旅をする木

焚火好き、毎日炎を眺めていたい。それが叶わぬのなら、せめて月に一度だけでも・・・焚火(最近はポタリングばかりですけど)

特牛

2014-04-11 20:42:39 | Weblog

 

皆さんの地元に、「他の地域の人は絶対に読めない」という地名はありますか? 地図に載っていないような

地元の人しか知らない地名なども、難読のものがあったりしますよね。今回は、こうした地元の難読地名を、

各地方の読者の皆さんに聞いてみました。

 

■いくつ読める? 全国の難読地名たち!

 

まず、読者439人に「地元に難読地名」があるか聞いてみたところ、123人が「ある」と回答しました。この

123人に、その難読地名を聞いてみました。

 

●「王余魚沢」(43歳男性/情報・IT/技術職)
青森県青森市にある難読地名です。これは「かれいざわ」と読むそうです。王余魚で「かれい」なのですね。

 

●「酒々井町」(24歳男性/食品・飲料/その他)
こちらは千葉県印旛郡にある町の名前。「しすいまち」と読みます。「井戸から酒が湧いた」という町の伝説

が町名の由来だそうです。

 

●「及位」(35歳女性/自動車関連/事務系専門職)
山形県の最上郡真室川町にある地名です。「のぞき」と読むようで、JR奥羽本線にある「及位駅」は日本

屈指の難読駅名なのだとか。

 

●「特牛」(51歳男性/電機/技術職)
山口県の下関市にある地名です。「とくぎゅう」ではなく、「こっとい」と読むそうです。広辞苑にも「ことい」

という読み方が記載されているので、読める人はあっさり読める地名なのかもしれませんね。

 

●「府中」(28歳男性/機械・精密機器/技術職)
これは「こう」と読みます。徳島県徳島市にある地名だそうです。東京都には府中市(ふちゅうし)があるの

で、関東の人は「ふちゅう」と読んでしまいそうです。ちなみに、

 

・国府「こう」と読むので、国府高校は「こうこうこう」です。(27歳女性/医療・福祉/専門職)

 

という、愛知県豊川市にある同じ読み方の地名の回答もありました(笑)。

 

●「五百住」(31歳女性/自動車関連/事務系専門職)
大阪府高槻市にある地名です。この地名は「よすみ」と読みます。五百住神社や五百住小学校もある

そうですが、他の地域の人はまず読めないでしょうね。

 

●「木津用水駅」(33歳男性/機械・精密機器/技術職)
愛知県丹羽郡扶桑町にある駅名。木津用水は「こつようすい」と読みます。木津は「きづ」と読んでしま

いそうですね。

 

●「花畔」(34歳男性/情報・IT/その他)
難読地名の多い北海道ですが、この北海道石狩市にある地名もまともに読める人は少ないそうです。

花畔と書いて「ばんなぐろ」と読みます。全く読めませんよね……。

 

●「八景水谷」(30歳男性/食品・飲料/技術職)
熊本県熊本市にある地名です。これで「はけのみや」と読むそうで、「はけ」は何となく分かりますが、

それ以外が難しいですね。

 

●「学文路」(56歳女性/小売店/その他)
和歌山県橋本市にある地名で、「かむろ」と読みます。学問の神様といわれる菅原道真公を祭る

「学文路天満宮」などもあるそうですよ。

 

●「坂祝」(22歳女性/学生/その他)
岐阜県加茂郡にある町名です。坂祝と書いて「さかほぎ」と読むそうですが、「ほぎ」の部分が読めませんね。

 

他にも、大阪府の放出(はなてん)や喜連瓜破(きれうりわり)、沖縄県の東風平(こちんだ)など、難読とし

てよく知られる地名が挙げられていました。

 

今回挙がった地名たち、皆さんはいくつ読むことができました?

