「傾聴」による気づきと学びのセミナー

対人援助と自己援助を考えるセミナー、から「傾聴」による気づきと学びのセミナー、と改名いたしました。

新春セミナーの「ふり返りシート」No3です。

2021年01月31日 09時49分22秒 | 傾聴セミナー
 傾聴セミナーに参加するたびに新たな気づきや学びが得られることに感謝しています。回を重ねるからこそ得られることともありますが、今回は、グループになる方々の出会いがあるからこそ、また新たに発見できることを強く実感できました。

 今回は、自分に近い経験や出来事があった方や日ごろから自分に近い距離にいる方との、聴き手としての態度について再度考えさせられましたことについて書きたいと思います。
 まず、自分に近い経験や出来事があった方の聴き手になるときの態度です。経験や出来事が近いがゆえに相手の方の感情にとても近づきすぎてしまう感覚や、逆に近い経験をしていてもその方の感じ方の違いや変容を自分と比較してしまい、過去の自分を責めるような感情が途中湧き出てきました。あたかも話し手になったかのように聴こうとしていたのですが、いつの間にか自分軸で聴いてしまっていました。さらに相手の方の情景を浮かべようとしても、自分の感情の情景とリンクしてしまうような想像にとどまってしまい、近い経験だからといって相手の方の語る情景が必ずしも容易に浮かぶわけではないと感じました。近いときほど聴き手としての態度に注意を払いたいと思いました。この時は第2の聴き手であったため余計にそのようになったのかもしれません。第1の聴き手の方は、とても自然の流れのなかで話し手の方に伝え返しされていたので、話し手の方もとても自然に語られているようにみえましたし、その聴き手が語られた情景はご本人さんともかなり一致していたようでした。それでも、話し手の方があとで「聴くこともエネルギーがいるけれども、話すほうもエネルギーいりますね。簡単に人には「話して」と言いがちだけれども、エネルギーがいるものだと理解してかかわっていきたい」と言われた時、そのことにも心を寄せていくことの必要性やだからこそ、余計に「聴いてもらえてよかった」と思っていただけるような聴き手になることの大切さを学びました。
 次に、親しい人の聴き手となるときの態度です。親しいとはいえ、グループセッションでは初めて同じグループになりました。知っているだけにそれだけでバイヤスがかりました。聴き手である私に対する期待も勝手に思い込み、そのことで冷静さもなくしました。さらに、今回は、話し手の方は、まだ混沌としている自分の気持ちをそのまま語ってくださったのですが、その方への伝え返しを丁寧にするというよりも、問いかけが中心になってしまいました。問いかけながらご自身の気持ちを確認いただいたり、深めたりしていただければという思いもあったのですが、それが必ずしもよい聴き手の態度ではないことに途中から気づきました。しかし、なかなか修正できませんでした。混沌とされているからこそ、もう少し一緒にその場にとどまっていることも必要だったとあとで思いました。今回の経験は、特に自分の身近にいる人への傾聴の態度をも考えさせられる機会になりました。その方のことをあたかも理解しているような感覚で聴き手として臨んでしまうことが多いし、知っているだけにアドバイス思考も生まれやすくなるのだと思いました。
 話し手としては、以前に比べて、随分語りたいことや出てきた感情をことばにすることのプロセスが自然で楽だなぁと感じました。それは聴き手の方の傾聴がとてもうまかったこともありますが、最初に行ったワークが助走になったからでもありました。語っている途中から、ワークで思考したこととつながり、より自分のことを感じながら、そして整理しながら語ることができました。全部がつながっている自分。過去からすべてつながっている自分を感じました。話し終わったあとに、聴き手の方々から思い浮かんだ情景やキーワードを伝えていただいたとき、いつも感じている「不安に感じるもの」の根底にあるものに気づけてとてもすっきりしました。頭で理解していた不安への解消方法の根拠にあたるものに出会えた気持ちになりました。
 この傾聴セミナーは、いろいろな出来事に直面したとき、ひとはどういう気持ちになるのか、どういう変化が起こるのか、そのことに寄り添い、学べる機会になります。その対処のしかたもさまざまであり、正解はないものだと思うようになりました。ただ、その時々に誰に寄り添ってもらえたか、出会えたかはとても重要なことですね。
 最後に、今回はいつも以上に、終わったあとにセミナーの感想を受講者の皆様と語り合いたい気持ちがとても強くなりました。対面のセミナーの時はそういう時間もあったのですが、ZOOMではそういう時間が持てないのは本当に寂しいです。もちろん、セミナーのブログで受講者の皆様の感想は拝読できるのですが、やはりはお互いに語り合う会が1週間後ぐらいにあると、自身の気づきや学びがより深くなるのではないかと感じました。セミナー直後に感じたことと、しばらく立ってまたじんわりと出てくる思いもあるでしょうし、同じ時間を共有していても、多様な思いや考えに触れ、そこからまたエネルギーがわいてくる感じがします。ZOOMでのセミナーがまだ続くのであれば、そういう機会も得ることができたらと思いました。また、皆様とご一緒に傾聴セミナーでお会いできることを楽しみにしています。



