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まだなんとなく寝不足状態なので、ぼちぼち程度に動いています。
ヤワになったもんです。
今日は、半襟のケースのなかを整理したり、手拭いのストックを整理したり、
あったかい部屋で、ぺたーっと座り込んで、ちまちまと。
で、そのケースの上にでーんと載っているのが「織り機」なわけです。
まだまだ練習用の毛糸の状態で、しかもセットはしたけど、数回「杼」を行ったり来たりさせただけ。
なーるほど、こうするわけねぇ…で、止まったままです。いつからだったかしらん…の状態。
本物の機(はた)は、とても買えませんので、原理だけでもこの目でみるために購入したものです。
今、編むことと織ることについての記事を書いているのですが、実は書き始めて何か月…。
どうにも進みません。なんでか…実際に日本で「機織り」が始まったころの、
正確な資料が見つからないため、です。別に専門家ではないのですから、そんなこと、
わからなくてもいいようなものなのですが、好奇心の強さには、我ながら困ったものです。
考えてみると、です。「マンガ はじめて物語」みたいなことなんですが…。
人間が直立歩行をし、火を征し、裸ではなくすごし…と、生活全般が少しずつ文化的になってきた…
その過程で「布」というものを、作って身にまとうようになったのは、いったいいつから?
「布」を作るということは、そのまえにまず、何かを組み合わせる、という作業が必要になります。
たとえば、水仙の葉っぱのように細くて長いものを、ただ横にに並べるだけでは、
その上に物を載せても、持ち上げたら隙間から落ちてしまいます。
でも、その細い葉を交互に組み合わせて「かご」のようにすることで、
初めて「巾の狭いものが、面積を持つ」ようになるわけですね。これが糸を織って布にする原理です。
先日、考古学関連の番組で、魚や動物の骨から作った針、を見ました。
針があるということは「縫う」という作業、つまり二枚のものを重ねて、針に通した糸をジグザグに通すことで、
二枚のものが一枚につながる…ということができたわけです。
つまり、何かから「繊維」をとることができるようになった、ということです。
ではその糸は最初から麻や木の皮からとった繊維だったか、
また「二枚」は最初から布だったか…
もしかしたら動物の皮だったかもしれませんし、丈夫な厚い葉っぱだったかも。
糸は、北の寒い地方、日本ではなく外国の・・・植物に恵まれず、狩猟生活をしていた民族は、
植物ではなく、しとめた動物の足などの「腱」を薄くはいで、それを乾かし、裂いて糸にしていました。
縄文式土器、は学校で習いました。
土器に「縄目」の模様があるので、そう呼ばれますが、この「縄目の模様」って何かというと、
荷物用の麻ひも、あれのようにより合わせたものの、短いものを、作った土器の表面に、
ころころと転がした模様です。
これでわかるのは、その当時「糸を撚り合わせる」ということにすでに気が付いていたということですね。
こんな風に考えていくと「そのままではただ細い一本だけれど、それをどうにか組み合わせると、
面積を持つものになる」ということは、単に「機織りの始まり」とは言えません。
繊維関係のものは、土器や石器のように、長く形を残すことは難しいものです。
それでもわずかばかり出土することもあります。
そのわずかに残ったものと、そのほかのものから、考古学者は「布はいつごろから、
どうやってできたか」を研究しているわけですねぇ。
繊維質のものは残りにくいものではありますが、たとえば土器の底面には、
たぶん滑り止めなどの目的で、何かを敷いて、そのうえで作業した…という跡が残っているそうです。
それは、たとえばクマザサのような大きな葉とか、竹を薄くしたものとか、それを組んだもの。
今でいうならマットですね。そのあとが付いているわけです。
これが、布のようなものの跡ではなく「ざる」のようなもの…ではないかというのが推測です。
さて今、私たちは「編む」ことと「織ること」をどう区別しているでしょうか。
単純にぱっと思い浮かべるのは「毛糸で何か作ることは編むという」、
これは一本の糸を、あみ針を使って「糸を絡み合わせる」動作で「面積」が生まれます。
織るほうは、たくさんの糸を並べて、そこに一本の緯糸を何度も何度もくぐらせて「面積」を出します。
でもね…です。
竹や蔓、アケビなどで作るザルや籠は?…これも「編む」ですねぇ。
長い一本のものを編んでいくわけではありません。でも、編む、と言います。
ではもっとしなやかで柔らかいけれど、太さのある藁などで作る「むしろ」は?…これも「編む」ですね。
では竹のように固くなく、藁のように柔らかい、でも藁よりはるかに細い糸を束ねて作る帯締めなどは?
これは「組む」といいますね。同じ絹糸を細いまま機織りにかけて糸を組み合わせていくものは?
