応援
名古屋市長選挙(24日投開票)のラストサンデーを迎えた17日、「みんなで創る安心の未来」共同代表で無所属新人の尾形けいこ氏(67)=日本共産党、緑の党推薦=の大演説会が行われました。さまざまな立場の市民や政党の代表が駆け付け、集まった市民と一緒に「力を合わせて、新しい政治をつくろう」とアピールしました。
演説会には「返還不要の奨学金を」「ケア労働者の処遇改善を」など、市長選で尾形氏が掲げる政策が書かれたプラカードが掲げられ、800人を超える市民が集まりました。演説を聞きに来た女性(70)は、「前市長では実現できなかった、小学校の給食無償化など将来世代が安心して暮らせる名古屋に変えたい」と話しました。
「河村たかし前市長は、『給食無償化は金持ち優遇になる』と発言しました。子どもは金持ちではありません」(小久保広海さん・新日本婦人の会愛知県本部)など市民が次つぎとスピーチ。政党からは、日本共産党の小池晃書記局長、緑の党の丹羽淳氏、れいわ新選組の長谷川ういこ氏がマイクを握りました。
小池氏は、市長選最大の争点は「市民税減税(金持ち減税)」と一体に市民生活や行政サービスを切り捨て続けた前市長による市政を転換するかどうかだと指摘。「一部の富裕層だけが大きな恩恵を受ける市政を変えると明確に訴えている候補者は、尾形さんだけです」と述べました。
その上で小池氏は、先の総選挙で自公が過半数割れになるなど、古い自民党政治を終わらせたいという民意が示されたと強調。「名古屋で尾形さんを女性初の市長にしたい。市民と力を合わせて、新しい政治をご一緒につくりましょう」と呼びかけました。
尾形候補は、年間約100億円もの税金が使われてきた「金持ち減税」を廃止し、「小学校給食の無償化などの政策をすぐに行います。名古屋初の女性市長をめざして頑張ります」と決意を語りました。
新基地A護岸 無謀工事 必然の遅滞
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、政府が軟弱地盤の広がる大浦湾側の本格工事に着手(8月20日)してからまもなく3カ月になりますが、「A護岸」(地図)の造成に必要な約1000本の鋼管のうち打設(打ち込み)完了は14日時点で20本にとどまっています。政府が想定するA護岸の工期は約4年。しかし、このペースだと、単純計算すれば鋼管打設だけで3倍の12年近くかかります。
14日、A護岸建設現場には、鋼管打設を行うクレーン船に、鋼管のストック8本を乗せた台船が横付けされていましたが、打設作業は行われませんでした。台風や天候悪化に伴う遅れも指摘されていますが、そもそも沖縄は台風の多い地域であり、遅れの言い訳になりません。
完全に打ち込まれないまま、大部分を海上に露出したまま2カ月以上放置された鋼管もあります。放置の理由、その用途について本紙の取材に防衛省沖縄防衛局は、「作業の逐一についてお答えすることは差し控える」と回答を拒否しました。
さらに、今年1月に着工された、護岸建設のためのケーソン(コンクリート製の箱)の仮置き場となる海上ヤードも作業が止まっています。現場からは海上ヤード作業船の姿が消えています。その理由も不明です。
政府は大浦湾埋め立ての工期は約9年、完成までは約12年かかるとしていますが、ただでさえ、現在の技術では地盤改良が不可能な最深90メートルに及ぶ軟弱地盤の問題を抱えている上に、工事全体が困難に直面していることは明らかです。
しかし、防衛局は8月以降2カ月以上中断していた大浦湾のサンゴ移植を11日に再開。さらに13日、辺野古側と大浦湾側の中間の辺野古崎付近のN3、N4、K5~7護岸で閉じられた区域(地図)で新たな埋め立てを開始しました。
完成を見通せない新基地建設を続けるのはあまりにも無謀であり直ちに中止すべきです。
田村委員長、総選挙応援の市民と懇談
市民運動の若者やSNS発信などでともに総選挙をたたかった人に、来夏の参院選に向けて率直な意見を聞こうと17日、田村智子委員長との懇談が、日本共産党本部で開かれました。参加した人からは「日本共産党の魅力を伝えるためにともに力を合わせたい」「権力の暴走を止められるのは共産党だ」などの意見が出されました。
冒頭に田村委員長は、総選挙によって自民一強は崩れたが、それに代わる新しい政治の形はいまだ定まっておらず、国民が新たな政治を模索する過渡期に入ったと強調。「大局的に捉えれば、米国言いなり、財界優先からの脱却など私たちが示した方向に進まざるを得ないが、逆行や暗転もありうる。党内外から丁寧に意見を聞き、今後に生かしていきたい」と語りました。
SNS発信などに関わった人は「1を聞いたら100返ってくる点など共産党への信頼は大きいが、政策をどうかみ砕いて表現するのかが悩ましかった」と指摘。別の人は「さまざまな運動との近さは他党にない共産党の魅力だ。そこをもっと生かしていきたい」と述べました。
数年前からJCPサポーターなどでともに選挙をたたかってきた人は、政策を語る際に、労働者や市民の実態とかみ合わせて語ることがいっそう必要だと強調。「共産党は本来、どの党よりも実態をつかんでいると思う。その財産をもっと生かすべきだ」と話しました。
ほかの参加者からは「市民の声を聞く身近な政党だともっと可視化できるとよい。見栄えと合わせて泥臭いところがもっと必要ではないか」「安全保障について威勢のいいことを言う党を支持する人も多い。平和外交の政策や感覚がもっと共有されるといい」などの意見がありました。