 傾聴のセミナーがオンライン形式になって2回目の参加でした。前回のセミナーで、オンラインでも傾聴を十分に学べるという体験を踏まえての参加でしたが、今回は、改めて、直接お会いして相手の方の存在をリアルに感じながらお話をすることができない難しさを感じた気がしました。なんだろう、この感覚は...と思いながら過ごしていたその後の日々の中で実は、セミナーの本当の意味が実感できたのは、時間が経過してからのことでした。傾聴のセミナーに10回以上参加させていただいている中で新しい学びでした。それは、セミナーに参加した時間の中で体験したことがその場でもしくはその直後には分からなかった意味が、時間を経て、後からじわじわと理解できるという感覚でした。
 セミナーの3日後、私は、地元の言語聴覚士養成校で毎年担当させていただいている吃音の講義に伺うことになっていました。それまで知識として吃音を学んできた学生さんに、対人援助職としての言語臨床を学んでもらえるような実践的な講義を行うのが私の役割なので、毎年、ロールプレイを交えたり、学生さん同士の話し合いを取り入れたりして、言語聴覚士は人を相手にする仕事なのだという、当たり前のようで学生さんが実感できていないことを認識してもらえるように努めてきました。現在、養成校の学生さんたちは感染症対策のためオンラインによる講義を余儀なくされており、講師はおろか学生さん同士も直接のコンタクトがないままに過ごしてきています。今回は幸運にも長野の感染拡大が少しおさまってきたタイミングでの講義だったため、学校で対面の講義ができることになりました。そのような中、今回はちょうどセミナーの直後に講義に伺うということもあり、それまで準備していた内容をがらりと変えて、ことさら傾聴を意識した内容の講義に挑戦してみようと考えました。
 まず、学生さんには2人1組になってもらい、保護者役・ST役に分かれてのロールプレイを通して来談者の思いにしっかりと傾聴するという経験をしてもらいました。「吃音の原因って何ですか?」と、来談者に問われた専門家が、その問いにどのように対応するかという設定です。傾聴のセミナーの様にまず、一人の学生さんに協力してもらって私と学生さんとでデモを行い、その後、学生さん同士でロールプレイに挑戦してもらいました。
 来談者から投げかけられる問いや不安にただ情報を提供するだけでなく、なぜそのような不安を抱いているのか、どうしてそれを知りたいのかという、事情や背景に思いを巡らせ、しっかりと傾聴しながら相談に乗る。伝え返しや共感的に聴くということについても演習を通して経験してもらいました。これは、傾聴のセミナーに参加している社会人の人たちにとっても難しいことなので、学生さんたちにとってとてもハードルが高い課題であることは言うまでもありません。はじめのうち、久しぶりに会うクラスメートとのロールプレイに照れてしまっているのか笑いが止まらないペアもありました。戸惑っているのか、真剣に取り組めないのか、沈黙のままただニヤニヤと笑っている...といった学生さんもいました。しかし、ロールプレイの意味を伝え、回数を重ねていくと徐々に、時間が足りないくらいにしっかりと話し合いができるようになっていたり、真剣に役になりきって話し合いをしていたり、しっかりとうなずきながら話を聴いていたり、一生懸命伝え返しをしようとしていたりする姿が見られるようになりました。
 最後に学生さんたちに「みなさんがこれからなろうとしている言語聴覚士という仕事は、毎日がこのような来談者との真剣勝負の対話の連続です。そこには大変さも、責任もあるけれど、とても大きな役割があり、そして楽しさもやりがいもあります。」と伝えました。講義後、学生さんが感想を書いてくださったのですが、演習の意義を感じてくださったことが伝わってきて、この形式を取り入れて本当に良かったと感じました。
 セミナーの直後には思い至らなかったことが、1週間経った今、じんわりと意味を成してきているように感じます。もしかしたら私だけではなく、セミナーに参加された方々の中にも私のように、時間をおいてから少しずつ気づきや学びがある方もいらっしゃる方もおられるのではないかなと思いました。私はそんな皆さんのお声を聴きたいです。

