どんな(名前についての)話題になっても、最後は妻の(名前についての)嘆(なげ)きで終わるのがつねです。
それは妻の名前が、なかなか正しく呼ばれたことがないというものです。
妻の名前は晶子といいます。
どう呼ぶか、わかりますか?
「あきこ」といいます。
そう、歌人で有名な与謝野(よさの)晶子と同じ字を書きます。
それがなぜ、正しく呼ばれたことがないのか、わけがわからないというのです。
宅急便が送られてきたとき、必ず名前を確認していきますよね。
病院なんかで、名前をよばれるときも同じです。
みんなが「まさこさんで間違いないですか?」と言います。
「たとえば、しょうこなら、まだ納得いくのよ。(水晶のしょうなんだから…)でも、まさこはあり得ないわ」
というのが妻の怒りのもとなのです。
そして、妻は最後にこうつぶやきます。
「みんな、森昌子(歌手)のまさこと勘違いしてるのよね。あれは、日が二つだから…」
これだけ言うと、ちょっと気がおさまるのでしょうかね。
話しが一段落します。
もう、何度めなのだろうか。
一年に2~3回は絶対聞かされます。夫婦も年数を重ねると、恒例行事みたいなものですよね。
このように、妻の言葉は一字一句再現できるのですから…