ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

兵児帯

2010-07-30 20:50:29 | 着物・古布
絞りの柄は「宝船」です。

最高級という絹ではありませんが、まぁまぁの絹、
未使用で糸でとめたまま、箱入りでした。なんとお安かったこと…。
リサイクル品であっても需要がないんでしょうねぇ。
使い古して絞り部分がのびたものは、かえってブラウスなどに使われますが…。
これは私が使おうと思っています。
大人物ですから、幅は70センチ、長さは380センチ、
太めになった私にもたーっぷりです。
先日、うなぎ帯に悪戦苦闘したとき、あきらめて手にしたのが「子供の三尺帯」
これがラクでしてねぇ…大人のほしい…でも、今女性用に作られているのは、
なんだかふわふわで、いかにもって感じがどうしてもぬぐえない、
胴体は別に柄も絞りもなくていいのよ…で、男物はどうだろなと思ったわけです。

元々長いですから、三巻きして蝶々結びにしてもこんなに長くなります。


         


実際には三回も巻いたら暑いですから、カットしようかと思っています。
元々男物で使うときもそうですが、兵児帯は四つにたたんで使います。
どうやってもいいのですが、だいたいこうやって両端を中に折り込んで、半分に…。


          


兵児帯というと蝶々結びしかないと思われがちですが、全体に絞りのあるものなど、
解けにくいものなら「浪人結び」などでもできます。
またお相撲さんなんかはたまに、まったく結ばず、ただぐるぐる巻いて、
おしまいのところを挟み込んでおしまい…なんて締め方もあります。

男物を女性が使うと、太いのと長いので重さもかかりますから、
やはり短くして使うほうがいいかなぁと思います。


さて、兵児帯っておもしろい名前ですが「兵児」は元々「鹿児島の若者」のことです。
鹿児島県、昔の薩摩藩は方針として藩を守るものはヒトである、とし、
子供のころから年齢で分けてグループを作り、その中で文武両道しっかりと教育し、
将来藩のための貴重な人材となるべく備えたわけです。
この分け方で、今で言うところの小学生中学生くらい(14才まで)を兵児山、
それ以上20歳までを「兵児二才(へこにせ)」と呼びました。
この「兵児二才」が普段締めていたのが兵児帯、といわれています。
薩摩は幕末から明治にかけて大きな働きをし、次々と後々名を残す偉人を輩出しました。
そのため、江戸に薩摩の出身者が多数入り込み、この「角帯」などより、
ラクでゆったりした兵児帯が重宝がられ、はやったわけです。

今でも男の普段着物用に使われていますが、若くて貫禄のない体型も、
でっぷりと貫禄ある体型も、帯幅を自由に変えられますので使いやすいです。



今日は京都のいとこが母のお見舞いに来てくれました。
我が家にもよってくれて、お土産は畑でとれた「加茂ナス」、
「ひとつしかないねんけど」と、ほかの野菜と一緒に重いのに運んできてくれました。
おもしろい突起が出ていて、鼻にみえたので、ちょっといたずらで…。


     

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2 コメント

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Unknown (とんぼ)
2010-07-31 20:54:52
陽花様

幅広で長いので、工夫して薄く短くすると、
もっといいと思います。
大人でも蝶々結びでいいや…と、
手を抜くつもり?です。
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Unknown (陽花)
2010-07-31 07:05:58
兵児帯の名前ってそういう所から
きているなんて、知りませんでした。
なんでもよくご存じですね~

夏場は腰回り、少しでも涼しくしたい
ですものね。こんな風に結ぶのも
いいですね。

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