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新春セミナーの「ふり返りシート」No2です。

2021年01月30日 07時47分52秒 | 傾聴セミナー
前回に引き続き、この度もセミナーに参加させていただきありがとうございました。
このセミナーのおかけで、自分の心の声をきちんと言葉にするということや、その言葉を聞いてほしい人に伝えるという作業を学びました。また、話し手の方の心の声がピタッとあった言葉になっているか伝え返しながら聞くという姿勢も、まだ不十分ながら学べたような気がいたします。日頃、人との何気ない会話が、一段と違って見えてきたことや、大切な人との会話もより深めることが出来て大変
感謝しています。ありがとうございました。

振り返ってみると、一番はじめに傾聴のセミナーに参加しようと思ったのは、仕事柄学生の話を聞くことが多く、また家庭でも家族の話を聞く場面が多くあったからでした。それまでも、“聴く”姿勢を読んだり、学んだりしていましたが、なかなか上手くいかないと思うことがありました。話を聞き終わって、聞いていた私自身“すっきりしない”何かがありました。私はよかれと思って、自分の時間を使って、寄り添ったつもりだけど、相手もすっきりはしていない、私もそんな相手をみて何かすっきりしない、もやっとした気持ちが残りました。友人と話す時は違ったような気がします。身構えていない、お互いに自然体でいられて、多くを求めていないからかもしれませんが。
仕事柄、家庭の立場的に、相手を受け止めよう、何か解決策を見つけて欲しい、すっきりして欲しいというこちらの思いがあったからかもしれません。

 何回かセミナーに参加して、そして生活の中で活かそうと試みてきて傾聴について自分なりに感じた事があります。その1つは、必要な時に傾聴の姿勢をもつ、という事です。聖人ではないので、いつどんな時でも傾聴出来るというのは難しいと感じます。必要な時にスイッチを切り替えるように、『あ、今は腰を据えて傾聴しよう』『傾聴しようとするなら、私はここでどんな事を返すだろう』と考えるようになりました。上手くいって、相手が「ありがとう!そうなの!辛かったんだー」と言ってくれた時があり、上手く相手の気持ちに寄り添えたと思う時がありました。こういう事なのだ、と少し分かったような気持ちになりました。
 ただ、家庭内では自分にも関わる事だったり、相手のことばが強すぎたりすると、聞いていられなかったり、黙っていられなかったり、聞きながら嫌な感情があふれてしまったり・・・という事も多く、上手く傾聴出来ないことも多々あります。これをどうしたらいいのか・・・と思い、そんな部分を少しでも解消出来ればいいなと思いまた参加させていただく事にしました。

