経験則を基に「人並み」の話をもう少しします。中学入試の是非に因(ちな)んだ話です。
学校の成績と関係なく受験結果が出る中学入試は、大学受験期までの間に安定した環境を望む人達に支持されています。大学は「人並み」か? まさか。
2019年の大学進学率は6 割を切っています。
日本の話です。
なぜか今「倒産して引っ越していった米屋の同級生」を思い出していますが、会社員ばかりの地域集団で大学に進学しない進路はまず考えられない。大学進学以外に潤沢な進路もなくなって久しい。
手先の器用な子がいても知り合いの大工さんを紹介するわけにはいかない。
高校までは木工の下働きをやりながら家で勉強して、高3 から編入して修学旅行だけ行ってすぐやめて大学に入ったりはそうそうできない。
なぜかそういう進路は無い。日本の話です。
木工の下働きをする10歳にとって、
すぐに必要な学問は
「支点・力点・作用点」(小6理科)と、
「てんびん」(小5理科)です。
この2つが分かると建築現場でやってることがよく理解できる。釘の打ち方も説明できる。
同じ木工でも細工物を彫る10歳にとっては「円と扇形」「比」「等しい比」「拡大と縮小」が優先事項です。小6算数の範囲からですね。
商売をやっていれば売買損益が大切です。公立中学校では中1・中2の連立方程式、中学入試では小5 で学習します。でも家業の手伝いをしている子ならもっと早く解っても不思議ではない。
仕事の場は学校とは違い、指導の仕方を勉強した人はそうそういませんし、他人のために何かをする場所ですから、勉強したい人にはけっして優しくない。特に子供には優しくない。
しかし不親切な職場で仕事に必要なことだけは仕込まれる。学校に行かなくても、必要なことは現場で実例を前に叩き込まれる。
身近な実例があれば勉強も実感として解ります。
そして中学入試の現場では、体系的な理解のために、旅行や料理の手伝いを勧めます。「歴史好きのお父さん」に向けた社会科指導の指南書まであります。保護者の方の趣味が、そのまま中学受験生の得意科目に直結することもざらにあります。
「人並み」とはなんなのでしょうね。
家業に勤しんで学校に行かないと目の前は具体例だけになります。抽象的な「2 」は有りません。「部品2つ 」です。
机に縛り付けられて勉強している時は逆です。目の前には紙と字しかありません。
だから何かと言います。勉強法には基本的にその方法なりの限界が有ります。
行き詰まったら方法を変えてみましょう。夜につづきます。
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