あいち教職員のつどい 志位議長が訴え
日本共産党の志位和夫議長を迎え、総選挙後の政治の大激動と教育の未来を語り合う「あいち教職員のつどい」が17日、名古屋市内で開かれました。参加した教職員らがリレートークで教育現場の現状を訴え。志位氏は寄せられた質問に一問一答形式で答えながら、経済、外交、未来社会論とともに、日本の教育の問題点と打開の展望を縦横に語りました。広い会場が参加者でいっぱいになり、その場で入党を決意する人もいました。
総選挙で高校までの所得制限なしの授業料無償化を公約した議員が国会多数となる中、「私学も含めた高校までの完全無償化は本当に実現できる?」との質問が出されました。
志位氏は、高校の授業料完全無償化は野党間では基本的に一致しており、実現の条件はあるとしたうえで、「ただし、自動的には進みません。国民の運動がどうしても必要です」と強調。大学の学費は主要政党の全てが「無償化」「負担軽減」などを公約に掲げる一方、国立でも私立でも「値上げラッシュ」が起きようとしているとして「1000億円を投入すれば値上げをやめさせることができます。学生の闘いに連帯して学費値上げをストップさせましょう」と呼び掛けました。
さらに、受益者負担主義という根本の考え方を転換すべきだと指摘。フランスでは「共和主義を支える知的な判断力、批判精神をもった国民を育てるのが教育の使命であり、そのことによって利益を受けるのは社会だ。だから社会が費用を負担するのは当たり前」との考えで学費完全無料を実現していると紹介しました。
日本共産党の「1日7時間・週35時間労働」の提案について「魅力的ですが、いまの教員の働き方を見ていると全然展望が持てない。どうしたら実現できる?」との問いが出されました。
志位氏は、過酷な長時間労働は教員の健康と家庭生活、子どもの教育に深刻な影響を与え、「教員不足」という異常な事態をつくりだす原因にもなっているが、「その責任はあげて政府にあります」と強調。(1)仕事量に見合う教員定数の配置をやめた(2)残業代制度を適用除外にした―という二つの大問題があると指摘しました。「授業のコマ数の軽減―たとえば小学校で『1日3コマ』にすれば、7時間労働が実現します」「残業代制度を適用する方向での見直しで『働かせ放題』をなくす」などの改革を求めていくこと、そのためにも教育予算を抜本的に増やすために全力をあげたいと述べました。
「教員は自由な時間ができたら、良い授業をするために(長時間)仕事をしてしまうのでは?」との疑問も出されました。
志位氏は「それは素晴らしいことです。教育という営みを豊かにするためには、人類の生み出した文化的遺産、科学の到達点を深くとらえるための活動が必要になります。それは自発的な意思にもとづく自由な活動として喜びにもなるでしょう。7時間労働となれば、教育の専門家として自己を豊かにする活動を行ってもなお、自分と家族のための自由な時間も保障されることになるでしょう」と語りました。
「受験競争をなくし、学ぶ喜びを感じることができるような教育にするためには?」との質問に、志位氏は「過度な競争教育こそ、国連から繰り返し是正が求められている日本の教育の最も悪い病弊です」と指摘。全国一斉学力テストを廃止すること、基本的に全員に受験を課す高校入試制度を廃止し、大学入試は1点を争う相対評価ではなく、ヨーロッパで行われているような資格試験制度―絶対評価にしていくなどの改革が必要だと主張しました。
また、競争教育の根源には“格差社会を支える一握りのエリートをつくる”という恐ろしい思想があると指摘。「本当の学力は、子どもたちを競争においたてることでは決してつくれません。子どもたちを『できる子』『できない子』にふるいわけするのではなく、物事が『分かる』ことの喜びを伝えるのが教育の仕事です。そのなかでこそ本当の学力も育ってきます」と述べました。
志位氏の著作『Q&A共産主義と自由』の内容に関わって「未来社会では、教育の役割は今とは全く違ってくるのでは?」との質問も。志位氏は、マルクスが『資本論』(第一部、第13章、「機械と大工業」)で、「未来の教育」の役割として、「全面的に発達した人間をつくる」ということを強調していると紹介し、「資本主義をのりこえた未来社会のあるべき姿としては、人間の持っているすべての能力を全面的に発達させることをめざすのが、当然の方向になります。そして、『未来の教育』の役割は、そうした『全面的に発達した人間をつくる』―まさに未来社会を構成する人間をつくることにあります」と強調しました。
その上で、「こうした方向は、元々、資本主義のもとで人類が追求してきた民主主義的な教育の大方向です」と指摘。教育の本来の目的は教育基本法第1条や子どもの権利条約が規定する「人格の完成」であり、その実現に力をつくす営みは未来社会における「全面的に発達した人間をつくる」という教育の役割と地つづきでつながってくると力説しました。
最後に志位氏が小学校教員だった父親のエピソードも交えながら、「政治が変われば教育が変わる」「すべての子どもたちを大切にする教育の実現をめざして、目の前の教育の問題点を一つひとつ解決しながら、政治を大本から変える闘いに一緒にとりくみましょう」と呼び掛けると、大きな拍手が湧き起こりました。