ふっるーい襦袢です。解く前の一枚・・。
フシギな半襟のつけ方です。半衿の幅がなかったのでしょう、
衿の内側に別布がきれいに足してあります。、というより縫い目を隠すように
きれいにカバーしてある・・と言う感じですね。
2枚目は、もっと手抜き?で、半衿のはじっこのとこ、
内側に折り返さずにそのまま縫いつけてあります。
この襦袢はモスリンの古いもので、相当傷みもひどいです。
余談ですが、右はし、背縫い近くの白くくっついているものには
「東 小宮酒ヤ」とインクで書いてあります。
クリーニング屋さんの覚え書き用の「しるし」のようですね。
この2枚、特に上の黒い半衿はそれほど痛んだ様子もなく、
刺繍も残っているのですが、とにかく「短い」です。
外から見える部分だけ半衿があればいい・・と言う感じ。
でもそうでもいいわけなんですよね・・。
ここのブログにおいでのかたで、毎日着物・・とおっしゃるかた、
或いは定期的に着ておられる方は、要領よくお召しだと思いますが、
私のように、ここんとこちょっと着てないな・・なんていうモノにとっては、
着物きるときゃ、前日から「そりゃーもう、おおさわぎさっ!」・・。
まずは着物と帯と襦袢を選んで出してきて、風にあてるわ、しわ伸ばしするわ、
次に半襟など小物の組み合わせを考えて出してくるわ、
紐だの伊達ジメの確認、草履とバッグの準備・・普段の整理なんだよなぁ・・。
もう10年くらい前ですか、母が「そろそろ自分にはハデになってきたから」と
紬を1枚くれました。それが前からほしいと思っていた紬でうれしくて
ある日さあ着てでかけようとしたら私の襦袢と袖丈が合わない!
紬の袖の底で、襦袢の袖が折れてる・・。短くて浮いてるのもかっこ悪いですが、
長くてたまってるのもゆるせなーい。あわててお直し、しました。
ときどき古着で見かけるのですが、襦袢の袖が途中で「揚げ」がしてある・・。
袖口は目立ちますから、袖口のすぐ下あたりで・・。アイデアというべきか
手抜きというべきか・・、でも昔の人ってけっこうこだわらなかったのかも。
母はだんだん背が縮んで、途中から長じゅばんの腰あたりに
てきとーにつまんでざくざく縫った「揚げ」をしてました。
着物を着る準備で、一番面倒なのは「半衿つけ」でしょうか。
こちらへきてくださる「ぺたこさま」は、週に一度、3枚の半衿をつける日を
決めていらっしゃる・・・毎日着物で過ごす方は、これっていいですね。
でも元からズボラな私、たとえ毎日着物でも、できそうにないなぁ・・・。
で、半衿付けなんですが、私はす~~んごい手抜きです。
母は、私が子供の頃から「外出するときは、外で何が起こるかわからない、
下着はいつも清潔なものをつけなさい、着物は見えないところで手を抜くな」と
うるさくいってましたが・・・守れてないんです~~~。
私の半衿つけ、まず時間があるときは、最初に半衿の外から見えるところ
つまり首の後ろの内側、ここ上から覗かれると丸見えです。私は特にチビなので。
ここだけは、急いでいてもきちんときれいにつけます。
長さにして30センチ弱くらいでしょうか。
次にその反対側、つまり衿の外側で、着物の衿の下に隠れるほうですが、
とりあえずここもまぁへんにツレたりしないように、ちょっとだけ丁寧に、
針目大きく、でとめつけます。あとは、この縫い終わりのところから左右別々に
衿先に向かって、半衿を襦袢の衿幅より5ミリくらい外側に出るくらいで折り、
その5ミリでてるところを、襦袢の衿つけ線で、内側外側の半衿を2枚一緒に
ザクザクと・・。急ぐときは針目5センチくらい!いーんです、くっついてりゃ!
これを見た母は、卒倒しそうになりましたが、あとでひとこと
「せめて針目は2センチで・・」さすが私の親!