今回印象的だった事の一つは、“聞き方・表情”に関して、でした。私は、二番手の聞き手でしたが、私の表情が辛そうで、話している方が『私が、辛い気持ちにさせてしまっているのでは、と思ってしまった』と後で話してくださいました。それはいいことなのか、よくないのか・・・。気になる点として話されているので、改善が必要なのだとその場では感じました。ただ後になって思う事は、話し手の方に「辛そうな表情をして聞かれているのは、どうですか?もっとこうして欲しい、というのはありますか。」と伺えば良かったと思いました。
 話している方の表情やお話を聞いていて、『とても、つらいんじゃないかな、苦しい思いを抱えてらっしゃるのではないか』と感じたから、辛そうな表情が出てしまった。それはその気持ちを自分の事のように感じ過ぎてしまった、飲み込まれ過ぎてしまったのかもしれません。共感するのが悪い訳ではないと思うですが、相手が、話しにくいのであれば、またその“自分の事のように感じ過ぎてしまい、その事で本来の“聴く”ことからずれてしまうのでは、よくないですし。もう一歩踏み込んで、「どうして欲しかったですか」と聞いてみることと、ただその思いをあたかもその人が感じるように感じながらも、飲み込まれ過ぎないようにしなければいけないのかな・・・と感じました。
 でも表情の事を言われた事は無かったので、よいきっかけだったと思います。

あと、一番手の聞き手になった時には、つい伝え返しがまとめに近くなってしまったように思います。そうならないようにしていても・・・。話し手からその点のフィードバックは特になかったのですが、そこも指摘されるのを恐れずに、「伝え返しについてはどうでしたか」と確認する勇気を持ちたいなと思いました。
 デモを通して、相手が受け取って欲しいところ、相手が重要と感じているところをゆったりと、重みをおいて伝え返すというのは一つ私にとっては重要なポイントだったと思います。
話を正確に聞いて理解することも大切ですが、そこを伝え返すのではなく、話し手が重要と感じているところを正しく把握して伝え返す。ここをしっかり外さなければ、傾聴についてまた一歩進めるかもしれない、と感じました。

自分が話し手の時には、どうしても感情が伴うと涙が出てしまうことがありまして・・・。しっかり気持ちと向き合おうとすると余計にそうなってしまい、感情を抑えようとするとまた自分の気持ちに率直に向き合う事から離れてしまいそうで、なかなか上手くいきません。本当に感情が揺さぶられることは、練習の場ではやめておくことが無難なのかもしれない・・・とも感じました。
でも、否定もされず、堂々巡りしているようでも非難されず、安心して自分の気持ちに向き合い、それをことばにすることが出来ると、本当の自分の気持ちに向き合うことができたように思います。そうか、こんな風に思っていたんだ・・。問題の解決、とはいきませんが頭で納得しようとしていた事の奥に隠してしまっていた、本当の気持ちを知り、感じてしまった事で、片意地を張らずに素直になるしかないな・・・と少し楽になれたような気がします。

最後のグループでの共有の時に、普段の生活でなかなか傾聴がうまくいかないという話になりました。この場では、傾聴する方、される方も同じスタンスでいるので傾聴が上手くいくが、なかなか生活の場だと難しい場合がある、と。なので、傾聴のセミナーが重要な“聴いてもらえる場”なのだと思います。大切な人、自分の思いを傾聴して欲しい人には参加してもらえるといいのかな、と改めて感じました。なかなか難しいですが。
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2021年1月24日の「ふり返りシート」から

2021年01月26日 09時03分17秒 | 傾聴セミナー
新春セミナーの記録です。掲載をご承諾されている方の「ふり返りシート」です。

 今回、私事の悩みも丁寧に聞いて下さり、とても良い会でした。そして、あたりまえですが、誰しもが悩みを抱えているということを実感し、悩んでいるのは私だけではないと実感することが出来ました。私は悩むと、どうしても何故自分だけがという考えになりがちですが、誰しもが悩みを抱えています。それに大きいや小さいということは無いのだと思います。こういった話を聴く会になると、心に秘めた悩みを出す事ができます。心に秘めた悩み事をアドバイスではなく、自己に問いながらしっかりと聴いて頂く中で、自身の中でも解決策や“これでいいのだ”という想いが生まれてきました。
 また、今回は前回と日程が近いこともあり、相手の話をお聴きしながら、伝え返しを意識した会でした。前回のことも意識して伝え返しをしていきましたが、上手くいったという部分となかなか上手くいかなかったという部分の2つの部分がありました。ですが、多くの方々とこのセミナーを通して出会い、伝え返しの練習をしてきたからこそ見えてきた課題だと思いました。最初にセミナーを受けた際には、伝え返しもあまり意識すること無く話を聞いていたようにも思います。このように、分からない事が徐々に分かっている、正解が無いかもしれないからこそ、学び続けようと思うきっかけになります。
 今回もお忙しい中、セミナーを開いて下さり、感謝しております。そして、様々な方々に出会い、それぞれに学びの機会を頂けましたことに感謝致します。