 

 

ということで、特牛です

 

特牛(こっとい)は、下関市(旧豊北町)にる、難読地名です。
特牛駅が、映画「四日間の奇跡」でロケに使われたりして「伊上畑駅」(いがみはたえき)として登場する。
また、角島がなんだかこの頃やたら人気(死ぬまでに行きたいなんたら・・と言う写真集のせい?
大渋滞に われら、Hijyu焚火倶楽部は困惑)のようで

 

最近では ちょっとメジャーになったかも。

 

 

 

広辞苑によれば 

特牛(ことひうし、こというし、こってうし、こっとい・・・。etc)-雄牛、牡牛のこと。

というようにあります。 これは古語なのです。とうぜん古語辞典にも載っています。

 

 

 万葉集にも、長歌が一首掲載されていて、

 

 

牡牛(ことひうし)の 三宅の坂に さし向かふ 鹿島の崎に・・・、・・・省略。
と、特牛が見られます。これは「ことひうし-コトイウシ」と読んでください。
日本書紀には雄略天皇のところで出てきます。そのほかにも2,3の文献(梁鹿抄、

ハコヤノヒメゴト)に見られます。

 

 ついでに書けば、雌牛はウノ、オナメと言います。


人物の名前では、大神特牛(おおがのことい)、小野特牛(おののことい)という人がいます。

大神特牛は奈良の三輪神社を創建し、石上神社にも縁の深い人物です。


牡牛、雄牛のことを、コットイと言う地方は西日本に多く見られ、大分、福岡の一部、島根(石見と

出雲の一部)、高松、岡山、兵庫(丹波、播磨)、などがあり、いずれもこれを方言だと思っています。


こんな地名は全国、ほかを探してもないだろうと思われますが、ところがあるんです。


福井県には、特牛崎(こってざき)というのが敦賀半島のどこかにあります。地図に載ってないので、

どこにあるのか確認はできませんでした。また、奈良県の十津川、福岡県の嘉穂町に、特牛岳とい

うのがあります。読み方はわかりません。地名ではないのですが、兵庫県の蜂伏山の頂上に特牛岩

(こっといいわ)というのがあります。


探せば、きっとまだまだあるはずです。

 

 


では、なぜ特牛をコットイと読むのでしょう。


古代韓国語でコットイは岬を意味するというサイトがありました。この場合、問題が二つあります。

古代韓国語がすでに滅びた言語で、いまはだれも知らないということと、特牛岳のように山岳にも

使われていることです。この二つの問題が十分に説明されないといけません。


やはり、コットイは牡牛を意味するのだと思います。特牛岳も、見てはいないのですけれども、牡牛の

ような形をした山だと思います。千葉県に犢橋(こてばし)というのがあります。また、ある文献では特

牛を犢牛と書いてあるのもありました。犢牛はコットイと読みます。犢は漢和辞典で調べると牡牛を意

味していました。


 もともと特牛は犢牛と書いていたのではないでしょうか。それがなんらかの原因で犢から特に変わり、

特牛になったのではないでしょうか。考えられるのは誤写です。むかしは手書きで書き写していたので、

間違えたか、あるいは同じ読みなので簡単な特の字に当てたかのどちらかです。これはよくあることです。

 


 牡牛だとして、なぜコットイなのか?


いよいよ佳境に入ってきました。


コトイウシは、荷物を背負う牛と考えられます。荷物を背負う強大な力強い牡牛だからこそ、人の名前に

も使われたのです。コトオイウシの略です。許負い牛、もしくは許多負い牛ですね。やがてそれがコッテウ

シやコットイなどように変化してゆきます。


特牛には、農作業や荷物運びの牡牛がたくさんいたか、あるいは「牛値(こといのあたい)」と呼ばれる

官職についていた人間がいたのではないでしょうか。それがいつしか地名として呼ばれるようになったの

だと考えられます。


ある説には、特牛は宇佐神宮の領地で、その宮司の長男が大神特牛だったので、その名前がついたと

ありますが、これは考えすぎだと思います。特牛の正式な地名は、大字神田特牛、です。神田は宇佐神宮

の領地、つまり神の田を表しています。そこから来ている説だと思いますが、大神特牛が統治したという確

証がないのと、彼が生れる前からこの地が宇佐神宮の領地だったということを説明しなければなりません。


*なお、日本海に面した小さな入り江を示す「琴江」から取ったという説もある

 

 

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