母が持たせてくれたものです。あのころ、つまり私が嫁入りだの何だのと言っていたころ、
まだこういう別珍のショールは当たり前に売られていました。
だいたいが、赤紫か紺、または黒で、さして柄もない、ただ別珍のツヤと毛足の手触りが特徴でした。
この花柄のショールは「無地だとババくさいから」と、母がどこかで見つけて買ってきた、
花柄の別珍で作ってくれたもの。
アップするとこんな感じの、ちょっとポケッとしたバラ…ですかねぇ。まわりはマーガレット?
ショールの両端は、リボンヤーンでふち飾りを編んでつけてくれました。
裏も花に合わせた色です。
何度か使いましたかねぇ…母には申し訳ないのですが、私はこういうものを使うのが、
とてもヘタなのです。前があいてしまわないように、また両手が使えるようにと、
大きなピンブローチで止めたりもするのですが、それがまたつけるに外すに「めんどくさい」…。
こういうショールは普段用ですから、結局これをするような近隣なら、それほど防寒しなくても…と、
あまり使わないまま、仕舞い込んでいました。今となっては、ちとハデですなぁ。
思えば母は、ショールだけでなく、ストールとかスカーフとかを、和装洋装限らず、
上手に使っていました。私はそれが全然ダメで、なんかうっとおしい…のです。
それと、絹のスカーフを、形よく巻いたり、肩や首にかけたりしても、どこかがシュルシュル滑ったり、
風が吹いてくると、なびくのはいいんだけど、最初と違うカッコになってしまう。
いちいちズレを直したり、形を気にしたりが、これまた面倒で…。
要するに「すきじゃない」んですよね。だから着物のショールも、母の手編みのものなど、
なんやかや5枚くらいあるのですが、ほぼ「未使用」です。もったいない。
このショールは着物ではちょっとハデになりましたけれど、逆に洋装ならイケるかな?
いやいや渋い紬で使ってみれば…とか、遠目には「小花」なので、それほどハデじゃないかなーとか、
ひとり押し問答しています。
昨日は長野で大地震、不幸中の幸いで、亡くなった方はいらっしゃらなかったようですが、
地域が地域です。すぐに雪になるでしょう。その前になんとか少しでも、落ち着けますようにと、祈ります。
暖かい防寒向けのものは、ボタンを付けてしまったものもあります。
片方にボタンを付けて、だいたいいい位置に適当な紐や鎖編みで、縁に沿わせるようにボタンを掛けられる紐を付けてボタンホール代わりにしてます。
色を合わせれば、ボタンを掛けてないときは本体と一体化してくれて見えない…と思ってます。
素敵なショールです。まさか手作りとは。
私も布物のショールは方から首回りにかけて浮いた感じになってしまうのが嫌で、使っていません。
ニットの物だとフンワリと添わせることが出来るので、たま~に使いますが・・・やはり邪魔な気がしてほとんど縁がないですね。
編み物の本にもショールを素敵に羽織ったモデルさんが出ていますが「こんなモンでは寒さは防げない」と、北国で暮らす私にはイマイチ。
こういう物を上手に使いこなせたら、お洒落の幅も広がるのでしょうか…
でも、柄物は殆ど見たことがないように思います。私の記憶にあるのもやはり無地。
以前は良く見かけましたが今は見ることが少なくなりましたねえ~
その上、お母様の手作りとはびっくりしました。本当に器用な方だったのですね。
ふさがってしまうのが苦手で、留め具の
ついた毛皮になってしまいます。
寒い時は格好よりも寒さ対策で首を隠したい
方なので困ったものです。
母は内側からちょいと摘まんで、うまく使っていましたね。
ボタンのついたのも作ってました。
長方形ではなく、ちょっと角を丸くしてあったかと思います。
寒いなら、上になんか着ちゃったほうが早い…
というせっかちでめんどくさがりな私には、
ムズカシイ、アイテムです。
母はもののない時代も過ごしていますから、
ほんとによく工夫する人でした。
当時は当たり前に身に着けていましたが、
今となっては「とっておけばよかった」です。
北国雪国は、まず防寒、ですよね。
ヘタにカッコつけて首スカスカより、
御高祖頭巾のほうが、かっこよくてあったかいですよ。
母のものも、確か赤紫でした。
自分でリボン刺繍みたいなの、
あくせんとにつけていたように思います。
母はいつも手を動かしている人でした。
魔法の手、ですねぇ。
いまやもう「カッコ」より「保温」ですわ。
首って何もないとほんとに寒いですもんね。
オシャレーにショールが使えたらと思いますが、
やっぱり「荷物」あるし…ですよね。