・「聴く」のは難しいと思いました。話している人の想いが正しく聴けているのかな、独りよがりの聴き方になっていないかなと不安でしたが、話してくださった方が、こうだったよと後で教えてくださったので勉強になりました。
・自分と向き合うことができました(プラス面もマイナス面も)。話を聴いてもらっているうちに、自分で気づけたことがあり、スッキリしました。緊張がだんだん溶けてきたことも実感できました。
・LINEもしたことがない私が、初めてのzoomに一人で挑戦するのはとてもハードルが高いことだったのですが、優しく助けていただいて何とかやり遂げることができ、感謝と感動の気持ちでいっぱいです!! ありがとうございました。
・接続テストが2回あって、助かりました。
・前日まで、そして当日も、優しくさりげなく支援していただくことのありがたさと大切さを実感しました。目の前にいる子ども達や職場で、この学びを真似します♡

・傾聴の難しさと楽しさを再発見できました。コロナ禍で人と会ったりゆっくり話をしたりできていない中、自分では気がつかないストレスや負荷も溜まっていました。聴いてもらえる安心感、ちょうどいい相づちや聞き返しがあることで自分自身新たな気づきや発見がありました。また、「話し手が聴き手の傾聴力UPに貢献」ということが実際にやることで納得しました。
・自分が話し手の時は、「これから進むべき道」というテーマで話しました。聴き手から「興味」というキーワードが返ってきたことで、自分自身では考えていなかった発見がありました。
・吃音を言い訳にしてきたことがたくさんあり、現在はやらない理由、できない理由に吃音を挙げないことを自分の中で大切にしています。何か立候補したり、挙手したりする場面では積極的に行うようにしていて、それが実践できたことも良かったです。
・なかなかお会いできない人や懐かしい人がたくさんいたので、実際に会って開催できるのも楽しみにしています。オンラインでもグループセッションや休憩のタイミング、資料を含めた事前の準備などたくさん工夫して頂き有難うございました。多くの学びと気づきに感謝です。活力が湧いてきたので明日からの仕事が楽しみです。

 今日はありがとうございました。直接のセミナーを含めて2度目の参加でしたが、今回もとても有意義な時間をいただきました。
 まず率直に感じたことは、相手の話に耳を傾けながら、その情景を思い浮かべる(浮かべ続ける)ということは難しい!ということです
私には、相手の言葉に注目してしまう癖があるようで、感情表現や内容を正確につかむ訓練が必要だと痛感しました。今から始めます。
 以前、私が辛い体験をしたときに、友達が、「話せば楽になるよ。」と言ってくれたことがありますが、なかなか話す気になれなかったことを思い出しました。その理由が、今回のセミナーを通して少しわかったような気がします。“傾聴”という言葉に対して、“聴く”というイメージが大きかったのですが、話をすることにもたくさんエネルギーを使うのですね。自分が相手に話をするときは、自分の気持ちを適切な言葉を使って表現したいと感じました。相手の話を聴く側になるときは、話しをすることにエネルギーを使うということを忘れないで、丁寧に耳を傾けたいです。
 その他にも、たくさんたくさん感じたことがありますが、一旦持ち帰って丁寧に振り返りたいと思います。また参加させていただきたいです。ありがとうございました。

 前回の傾聴セミナーのあとから「伝え返し」を積極的に行うようになっていました。しかし、どの言葉をどのように「伝え返す」のかが分からず、難しく感じていました。今回はそれを理解したいと思って臨みました。傾聴している間、どのように伝え返しをしているのか、話し手はどのように反応するのかを観察していました。そのままの言葉を利用するのか、咀嚼して自分の解釈を入れて返すのか、難しさを感じましたが、それでも少しわかった部分もありました。
 また、今日は傾聴という行為は、話し手は聞き手と話をしているのではなく、話し手本人が自分と対話をすることなのかなと思いました。「伝え返し」は話してが自分の心を鏡で映してみる行為であったり、欲しい言葉に気づくことにつながると思いました。また、今の感じや過去の気持ちを情景で思い浮かべることは話し手が自分の心を客観的にとらえることにつながり、埋没している自分を少し抜け出て、明るいところに出て自分を見つめ直す時間になると感じました。とても深い学びになりました。ありがとうございました。

