ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ちりめんのハギレです

2011-09-25 19:08:27 | 着物・古布

 

ここだけ見ると、お宮参りの「のしめ」に見えますが、全体に柄があります、。カマ柄の総柄ですね。

袖一枚分ですが、袖の縫い目を見ても大人用、男物のじゅばんだったと思います。

コレくらいの柄は着ましたからねぇ。

袖の長さからいくと、女性が着ていたようですから、繰り回したのでしょう。うそつきかもしれません。

私くらいの年なら着られるじゅばんですね。着たかったなぁ。

 

鷹は二種類、

 

       

     

 

雲取りの雲の黄色っぽい柄、これが表着なら、ここに金が使われるはすです。

色はジミですが、なかなかの豪華さです。

合間にたなびいているのは「几帳」ですね。几帳はこういった柄に使われるときは、

中にいろんな柄が描かれて華やかですが、実際の几帳はこんなに柄はありません。

 

几帳については最初の方の記事で書いていますので、簡単に。

几帳には、規格があって高さによって三尺几帳、四尺几帳と呼ばれました。

三尺は座っているとき体が隠れる程度、四尺は、たったとき少しアタマが見えるくらいです。

三尺は布を4枚、四尺は5枚下げます。垂れている紐は「野筋」とよばれるもので、

飾りだけでなく、下から布を巻き上げてこれを下で結びました。まぁ通風ができるということですね。


几帳が使われたのは、身分の高い人のお屋敷内ですが、かの時代の日本家屋は、

夏の暑さを避けるつくりになっていました。紫宸殿などの建物も、屋根が高く、軒が深く、

一部屋ずつが広くて壁が少ない…これは日差しをさえぎり、風通しを少しでもよくするため。

まだ障子や襖はありませんから、区切りとしては「御簾」「壁代(かべしろ)」などが使われました。

御簾は、ご存知ですね。いわば「品のいいスダレ」…まんまやん。

壁代は長押から下げる…えーと、御簾と同じような感じですが、布製でカーテンというか、のれんというか…。

全部混ぜたようなもの?つまり、几帳をそのまま大きくしたような、とこどころに切れ目のある布で、

長押から下まで覆う長さがあり、下の方に横棒がはいっています。

それが重しにもなって、カーテンや暖簾のようにヒラヒラはしないわけで、

几帳と同じように野筋がついていて、部分的に開けるときは、棒の入っているパートを棒を芯にして、

グルグルと下から巻き上げ、野筋で結ぶわけです。

これが壁代わりで、広い部屋を区切って使っていたわけですが、

その中で暮らすのに、几帳は更に「マイ・コーナー」をつくるための、いわばパーテーションがわり。

風よけでもあり、当時は特に女性は人に顔を見せないのが礼儀でしたから、

だれか入ってきても、いきなり顔が見えないように、几帳の中に座っていたわけです。

 

さて、この絵なんですが、またしても「名前」が間違っていまして、これは「誰袖と鷹」になっていました。

なんか、布がひらひらかかっていたら「誰袖」…じゃないでしょう。

鷹がシッカリつかまって止まっているのは、几帳の上の棒「手」といいますが、それです。

下の垂れ下がり具合、野筋があることなど、毎日着物の柄を見ていればわからなきゃねぇ、と思います。

あの「赤穂浪士が大名行列」だったところの、ヤ○オク部門です。やっぱりおんなじだーと、ちとがっかりしました。

さして問題にするようなことではない…という意見もあるかもしれませんが、

やはり、日本の柄には「名称」がついているものが多いのですから、ちゃんと覚えてほしいものだと思います。

 

さてもう一枚。コレは先日出した染見本の仲間…なんですが、小紋の着物用の見本です。

これでほぼ反幅です。なんとも大柄ですが…。洋風の鏡のようにも見えますが、

おそらく「大皿の柄」、襖の引き手…といった友人もいるのですが、なるほどそうとも見える…

どちらにしても「器物紋様」ですね。

中は季節の花と七宝、青海波、亀甲などの小紋柄。

 

         

 

小紋、とよぶより「総柄」というほうがピンと来る柄ですね。

とてもきれいですが、これ着物にしたら、相当目立ちますね。

この前のお話のように、ちょっと離れたらどんなもんでしょう。やってみました、これで5メートルくらいです。

濃い縁取りのお皿がS字型に並んでいますね。離れるとわかります。

上の赤い大きな花から、ずっと下のもう一つの赤い花の手前までで「ひと柄」です。豪華ですね。

コレでも上下はありませんから「小紋」なんですよ。昔はこんなのがあったんですよね。

 

                  

 

これ、振袖にしたら、すごくステキだと思います。

昨年1月にご紹介した「総柄の振袖」、これを見ると、上の振袖も「アリ」だと思いませんか?

 

                  

 

ま、私はどーせ振袖なんか着られないんだから…とひがんでみたりしていますが、

着物にしては着られません。もっとも見本ですから1mほどしかないのです。

なんっとか作り帯にできないかと(前はもうはめ込みで)、ためつすがめつ眺めています。

 

昨日今日と、ほんとに涼しくて、このまま秋になるみたいですね。

ほんとに嬉しいのですが、エアコンも入れないこの涼しさに、なんかどっと疲れが出てしまいそう。

皆様も夏のお疲れが出ませんように。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2011-09-25 22:21:07
無地か縞の着物の下にこういう長襦袢、男の人も見えない所のおしゃれ素敵だと思います。
返信する
Unknown ()
2011-09-26 18:51:17
私の好みでもあり 着たいですねぇ・・・
と言いつつ 以前お分け頂いた トラ柄の羽裏
まだ 出来上がってないのです
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Unknown (とんぼ)
2011-09-27 12:26:32
陽花様

オシャレですよねぇ。
男の人なんて、袖の振りもないから
ほんと外からはほとんど見えないのに。
返信する
Unknown (とんぼ)
2011-09-27 12:28:00
惠様

カッコいいですよねぇ。

お気に入りはもっているだけでシアワセなものです。
ゆっくりお使いください。
返信する

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