ここでやっと「織る」になり、布ができます。
編むとか織るとかって、それぞれが別々にできたのではなく、用途によって違う素材をつかったものを、
「どうにかして形にする」ための動作、関係し合っているのだと思います。
なので、考古学者によっては、最初は「編む」、つまり土器の土台にする敷物みたいな感じですね、
それが始まり、いろいろな「面積を作ること」が考え出されて進み、やがて目的別に進歩した…
なので「編む」から「織る」までの間に「編み組む」という課程がある…と言っています。
機織り機は、遺跡から土の人形で出土しています。
この「機を織る」ということも、元々は垂直織機が先であろう、とも言われています。
機には「垂直織機」と「水平織機」がありますが、これは経糸が立っているか寝ているか、の違いです。
あぁだんだん長くなってきました。
こういうことのお話を書いていたのです。最初の部分はあらかた書いてしまいました。
私がこの「おもちゃ織り機」を買ったのは、実際に経糸と緯糸を組み合わせる動作を
自分てしてみたかったから。織り機というのは、原理は実に簡単なんですが、
これを考え出したこと、がすごいと思うわけです。
しょっちゅう「これは織りが甘くていいものではない」だの「柄の織り方が雑」だの、
いろんなことを勝手に言っていますが、細い細い糸を、何万回となくあっちへこっちへと通して、
一反の反物を作るのは、どれほど大変なことか…。
確かに今は機械が織ってくれるものがほとんどですが、あの機械のおおもとになったものは、
何千年も前の人たちなわけです。
私たちは今、たくさんの素材の、たくさんの織ったもの、編んだもの、組んだものに囲まれて
日々便利に暮らしていますが、それは、今そこにあって当たり前のものではないのだと、
そんなことを思ったわけです。ニンゲンってすごいよねって。
このことは、また改めて書こうと思っています。
とりあえず…今日のちまちまお片付けはこれまで…このおもちゃ織り機も使わなきゃ…いつだ?
確かに織物と原理は同じですよね~
ウチにも懸賞で当たった卓上織り機がどこかにあったはず…箱に入ったままです_(^^;)ゞ
こういうお話、ほんとに楽しいですo(^-^)o続きも楽しみにしていますm(__)m
自分が使ってみたいと思い
子供が小さい時にプレゼントをしたら
箱を開けた途端に壊してしまって・・・
(箱から無理して取り出したら引っ掛かって折れた)
木で出来たものではなかったので 直らず
陽の目を見ずに消えた悲しい想い出が・・・
道の駅などの機織り体験コーナーなどがあると
お金を払って 少しだけ織って楽しんでいます。
置く場所も織るあげる根性も無いから
それで丁度良いのかと思う様にしている私です。
見ているとトントンと簡単そうに見えたのですが、
実際織ってみると幅が揃わず悲惨な形になりました。
織物、編み物、組物どれも生活にあると便利なもの
ばかり、先人の知恵に感謝です。
キャンパスの木枠に小さい釘を100本以上打って、タコ糸を渡し、
毛糸を緯糸に使って、お弁当箱入れの小さなバッグを作りました。
織物というより、むしろを編んだような・・・
でも、ホームスパンの風合いのようで今でも使える丈夫な布になりました。
織物のルーツ、縄文の竪穴式住居でもむしろを敷いたと思うので、麻布や芭蕉布みたいに草を編んだ(織った)んじゃないかな?
ルーツ探究の記事、楽しみです。
処分したらまたしたくなって、今度は小型の卓上を購入したのですが、結局なげたまま。。。
織は始めると結構時間と場所がいりますね。
いつになったらやれるんだろう!!!
織のお話、楽しく読ませていただきました。
ほんと、最初に考え出した人はすごいと思います~
最初の人は、織るも編むも一緒くたで、
ひたすらいいものやきれいなもの、便利なものを
作ろうとしただけなのでしょうね。
構成の人間である私が、あれこれ考えても、
どうなるものでもありませんが、
先人の知恵ノ「ハジマリ」を知りたいと、
つい思ってしまうのです。
本格的にはじめたら、またハマってしまいそうなので、
「サワリ」だけ…なんておもってるんですけどねぇ。
こういうことは、時間を忘れて、やってみたいです。
機織のリポートなど見ると、まぁシャカシャカトントンと、
やっていますけれど、糸のハリ具合とか、
引き具合とか・・・たいへんなんでしょうねぇ。
でも、やってみたい私です。
今ちょうど描いているところなんですが、
毛糸編みのように、一本の糸をナントカしていくのではない方法で、
「編む」ということをしています。
それが始まりといわれています。
どっちでもいいことだけど、おもしろいですね。
あらら~、処分なさったんですか。
でも、ほんと場所とりますし、使わなきゃダメだし、
なかなか難しいものですよね。
この卓上は、半幅くらいの帯なら織れるので、
それをやってみたい…なぁんて妄想もありましたが、
ムリムリ…せいぜいマフラー、それも何年先か…です。