tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

恐ろしい会議

2017-07-05 17:40:09 | 今日の出来事
前任者からの引き継ぎで出るように言われたある定例の会議。

なんとも恐ろしい会議だった。

関係者(10名程度)が一堂に会する意味があまりない。だから話にも中身がない。
出席者はひとりひとり発言するが、「発言のための発言」とでも言うのだろうか、
めいめいの立場がめいめいの立場であるということを再確認するだけの意味しか持たず、
(あるいは、「私もちゃんとここにいますよ」という存在アピールの意味しか持たず)
これによって何かが進んだり、何かが深まったりするということがない。
ただの「セレモニー」として議事が進行していく。

このうち2人は紙資料を提出し、
(特に重要な意味があるとも思えない画像のページを、丁寧にもカラーコピーで)
それについて説明をするのだが、これがまあ、しんどい。
何しろ出席者はそのディテールを逐一把握しておく必要がない。
話者2人のサイドで責任をもって進めてもらえれば構わない案件なのだが、
出席者は、「それについて情報共有していた」という姿勢をとらなくてはならないらしい。
いわば「パフォーマンス」である。
せめてドラマチックなパフォーマンスなら楽しい時間を過ごせるのかも知れないが、
あいにく話者2人は、人を惹きつける生き生きとした喋りのテクニックなど持っていない。
ぼそぼそとした声が部屋の中を行き場なく流れていく。
まるで諦念と無気力に絡め捕られた大学教授の授業の教室にいるようだ。
当然、話を真剣に傾聴するモチベーションは持ち得ない。
起こることは必定である。眠くなるのである。

自分も何度か落ちかけた。他の出席者も見れば同様である。
スマホというのは便利なグッズである。手の中で、気を紛らわす何かを探す。
(そうした行為をいちいち咎め立てするような「陰湿な鬼上司」のような者はいないのが、
この場の唯一の救いである)。
しかし、スマホにもそれほど身が入るわけもなく、退屈な時間がどんどん降り積もっていく。

ようやく話者2人のスピーチが終わる。
他の誰かが、いかにも話を興味深く聴いていたという体で、補足の質問を幾つか入れる。
もちろん、あってもなくてもいいような質問である。
それでも一同は、はあーそうなんですかあーと、興味深い新事実が発見されたかのように、
リアクションの芝居を打つ。

ようやく会議も終盤だ。
「定例」と銘打たれたこの会議、案件の歴史から察するに、
もしかしたら10年・15年このスタイルで続けられているのかも知れない。
もう誰にも止められない。
粛々と次回の日時が決められる。
月に一度だけの会議なのが幸いである。次回は過ごし方を考えねばならない。
思えば僕は、授業中の「内職」は学生時代から得意だった。