 傾聴セミナーを開催していただき、ありがとうございました。最近、悩みやしんどさを吐露する友人に対して、傾聴できていないことがありました。そのことを、とても反省し後悔しているところでした。
 今回は、私は若い人たちとのグループで、お二人とも私を聴き手に指名されました。話し手の方が、ご自身のことをお話しされるとき、自分にも、同じような経験や思いがあったことが、つい頭に浮かんできてしまいました。普段の生活では(傾聴の意識が低いとき)、それを口に出してしまうところなのですが、友人の気持ちに寄り添えなかった自分自身の反省もあり、「今、話し手はあなたじゃない、この方だ!」と、(半分自分にあきれながらも)意識を相手に戻し、浮かんでくる自分の思考を鎮めました。と同時に、話し手の「情景」を想像しました。意識的に想像しました。「話の内容ばかりにとらわれないで、心情に寄り添おう。そして、話の内容(話のつづき)に先入観を持たないで聴こう。」ということを、今日は特に意識したくて、私の目標にしていました。お話しされたことの中には、私自身が興味のある内容もあり、つい、(この先はこういう展開になるのかな、この人はこんな話をするんじゃないか)といったことを、つい想像してしまいそうにもなったのですが、そのときも、自分で瞬時に気づき、その意識を消して、目の前の方の「情景」を想像することに集中しました。ふりかえりで、お二人が「しっかり聴いてもらえた」とお話ししてくださいました。私自身、お二人の思いや、心の動き、そのときの情景を、共有できていると感じることができました。あの友人にも、こんなふうに聴いてあげられたら良かったのに、と思いました。そして、私も、やればできるんだなと思いました。(あつかましいですが)日頃からの練習の大切さをあらためて感じ、特に、相手の方の悩み事や辛い出来事を聴く場面では、意識的にその情景(心の情景)を思い浮かべよう、と強く思いました。
傾聴の敵は、思考だと感じています。ゆっくりうなずく、時々伝え返しをする、深める質問をする、など傾聴の大切な要素はほかにもあるのですが、私は「情景を思いながら聴く」ということを、まずはコンスタントに、もっと自動化できるようになりたいです。
 「同じような経験をしているから分かる。」ということは一般的には、言われることです。けれど、今回のように、自分に同じような経験があったことを一切話さなくても、相手は「聴いてもらえた」と感じることができること。逆に、「同じような経験が自分にもあったなあ。」などと頭の中で考えているときは、「聴けていない」ということにほかならないと気づきました。自分の意識の向かう方向を、どれだけ切り替え、どれだけコントロールできるのか。そのことに、傾聴の可能性の大きさを、あらためて感じました。これまで何度も受講し、知っていたことではあるのですが、今回のグループで聴き手をさせていただいたことで、深く自分の心に落ちました。
私の話を聴いてもらったときも同様に、心の一体感というか、包まれるものを感じました。
 話し手との立場や状況の違いを感じるとき、「あ、自分には分からないことだ」と、状況把握に躍起になったり、逆に分かろうとすることを諦めたりする、あるいは、相手から自分はどんなふうに見えているのかを考え立ちふるまう、というのは、心の入り口にも立てていないということを肝に銘じ、これからの日々をすごしていきたいと思います。
 数ヶ月後から、心に傷を負っている子ども達と接する仕事に就く予定です。傾聴セミナーの経験を役立てることができたらと思います。ありがとうございました。

