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時の関守

ワンダフル モーメント (2)

私の亡き叔父(おじ)が、生前こんなことを言っていました。
「ちょっと、悪いくらいがいいんだよな。そんな子をあずかって、仕込(しこ)んでみたいんだよな。」
子供がいなかった、叔父夫婦にとって、また、どうも、やんちゃな青年時代を送った叔父にとっては、少し世の中からはみ出したぐらいが、鍛(きた)えがいがあって、そんな子を育ててみたいと思っていたようです。

彼を見ていると、そんな叔父の言葉が思い出され、その気持ちが今であれば、わかるような気がしました。
ちょっとした雑談のなかで、思いもかけない彼の言葉に驚いた私ですが、最後にひとことだけ伝えました。

「車に乗るようになったら、スピードだけは注意してよ。
俺は今まで、若いときに、大きな事故を起こして、一生を棒にふった人(こ)を何人も見てるからね。」
おせっかい言葉なのは、重々承知なのですが…
そう彼に伝えました。

車を運転してるとき、よくラジオを聞くのですが、先日、ふと流れてきた、松崎しげるのワンダフル モーメントという曲を口ずさんでいました。
私くらいの年代の人には、とても懐(なつ)かしい曲なのではないでしょうか。

ご存知(ぞんじ)、噂(うわさ)の刑事トミー&マツのテレビ番組のエンディングに流れていた曲です。
トミーこと国広富之が、普段はダメダメなのですが、マツにとみ子となじられると、スーパー刑事になって、事件を解決する展開でしたね。
石井めぐみもキュートでしたね。
清水章吾も輝いてたなぁ。

お決まりだったけど、トミーが変身するのは意外性があって、よかったなぁ。
私も人生を振り返ることが多くなりましたが、良いことも悪いことも、予想外なものが心に残っていますね。

思わぬ展開、意外な言葉。
心にそうして残ったものが、私たちの人生において、最後に残っていく、本当のワンダフル モーメントなのかもしれません。
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