で、これは母から教わったことなのですが、留袖用襦袢などの半襟は絹糸で、
でも普段のものは「しつけ糸」でつけなさいと。あの「しろも糸」です。
これを2本取りでつけるのです。何がラクかというと、とりはずすとき、
しろも糸はすぐ切れるので、半衿がはずしやすいのです。
忘れっぽい私は、タンスの中の「襦袢」をいれている引き出しに、
しつけ糸を一束、端っこ束ねて縛った状態で入れてあります。
すごく急ぐときは針目が10センチになる・・ようなスゴイときもあるのですが、
実は「文明の利器」をひとつ買いました。
「りさいくるきもの工房五箇谷」さんというお店でみつけました。
http://homepage2.nifty.com/gokaya/index.html
HPはこちらです。早い話がピンを撃つ「ピストル」です。
ちょっとお高いのですが、今、靴下とかシャツとか買うとプライスのタグが
白いプラスチックのT字型のものでとまってますよね。
あれのごくごく、ちいーーさいものです。
上にむけてひょろ~っと伸びているのが「白いピン」。
一本のピンは一度限りですから、使い捨て、なので特別急ぎのとき・・
と思っているのですが、便利だと使っちゃいそう・・・。
左に飛び出している細いところが、とめつけるための針、
すみません「影」がダブってて、倍くらいに太く写ってます。
この針は、かなり太い針なので、ちょっとコツがいりますが、
とめ具の白いピンは取るときは引っ張るとプチッと切れます。
正直なところ、絹物にこれだけの太い針を刺すのは、という抵抗感も
あるんです。実際使ってみると、そんなに大穴が開くわけではないのですが・・。
でも、普段着用の襦袢なら、これでもいいかなと思っています。
これ、実は別のことに使ってまして、たとえばウチのハギレの整理用とか
たくさんある古い留袖のナンバーつけとか・・。五箇谷さんごめんなさいっ!?
今は着物を着ることが特別になってしまって、便利に、或いは簡単に、
着たり工夫したりということが「それは手抜き」と思われたりします。
でも、私の親や祖母なんかは、普段着に関していえば子供の着物みたいに
揚げを縫いとめちゃってたり、半襟も見えるとこだけぬいつけて、
あとは安全ピン・・なんて手抜きもやってました。
普通の半衿は長いですが、上の襦袢のように外から見える「半衿分」だけあれば、
いろいろな短いハギレを利用していました。
「外へ出るときは・・」と母がうるさく言ったのは、
「ハレとケ」のメリハリ、心構え・・ということ。
普段とよそいきをきっちり分けて、きちんとするべきときはきちんとしなさい、
普段用は、いろいろ工夫して上手にくらしなさい、
という知恵の伝授でもあったのだと思います。
私は「ハレ」でも手抜きだぁ~~。
読んでくださって、ありがとうございます。
私の雑学が、少しでもお役にたてば何よりです。
ごくあさ~いので、突っ込んで聞かれると??です。
そのへん「よろしく」でーす。
そういう着方もあるんですね。
結局毎日着るということの工夫って、
それぞれの流儀、それぞれの暮らし方で
自由でいいと思います。
「娘の結婚式には留袖」みたいな、
基本的なことは守りたい伝統ですが、
着物の暮らしって、ほんとはラクなものの
はずですからねぇ。
私は最近はずっと洋服ですが、
でかけるとき「普段着に着替える」ってのは
おんなじです。ほんとに、家の中で、
あまりにもリラックス・ウェアすぎて、
母にこの前しかられました。
さかのぼって見せて頂きました。
ハレとケの意味解りました。
ぶり様にも親切に教えて頂きました。
本当にこの歳になっても知らない事
だらけで、あきれないで色々教えて下さいね。
先ほどコメント書いたら混み合っています
て出て消えてしまいましたのでもう一度
書いていますがこれも消えたらと不安ですが・・
だって、うそつきに付けたまま洗ってしまうから。
複数のうそつきにいろいろな半襟が付けてあります。
違った裄と袖丈にあわせたうそつきもあります。
一枚しかない特殊な袖の着物には
あわせた襦袢袖が縫い付けてあります。
江戸時代は半襦袢が普通だったとか。
その時代とはちょっと違うかもしれませんが、
自分で勝手に江戸時代風と思ってます。
私の服装はちょーリラックス着
(準ねまき、絶対玄関から外には出られない)
普段着、お出かけ着にわけられます。
だから、時に出かける時に普段着に着替えることもありますね。
私、買い物程度でも、着替えます、というより
着替えないと「でられない」ほど、
普段、きったな~いカッコなんです・・・。
陽花様
「ハレとケ」は「非日常と日常」というような
意味です。過去ブログ12月25日にそのことを
書いてますので、よろしかったらご覧ください。
私って移り気なんですかねぇ、半衿を直前になって
「こっちにしよー」なんてあるんですよ。
白半衿ならそんなこともないんですが、
まず柄半衿しかつけないので、迷うんですね。
「ハレとケ」て初めて聞く言葉ですが
晴れ着用と普段着用ということですか?。
私も半襟はたま~にしか付け替えしませんが
する時は2~3枚まとめて付け替えします。
やはり、見える所は細かく縫いますが隠れる
所は2センチ間隔くらいかな~と思います。
結婚後、習慣の違いで驚くのは、誰しも経験するでしょうが、私の場合は、着替え。
買い物といえども外へ出る時は、必ず着替え、帰ってから、また着替えていたら、「なんでそんな面倒なことするのや~?」と問われ、ほんとにビックリ。
ケジメの線引きが違っていたのでした。 アハハ。。。