いえいえ「うそつき襦袢」のことでございますよ。
着物好きな方なら「わかってるわよぉ…あっそれともとんぼのこと?」なんちゃって。
え~とんぼもそりゃまぁ、たまーにうそもつきまっせぇ、体重とかねぇ…ははは。
写真は、まんま「うそつき襦袢」、ジミ柄です。
さてさて、なんでうそつきのお話しかと申しますと…これまたヨソ様のブログで、
「襦袢の袖だけを着物に直接縫いつけました。襦袢を着ているように見えるので
『うそつき』と言うんだそうです。」とあったのです。
えぇ~とぉ…本来の「うそつき」は、袖だけ表地と同じ素材で胴体はベツモノ、の半襦袢。
着物の袖に直接襦袢の袖を縫い付けるのは「大うそつき」…と思ったら、
これ商品で実在しまして、ややこしいです、
「肌襦袢に」「衿をつけて」「丈を長じゅばんにしたものに」
「筒袖の上からマジックテープで襦袢の袖をつけたもの」…です。
別に「うそつきとはなんぞや」と、定義づけをして、
それに入らないものは「うそつき」ではない…などというつもりはないのです。
いつもいいますように、着物についてのたくさんの知識やしきたりや工夫のあれこれが、
戦中戦後の動乱の中で、ぼろぼろと零れ落ちてしまいました。
ですから「着物の袖の内側に袖だけ縫いつけたものがうそつき」と、
そこでとまってしまうのがもったいないわけです。
日本人はとても器用で「知恵と工夫」が得意な民族です。
着物に関するものや事柄についても、いろんな工夫をしてきていますが、
この「着物の袖に直接襦袢の袖をつける」という方法は、最近のことだと思います。
元々「うそつき」というのは、簡略に着るため、つまり汚れとか洗濯の便とか、
究極の理由として「モノがない」とか…そういうために考え出されたものです。
それも、何か教科書があるとか、誰かが教えたとかではなく、
日々の暮らしの中で、自然とみんなが思いついてやったこと、ではなかったかと思います。
なにしろ、当時はみんな自分でなんでも作った時代でしたから。
元々「襦袢」というのは「着物」でも「下着」でもありません。
下着としては「肌襦袢」というものがあります。オトコはふんどしとパッチ、女はお腰。
その上から着るものですが、元々江戸時代、女性は半襦袢と裾よけ、のセットが主流。
長襦袢は江戸後期に「お女郎さんの仕事着、部屋着」として生まれた、
といわれています。浮世絵とか、今の時代劇とかでも、派手な長じゅばんに
ざっくり帯を締めたりしている姿が見られます。
元々、日本の着物というのは「重ねて着る」ことがステイタスでもあり「礼」でもあり、
華やかな世界の女性にとっては「見映え」や「媚の演出」でもあったわけです。
今の時代、私たちは洋装になれていますから、上に着て人に見られるものは、
ブラウスとかセーターとかジャケットとかスカートとか…で、
「ボディメイク」や「肌に直接つけるもの」は下着、
外では人に見せないもの、隠すもの、ときっちり分けています。
あっ最近下着まがいの「服」もありますが、でも下着じゃないですよね。
「下着みたいでみっともない」とはいいますが…。
着物の場合は、「中着」という位置づけのものがあります。
これは着物を重ねて着る習慣での、表の着物のすぐ下に着るもの、です。
この「襲」の場合に二枚目に着るものが「中着」です。
この場合は、袖口と振りと裾は、表の生地と同じものを使った「胴貫」、こんなのです。
左が着物、右が中着。
子供のものですが、中着の「腰から下部分」「袖口布」「振り部分」は
表地と同じものが使われてます。袖の真ん中と胴の部分だけが別布の薄いものです。
ひとつ補足ですが、袷の長襦袢を軽くする、或いは私のような暑がり用に薄くする、
そのために、胴体の部分だけを裏無しに仕立てた長襦袢も「胴貫」といいます。
よけいややこしいですわ。
では、腰までのいわゆる「うそつき半襦袢」の下は…というと、これは裾よけをつけます。
この裾よけの腰の部分のさらしの下に、袖と同じ生地を使えば、
「胴貫」になるかというとそうではなく「二部式うそつき襦袢」です。あぁややこしい。
明治大正…と時代が下がると「襲」は礼装用などが多くなりました。
普段着で重ねるものとして、この長じゅばんの工夫から、
胴貫とかうそつきとかいろいろと出てきたのではないかと思います。
たとえば胴貫でも「袖割り」というものがありますが、
これは布がたりなかったときに使う方法で、袖口側と振り側に、腰から下と同じ布を使い
袖の中ほどは、別布をいれるというもの、写真がありました、こちらです。
昔の着物の繰り回しは「着物から最終的には長じゅばん」というものが多いです。
そういう場合は、あれこれつぎはぎにしたとしても「絹には絹」です。
私は「袖は絹もので、胴体はさらし木綿」という素材の違いも含めて
「うそつき」というのではないかと思っています。
表から見たら絹物着ているように見えるけど、実は真ん中は木綿、という「うそ」です。
まぁ別に細かく定義づけなんてしなくても、今の時代は昔のように
何枚も重ね着しなくても十分「暖」は取れる時代ですし、
素材や洗濯、着方や目的も、昔とはかなり変化しています。
袖に直接縫い付ける方法も、使い方だと思います。
便利だからとそれだけで、ちゃんとした襦袢とか、本来のうそつきとか、胴貫とか、
それを全部やめてしまうなんてことはないと思いますが、
いろんな知識の引き出しをたくさん持って、その中からあれこれだしたもので、
また別の新しいものをつくっていく…着物は廃れる一方といわれますが、
そんなふうに「足していく残し方」をしたいなぁと思っているわけです。
本日のおまけ、実家のあけび。これがアケビの花です。
実は大きくて薄紫だし、中は白いし…花ももっとおおぶりで
白とかピンクとかのイメージですが、実はこんな小さくてチョコレート色してるんですよ。
花粉つけはこの前の天気のいい日にすませたそうですが、
なんたってこの天候異変ですからねