母の好きだった歌

 

実家の二階を片付けていたら、アルバムの間から出てきました。

たぶん…ハタチのころ。へたっぱち「切り絵」です。サイズはＢ５です。

あまりにも手抜きでわかりづらいですが、右は縫い物している母親、

左は文机に向かって本を開いているおかっぱの女の子、です。

 

歌は、母が学校で習った…というのですが、よくある昔の唱歌集でも、一度も聞いたことがありません。

二番があるのかどうかもわからないのですが、一番だけは、聞き覚えてしまいました。

「♪　母の衣（きぬ）縫う片えに　学び励める霜の夜や　月に口笛ならして　からりころり誰（たれ）かゆく」

母は、自分の子供のころのことを思い出す…といっていました。

昔は自分の部屋なんかありませんでしたから、母親が夜なべシゴトをするそばで、

勉強するのは当たり前でしたもんねぇ。

私も自分の机はありましたが、よく編み物する母のそばで、宿題したりしました。ちゃぶ台で…。

 

「切り絵」は、いっときおもしろそうだとやってたんですが、全くの素人細工。

普通のカッターとカッティングボードだけでできるという「安易」な考えで…。

バランスもテクニックも、まるで無視…字だけで疲れて、母娘の姿は着物の柄まで彫るつもりが

いやんなってやーめた…というのが丸わかりですね。

近寄ってみるとこの「粗さ」…です。

 

　　　　　

 

いつ母に渡したのか、そのときのこともすっかり忘れていますが、母は大事にとっておいたんですねぇ。

母が好きだった歌は、歌謡曲より「学校で習った歌」でした。

気がつくと今、私がそれを口ずさんでたりします。

 

「実家」といっても、私が結婚して外に出てから立てた家ですので、

私はお産で帰ったとき以外は、一度も暮らしていません。

それでも今回、父のことで二階から押入れから、あれこれ動き回って、

両親の長い暮らしの積み重ねを見て、確かにここは私の実家なんだな…と思いました。

いずれ母のものも片付けなければなりませんが、さぁどうなりますか…。

今日は傘をもらってかえるつもりが、これ一枚だけもって帰ってきてしまいました。

まだ朝晩気温が下がることがあっても、さすがに霜は降りませんけれど、

やっぱり今日は歌ってみましょう。お風呂掃除でもしながら…。

 

おかげさまで父も術後の状態良好で、すでに一般病棟に移り、検査で問題なけれ退院が早まりそうです。

後遺症も残りませんでした。ほんとうにホッとしています。

いろいろご心配いただきまして、ありがとうございました。

 

本日のおまけ画像、毎年咲いてくれる、お向かいさんの「海棠」です。

私の好きな花です。かわいいですねぇ。