敗れた候補者の1人が語っていました。「何と向かい合っているのか、違和感があった。候補者の資質や政策を問う選挙というより、何を信じるかということが非常に大きなテーマになった」。
パワハラをはじめとする数々の疑惑で失職した兵庫県の斎藤元彦知事が出直し選挙で再選されました。票を伸ばした背景にはSNSを駆使したネット戦略があったといいます。なかには自ら出馬しながら斎藤氏の応援に回り、ユーチューブや街頭でパワハラはデマだと拡散した候補者も。
斎藤氏のパワハラについては県職員の4割が見聞きしたと答えています。それを告発した職員を「犯人捜し」して、公益通報の調査を待たずに処分としたことも批判を浴びていました。その職員は抗議文を残し自死する事態にまで。
県政でも「改革を止めない」などと称して、大型開発を優先し自治体リストラを進めてきました。それがなぜ若者を中心に支持が広がったのか。
斎藤氏を支援したなかにはネット宣伝に精通した集団がいたと報じられています。実際ネットで同氏を検索すると「悪くない」「真相」というキーワードが次つぎと。テレビや新聞といった既存のメディアに対し、真実を伝えるネットという構図をつくり、対立をあおっていると分析する専門家も。
根拠も示さず誤った情報を垂れ流し、世論の誘導に利用されるSNS。そのやり方がいま、国内外の選挙で問題となっています。何を信じていいのか。これは選挙や民主主義のあり方にかかわると。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます