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5:52 朝風呂に入った頃はまだ真っ暗だったが、支度をして宿の外に出ると、妙高山が朝の柔らかい光に照らし出されていた。
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宿から17kmほど移動し、登山口の戸隠キャンプ場へ。
6:44 ひと気のない戸隠牧場の中を進む。
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牧場の敷地を出て、沢を登っていく。なかなか傾斜があり、大雨の時は流出物が多いのだろう、道は荒れ気味。
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7:35 滑滝。流れの右脇を登っていく。
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順調に高度を上げている。振り返ると、輝く雲海が山の端を埋め尽くしていた。
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7:53 氷清水。「氷」というほどには冷たくはなかった。しかし、急傾斜を登ってきた先、真夏にはきっとありがたい存在の水場になるだろう。
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8:08 尾根上に出る。一不動避難小屋。
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一不動。高妻山の登山道には「十三仏」の石仏が順に祀られている。「十三仏」とは?人の死後の初七日から三十三回忌までの忌日を司る13の仏のことで、不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如来、観世音菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿閦如来、大日如来、虚空蔵菩薩。高妻山頂は10番目の阿弥陀で、以降は山脈を辿って13番目・虚空蔵の乙妻山まで続く。
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尾根上を行く。右手、南東側には飯綱山と、その麓に出発地点の戸隠牧場が。
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左手、北西方向には、目指す高妻山が見えてきた。
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後手、南南東方向に見えるギザギザの山容は八ヶ岳か。その左端には…
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富士山が頂を覗かせている。
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9:10 五地蔵。紅葉が綺麗だ。今まで北を向いて歩いてきたが、五地蔵山頂(1998m)から西へ進路を変える。
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右手に黒姫山が近づく。昨晩はあの山のちょうど反対側の麓に泊まった。
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左手にはギザギザの戸隠山も見渡せるようになってきた。
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10:00 九勢至。高妻山の峰を正面に捉える。
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高度を上げていく。八観音など、歩いてきた尾根を振り返る。
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十阿弥陀付近の岩場。巨岩の頭を渡っていく。山頂はもう近い。
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10:55 高妻山頂(2353m)。向こう(南西側)は白馬の峰々。
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北東側。右手より、妙高山、火打山、焼山と続く峰々。
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北西側奥に見えるのが一昨日登った雨飾山だろうか。
山頂の標識から少し離れ、誰もここまでは来ない1畳ほどのてっぺんをもつ巨岩によじ登り、弁当を広げる。雄大な景観を睥睨し、まるで天下統一を果たしたかのような心持ちでいる。おにぎりにガブリと噛みつく。今回の山行で最後の山。30分ほど山頂で過ごす。
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山を下りていく。
11:51 実は登りの際、この地点で“滑落”した。2mほど。右手で草の根っこを掴んでよじ登ろうとしたが、その根っこが抜けてバランスを崩し、しかしうまく体勢を立て直した…かと気が抜けたところで足元の引っ掛かりを失い、横向きになって背中から落ちたのだ。途中1バウンドして。もしかしたら1回ロールしたかも知れない。腰と左肘を強打する。幸い頭は打たなかった。自分の体が制御不能になる転落をしたのは、これまでの登山経験の中で初めてだ。下山中、再び通りがかってその「現場」が特定できたので、戒めのために写真を撮っておく。
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下山道が稜線上に続いている。
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尾根のアップダウンを繰り返しながら、九勢至、八観音、七薬師と、行きとは逆にカウントダウンしていく。高妻山を振り返る。
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前方に六弥勒の峰が。山肌を染める赤・黄・そして緑。多彩で繊細な色遣い。
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12:57 六弥勒。僕の持っているガイドブック(幾分古い)には記されていなかったが、ここから戸隠牧場へ下りる新道があり、下山はそのルートを推奨します、と看板が出ている。一不動から下の沢は傾斜が急で道も荒れており、登りながら確かに懸念はしていた。今日は“滑落”も経験していることだし。ここから新道で下ることにする。
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飯綱山と戸隠牧場を望む。「モ~」という牛の鳴き声が、かすかではあるがここまで聞こえてくる。
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行く手の正面に黒姫山の全容を捉える。
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新道は実に歩きやすかった。休まず歩き続ける。ブナ林の中を行く。
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麓まで下りてきた。山の中では一度も用を足していないが、一昨日の雨飾山と同じく、せせらぎの音を聞いて急に尿意を催してきた。あと少しの我慢。
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14:08 戸隠牧場。牛が放牧されている草地のへりを歩く。緑輝く草原となだらかに広がる山が美しい。素敵なエピローグ歩きとなった。
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牧場を出て、茶店でソフトクリーム。少しだけ舐め始めた後で気づいて撮った写真なので、山の頭がなくなっているけど。
駐車場に戻り、シャツを着替え、登山靴をサンダルに履き替える。
昼食には遅く夕食には早い中途半端な時間。おやつにちょうどいいかと、この旅2回目の戸隠そばの店へ。
戸隠森林植物園近くの「そばの実」でざるそばをすする。
戸隠からは飯綱高原を経て長野市街へ。
街を見下ろす高台を下りきったと思ったら突如善光寺の参道に出たので驚いた。
長野駅前を通り、犀川を渡り、ロードサイドの西友でアイス
(こういう時に無性に食べたくなる「あいすまんじゅう」)とコカコーラを買って休憩。
西友などにいると、ここが長野なのか埼玉なのか東京なのかわからない。
再び走り出し、上信越道のインターチェンジが近づいてきたものの、
CDをかけながらののんびりドライブが興に乗ってきたのでそのまま一般道を行く。
山の端に沈む夕陽を見ながら千曲、坂城、上田と国道18号線を走り続ける。
明日あさっては土日で休み。急ぐこともない。
なんとなくハンバーグが食べたくなり(そういえばこの4泊の宿の食事はみな和食だった)、
ハンバーグ店があったらそこで食事をして、店を出たら手近なインターから高速に乗ろう
と考えていたものの、小諸を過ぎても目ぼしい店はなく、軽井沢へ突入。
立派な梁が天井を渡る古民家風で、いい選曲のジャズが流れる、
いかにも軽井沢らしい雰囲気の「盛盛亭」でハンバーグ定食にありつく。
店を出て、碓氷軽井沢インターは街から離れているな…と敬遠しているうちに、
ヘアピンカーブが連続する山道で群馬県に入り、結局、横川、安中、高崎と走り続ける。
しかし、さすがに埼玉県に入ったら信号も増え、スイスイとはいかないだろうと、
藤岡インターから関越道に乗って帰途につく。
今回の山行で「日本百名山」登頂は55座となった。