ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

これも端縫いです。

2006-09-13 18:29:14 | 着物・古布

今日届きました。先日と同じ出品者様よりの落札です。
端縫いの妙、できるだけ近い色を合わせて、丁寧に丁寧に・・・。
一枚一枚はもう薄くなってむこうが見えそうなものもあります。
見事な細工だと思います。裏と衿裏にはこんな柄が!!おぉーっ!





縫い合わせた部分のアップです。こうやって作るにも、
まずははぎれをとっておくことから始まるわけです。





思い出してみると、母の持ち物の中にはこの「布の切れ端」を入れておく
箱だとか缶だとかがありました。母は、私が物心ついてからは、
大きな端縫いは作りませんでしたが、写真には2歳の頃の私が、
端縫いの「毛布」の端をつかんで笑っているものが残っています。
そのほかにも、自分の襦袢の袖片方に、レースや別のかわいい布をつけて
夏のサンドレスを作ってくれたり・・。
洋装が主になってくる中で、着物の残り洋服の残りを一枚もムダにするまいと
箱や缶にハギレをためこんでいた母、今もたぶんあると思います。
何の気なしに見ていたことでしたが、私も結局同じことをしている・・、
背中見て育っちゃったんですねぇ。おかげで私も「ハギレだらけ」・・。

で、先日ちょうど端縫いのお話を書いた最初の日に、
うまこ様から「季刊誌 銀花」が端縫いの特集だった・・と教えていただいて、
買ってきました「銀花」ですー。中はお見せできませんがタイトルは「母の手」、
サブタイトルは「端縫い物語」です。





最初に、先日書いた「百徳着物」が載っていて、
関東では「百所着物」と呼ばれていると・・・私、関東なんですけど、
教えてくれた母が関西なもんで、知りませんでした。ははは。
「米袋」もありました。今日の写真のような「端縫い」もでています。
「百接ぎ(つぎ)」というものもあると、初めて知りました。
亡くなった人のためのもの、故人の愛した着物などをついで作るのだそうです。
日本人って、優しい優しい思いのある民族なのだと思います。本来は・・。

母の手仕事をを見て育った私は、いつの間にか針を持つようになりました。
はっきり覚えていませんが、最初の作品らしい作品はは、
夏休みに作った「キットもの」の「ピンクのフェルトのプードル人形」。
裁ち切りですから、ただかがっていくだけ。
それがきれいにかがれなくて、かといってフェルトではやり直すと
針の穴があいて残ってしまうしまう。どうしておかあちゃんみたいに
うまいこと揃わんのよ、と泣きながらやっとの思いでつなぎ合わせて、
あげく綿のツメが甘くて首がうなだれてしまいました。
ショボンとした私に、いつもはほんっとに厳しくてつっけんどんな母が
「ようやったやん」と、珍しくもほめてくれました。
あのとき「なんやこれ」といわれたら、私針仕事嫌いになっていたかも・・。

和裁も少しかじったのに、大人になってからは、
もっぱらカンタン洋裁で、自分のものや子供のものキッチンものなど、
それででたハギレは、そんなに残っていません。
三角だのカーブだの、そういう残りは、集めて使うのもめんどくさい・・と
何かの詰め物にしちゃったり、ろくに使いませんでした。
ちょっと反省・・。今のシゴト(もどきですが)を始めてから、
やっぱり四角いはぎれっていいなぁ・・と、結局またハギレがたまっています。
少し大きい目のものは、どなたかにまた使っていただけるように、
販売もしたいと思っています。

古い着物には、襲や花嫁振袖、子供の着物など、一枚で
色柄の美しいものもありますが、端縫いもまた「美しいもの」の仲間です。
こういうコレクションも、できれば続けていきたいと思います。













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5 コメント

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う~んお見事! (陽花)
2006-09-13 20:04:22
たかが端切れされど端切れですね。

こうして小さい布も端縫えば立派な

長襦袢や着物になるのですから・・・

少しの布も無駄にしないで使い切るって

わかっていてもなかなか実行できないで

います。ほんと!お見事な手仕事です。
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パッチワークキルト (うまこ)
2006-09-13 21:58:57
小学校の時読んだアメリカのお話を思い出しました。

パッチワークノキルトの布一枚一枚が

かつて洋服の布だったもので、

その洋服にまつわる思い出話を書き綴ったお話でした。

その時初めてパッチワークキルトという言葉を知ったんです。

昔はどこの人たちも物を大切にしたんですね。
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話は違いますが・・・・ (蜆子)
2006-09-13 22:38:41
今日大阪で時間あり阪急百貨店にはいってみたところ、「よき時代の・・・」なになにと催事場に行き、初めて中古着物をみました。

とんぼさんに色々教えてもらっていましたので、興味津々、総絞りの袋帯を買ってしまいました。趣味的でいいかもと。

値段さまざまですが、もとの着物の値段とはつけかたが違うのですね。今時のサイズが優先されるとのことでした。だから大島といっても値段色々、

中古着物初めてでしたので、驚きでした。

とんぼさんに色々教えてもらってなきゃ、できない体験でした。ありがとうございます。ご報告まで。
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Unknown (とんぼ)
2006-09-14 09:13:05
陽花様

こういうものって、一日でできるわけじゃなし、

ほんとにすごい根気だと思います。

私もはぎれのヤマに埋もれながら、

手はちーっとも動きません!



うまこ様

いまのぜいたくな暮らし、

これが当たり前だとおもっちゃいけませんよね。

着ていたものに対しても思いいれ、これも

今でもなくしちゃいけませんよね。

「もったいない」と言う言葉、かみしめなきゃ。



蜆子様

いい出会いがあってよかったですね。

おもしろいものでしょう?!古着って・・。

また「着られない古着」と言うのは

今度は「手芸材料」としての価格になるんです。

穴があいてても、大島の古着より高い・・

なんてことにもなりますし、面白いものです。

私のおしゃべりが、お買い物に

少しはお役に立てたようで、ほんとによかったです。



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功名が辻の… (因幡のりさこ)
2006-09-18 08:05:58
とんぼさま♪

NHK大河ドラマ「功名が辻」で、山内一豊の妻・千代の縫う小袖なども、こんな感じのパッチワークになっていますね♪少し前に、娘・よねに布の組み合わせ方を教えるシーンがありました。普段からハギレを集めておかなくてはなりませんし、生地を作るまでに大変な時間と労力のいる仕事ですね。わたしもパッチワークの袋物くらいなら縫っています♪
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