ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

歌詞に出てくる着物、和モノ

2013-06-29 10:08:15 | 着物・古布

 

写真はゴミ袋をいくつもぶらさげて通るのにジャマ…と、表にだされちゃったお福ちゃんです。

着ているのはウール、帯は例によってそのへんにあったもの。

昔の帯のくりまわしです。暑苦しいけどがまんしてねぇ。

細かい麻の葉柄。日に焼けないうちに、玄関にいれなくちゃです。

 

      

 

 

連日のお片づけ、ラジオでもと思いつつ、一箇所に座っての仕事ではありませんので、

BGMナシ…ならば自分で歌うしかない??いえいえ、何かやっているとつい、口ずさんでいたりします。

えぇそりゃもぅ季節ッぱずれだろうと、歌詞まちがっていようとおかまいなしで。

 

さて、何曲目かの「自前BGM」、たまたま雪輪柄のはぎれをひょいと手にして、

この暑いさなかだというのに「♪ はーるよこい」…どれだけズレてるんだ…。

ま、それはともかく、あの歌では歩き始めたみぃちゃんが「赤い鼻緒のじょじょ」を履いてます。

「じょじょ」ってなんだ?これは幼児語で「ぞうり」のことだそうです。

子供ですから、草履と言っても皮のりっぱなものより「藁ぞうり」のことだと思いますが。

また「あーかいべべ着たかわいい金魚」の「べべ」、「べ」は本来「紅」のことだといわれています。

つまり「紅々(べにべに)」、これは、かなり古い時代の言葉のようですが、

昔は子供は「赤い色のものを好む」…というより、思考力のまだ幼い子供は、

赤やオレンジなど、ハッキリしてかわいらしい印象のものに目が行く…。

専門的なことはよくわかりませんが、確かに今でも子供向けのおもちゃなどは、赤い色が多いですよね。

それで、赤い着物を着せたり、コレを着なさいといったりするときに「べにべに着せる」とか、

そんな風に使ったらしいです。なまって「べべ」になり、やがて着物全般をいうようになった…でしょうか。

ハナシがそれますが、私は昔々子供のころに「五木の子守唄」を聞いたとき

「おどまかんじんかんじん あんひとたちゃよかしゅ よかしゅよかおび よかきもん」ときいて、

その「よかきもん」が「よい着物」とはわかりませんで、母が言う「なまけもん」とか「働きもん」とか

そっちを考えまして「よかきもん」とは、どんな人をいうのだろう、と思っていました。

方言というのは、おもしろいものですね。

 

さて、歌詞にある着物といえば、代表的なのは「女ひとり」でしょうね。

私も大好きな歌ですが「結城に素描きの塩瀬の帯が」「大島紬につづれの帯が」「塩沢絣に名古屋帯」

日本三大紬が並んでいます。お金持ちの女性だ…なんて想像はオバサンの思考回路。

この歌には、「恋に疲れた女が一人」というフレーズと、

地名と着物や帯の名前しかでてきません。

それでも、なんだか哀しい女性のほっそりと小柄で、後れ毛が少し見える襟足の美しい後姿と、

その人の肩先からこぼれるような切なさと…なんかシミジミと判ってしまう気がします。

名曲、といいますか「名歌詞」だと思っています。永六輔さん。

昔々、友人とこの歌の話しになりまして、

「いいねぇ着物着て京都…」

「アンタじゃガリガリ(当時は)だし、丸太が立ってるよーなもんでしょ。私は結城がいいかな」

「アンタ結城なんてもってないじゃん」

「(お互いに)ふんっ!」

で、この友人と京都に行きました。着物どころかジーンズにTシャツ。えぇなんたって真夏8月でしたし。

五条坂の「陶器市」です。宿泊代は、瀬戸物買うのに回そう…で、弾丸日帰り旅強行。

友人は、元コックさんで、食べるより食器に興味がうつり、瀬戸物屋に転職という変り種。

私は「いずれ嫁入りに持っていくモノ」と考えての器探し。

びっしり露店が出てまして、それこそ有田も益子もで、目移りするする…。

まだ「宅配便」なんてありませんでしたから、大きなものの配送以外は「お持ち帰り」が基本。

タタカイ済んで日が暮れて…友人と私は、それぞれ戦利品をごっそりかかえ(モノがモノだけに重い…)、

新幹線で横浜に戻ったのですが…あのころ「ひかり」はまだ新横浜に停車しませんでしたから、

こだまでゴトゴトゆられてグッタリに拍車をかけました。もちろん、二人とも乗るなりガーガー寝ましたです。

「♪ 京都 五条の陶器市 買い物疲れの女がふたり~

茶碗に湯呑みに 皿小鉢 背負う抱えるぶらさげる…」

やっぱり「しっとり恋疲れの女」なんて、ムリっ! 


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2013-06-29 12:54:27
母が財産家の事を「よいしゅさん」と言って
いましたから、よい帯、よい着物という意味
なんでしょうね。

五条坂の陶器市若い頃一度行きました。
色々あり過ぎて目移りするし、持ち帰る事を
考えるとほとんど買えませんでした。
よく重い物を持って帰られましたね。

麻の葉柄の着物、いいお色ですね。

返信する
Unknown (みけ)
2013-06-30 12:58:26
五条坂の陶器市、最近は危険(いらん物を買いすぎる、と言う意味)なので近寄りません。

近くの友人宅に車を停めさせてもらうので何度か往復しましたよ。
しかし、ほんとにほんとに暑い時期なんですよね~

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Unknown (とんぼ)
2013-06-30 18:26:13
陽花様

そうそう、この歌もよかしゅは「よか衆」だそうです。
母は「ええし」といいました。あのコは「ええしの子や」とか。
よいしゅさんだから、いい着物が着られる…
まんま、そうだったのでしょうね。

五条の陶器市は、このあと両親と行きましたが、
車だったので、そりゃすごかったです。
暑いのはおんなじでしたねぇ。
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Unknown (とんぼ)
2013-06-30 18:28:39
みけ様

おっしゃるとおり「危険がいっぱい」です。
あんまり多いから、ひとつみつけても「もっといいのがあるかも」と
欲を出して歩き回るし…。
両親といったときは、私はもう小さいものしか買わなかったのですが、
両親は花瓶だの大皿だのと、同じように車まで往復してました。
二、もう一回やってくれませんかね。あの暑さは限界を超えます。
返信する
Unknown ()
2013-07-03 21:15:13
あーかいべべ着たかわいい金魚

べべ って着物かと思っていました。

おべべ着せてもらいなさい とか
おべべ着なさい とか
子供の頃 使っていた というか 
使われていたので 

前述の麻の葉の着物
少し派手かしらと思いつつ
私好みです
返信する
Unknown ()
2013-07-03 21:17:18
べべ に着物以前の意味があったなんて
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-07-04 22:51:54
惠様

日本語はきれいな語源もたくさんありますね。
べべという言葉は、母もよく使いましたが、
知らずに使っていて「そうだったんだ」と思うと、
いっそう「いい言葉だ」と思います。

麻の葉の着物、ちょっと離れると無地感覚。
ウールなんですがなかなかですね。
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