 1月24日のセミナーでは、本当に「学び、気付かされる」ことが多く、忘れられない一日となりました。
 翌日、余韻が消えないままに出勤し、いつものようにベッドサイドに出向きました。するといつも穏やかな笑顔を見せている方が元気がないのです。理由を尋ねると、「点滴を打つのが怖いのです。後遺症がどれくらい出るのか・・・。」とのこと。「今まで3日間打ちました。あと3日間なのですが勇気が出ないです。これ以上続けるべきか、昨日一日中、ずっと悩んでいました。」と今にも涙がこぼれそうな様子で言われました。セミナーで学ぶ以前の私でしたら、『半分済んだのです。あと3日間!あと半分で終わりますよ!』と励ましていたと思います。でもこの時は自分から口を挟むことのないように、「そうですか・・・勇気が出ないのですね。」「後遺症・・・」「怖いのですね・・・」と必要最低限の反応を示しながら、ずっとお話を聴き続けました。するとその方が『今もまだ悩んでいます。この先数年で体が弱っていくと聞いています。「どうせ点滴を打つなら元気なうちに打った方が良いよ。体の負担も少ないし」とも言われています。それは理解出来るのです。でも副作用が怖くて・・・。どうしたら良いんでしょう。打つか打たないかは自分で決めなければいけないのですが、でも私には荷が重くて・・・。』と言われました。そして続けてこう言われました。「この苦しみは当事者でないと解らないと思います・・・本当に怖い・・・」と。涙をポロポロ流してそれをふき取ることもなく話してくれました。
 胸にずしりと重く乗りかかる言葉でした。“痛みや苦しみは当事者でないと解らない” いつも自分に言い聞かせていた言葉です。いまこそ寄り添わないと。ずっと考えながらこの方の話を聞いていました。どうする事が最も良いのだろう。点滴を打つことを薦める?打つのも止めるのも自分の考えで良いのだということを改めて伝える?打つことのメリットを説明する?止めても良いよと言う?いろいろな選択枝がよぎりました。でもこのセミナーで学んだことを活かさねばと思い、アドバイスは絶対にしないように心がけました。
「なぜ後遺症が怖いと思うのですか?」という聞き返しに「副作用が辛いんです。辛いというのはどう出るかが解らないから。体が起き上がれないほど苦しかったらどうしよう・・・。」それからしばらく「間」がありました。ぐっと我慢の時間でした。するとまた話し始めて下さいました。「本当に怖い・・・でもひょっとしたら点滴を打てば体が弱っていくというのもうんと軽減するかもしれないですね。これはやってみないとわからないことですよね。やっぱり打った方がいいのかな。とても怖い・・・だけどやるなら今ですよね・・・やっぱり打つことにします!」と仰いました。でも言った瞬間に声を上げて大粒の涙を流されました。言ってはみたものの、怖さはそのままだったのでしょう。しかし結論が出たすぐ後に、様子を伺いに来られた師長さんに向かってこの方は「この人(筆者のこと)がいてくれたから点滴を打ってみようと思うことができました。お願いします!」とはっきりと仰ってくださいました。
 この方の心の支えにほんの少しなれた気がして、その日はずっと胸が一杯でした。「傾聴により話し手が聞き手を成長させる」というのを実感出来た瞬間でした。明日も会いに行こうと思います。


この後も、「ふり返りシート」が届き次第、掲載を増やしていきますね。








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2021年、新しいスタートです。

2021年01月25日 21時07分04秒 | 傾聴セミナー
 新年を迎えました。
 皆様いかがお過ごしでしょうか。一月も後半になりました。
 新型コロナウイルスの感染拡大がますます深刻な状況です。対策は今後どのように展開していくのでしょうか。

 そうした状況下で1月24日(日)、経験者による傾聴セミナーを実施しました。ZOOMによるオンラインセミナーでしたが、皆様のお顔を拝見できて嬉しく、そしてありがたく思いました。じっくりと聴くこと、そして話すことにもエネルギーをかけて、学びの多い有意義な時間を過ごすことができました。参加者の皆様の傾聴力の高さがこのセミナーの場を温かくしてくださっていることを感じました。ふり返りシートの感想をまたUPしていきます。

 次回は、ベーシックスを3月6日(土)11:00~16:30、アドバンスを3月7日(日)10:00~16:30におこないます。基本に立ち返って傾聴姿勢をしっかり練習していきましょう。ご参加をお待ちしています。
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