ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

おんまさん

2006-07-20 21:49:02 | 着物・古布

羽裏です。緞子の羽裏で、羽織や裏地のほかの部分は少し傷みがありますが
幸いこの羽裏はセーフです。全体に薄い色合いの、柄もやさしい羽裏ですね。
荷物を運んだ後か人を乗せた後か、小川で水を飲んでいます。
こちらがアップ。





そばにいる「飼い主」のじーちゃんは、とても優しい顔で、
馬の横腹をポンポンとたたきながら、ねぎらっています。
これから遠くに見える家に帰るのかもしれませんね。
家の近くの小川では、手綱も鞍もハミもみんなはずして、
やさしく洗ってあげるのでしょう。
長いしっぽが、地面にすれて汚れたり切れたりしないように
ちょっと結んであるところなんか、心憎いですね。

馬については、以前書きましたので本日省略。
とりあえず、特徴としていくつか揚げると日本の馬はちいさかったということ、
馬はもっぱら武士の乗り物で、鉄砲以前の戦のときは特に活躍したこと、
武士の馬の乗り方は、外国とは反対で馬の右側から・・
これは「刀」をさしての乗馬には、右からのほうが都合がいいから。
さてそれでは武士以外は・・というと、上の羽裏のように、
農民や商人が農耕の手段や荷役に使っていました。
日本では馬を使っての一般の乗り物・・と言うのが発達しませんでした。
街道沿いでタクシーのように使われることはありましたが、
西部劇などに出てくる駅馬車のようなものはありません。
京都で使われた牛車は貴族だけのもの、
それも、うんと身分の高い者は牛ではなく「人」の担ぐ「輿」でした。
また、荷役に使う場合も牛馬に引かせた車でモノを運ぶということはあまりなく
もっぱら、牛馬なら直接背中に荷物や人を載せる、
また車(大八車)なら、人が押したり引いたりして運ぶ・・でした。
これは、江戸時代街道が整備され、幕府はその街道が荒れることを防ぐ目的で
「車輪」のついたものの往来を制限したからです。
また、街道は「防御」の意味を以って大きな川には橋をかけなかったし、
一部は海上を船で行くような部分もありました。
つまり、遠くから牛馬に車を引かせて物資を運ぶということが、
不可能だったわけです。そのためもっぱら近距離での荷役に使ったわけです。
馬車にはつかえなくても、荷物を運んだり田畑を耕したりするには、
ひとよりずっと力持ちだった彼らは、農民にとっては「家族」同然でした。

さて、おまけの一枚は、もう15年くらい前に買ったバッグ。
見ての通り「鞍」をデザインしたものです。
かなりのお値段でしたが、当時子供の世話で髪振り乱して日々をすごし
オシャレしてでかけることもなかった私が、
カタログを見ながら「これかっこいいなぁ」と言ったら、
親が「半分出してやるから、バッグの一つくらい買え」・・・と
誕生日に買ってくれたものです。
北海道の「板垣」というブランド、タンニンなめしという手法を使った、
丈夫な手作りバッグです。





こちらが商品紹介

http://www.seinocraft.co.jp/rec/itagaki/

直接飛ばないので「いたがき」をクリックしてください。
今見て、すーーんごくびっくりしました。
私が買ったときの「倍」の価格になってます。たぶん・・。

実は一回しか使っていません。着物にはあわないですよねー。
でも、今でも好きな一品で、この前片付けで出てきたほかのバツグは、
いとこにあげちゃったんですが、これは残しました。
いいなぁと思われた方にアドバイス、あおり(ふた)がちょっとクセがあるので、
開け閉めにちょっとコツがいります。
マチは大きくて、たっぷり入りますが、上が少しすぼまってますので、
ちいさいものなど下に入ってしまうと、全部ひっくり返して探すハメになります。
バッグの中は整理ポーチなどを使って上手に使いましょう・・って、
まずは自分がやれってば・・・。

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4 コメント

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Unknown (陽花)
2006-07-20 23:55:27
おんまさんの絵、何ともいえないくらい

ほのぼのとした素敵な絵ですね。

この絵を見ているだけでのどかな気持ちに

なり心が癒されます。



それにしてもとんぼ様素敵なバックを

お持ちですね。こういう皮は使い込めば

使い込むほどやわらかくなるんでしょうね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-07-21 00:19:23
陽花様

なんか「使うほどにしなやかに、ツヤも出て・・」

といわれたんですが、なにしろ1回しか使ってない!

使わなきゃ宝の持ち腐れですよね。

これから使おうと思います。

実はまだ固いんですよ、とっても。
返信する
皮革製品大好き! (萬屋千兵衛)
2006-07-21 08:42:00
おはようございます!

私も、このような手縫いの皮革製品が好きで、バッグだけでも大小4個持ってます。

私の先日のブログ画像の5枚目くらいに走らない自転車が映ってますが、その右後ろに2個ほど見えてます。ここに4個並べてまして、出かける時の情況で選んで使うという感じですが、

皮革製品は使い込むほど柔らかくとは言えますが、柔らか過ぎると形崩れするという諸刃の剣(もろはのつるぎ)的なところもありますから、気をつけた方がいいです。時々は、ミンクオイル等で磨くと艶も出ますし革の色に深みも出てきます。

好みですが、光に当てると色合いも濃くなります。

皮革製品は大事だからと言って、押し入れ深くにしまい込んでいると、カビが生えたり、ヌメリが出て使えなくなりますから、風通しの良いところに放っておいた方がよろしいと思います。

以上、皮革製品について知ってる事を全て話してしまいました!(爆)
返信する
遅くなってすみません (とんぼ)
2006-07-22 01:26:26
千兵衛様

昔はオシャレバッグ必需品で、デザインとか気にしてたんですけど、最近はもう実用本位。皮製を持つより、お買い物用みたいなトートばかりになってしまい、この前「皮製」をだしたら、2個はカビにやられてました。もう20年以上も前のもので、使い込んでましたし未練はなかったのですが、やっぱ皮はシマイこんじゃダメだよねーと反省。残りはまだまだ健在でしたので、いとこに送って、気に入ったものを何個か残しました。いったい何個もってたかって?そりゃー20代のころからのですから10個以上。物持ちいいんですー。さすがにデザインが古すぎて・・というのもありましたけれどね。ブランド物にはまったく興味のないとんぼですが、残った中のひとつはもらいものの「ボルボネーゼ」というブランドもの、高いんだそーです。でもねぇ、どれもこれも「和服」に合わないんです。カビやぬめりが出ないように、保管します。いつ使うことやら。
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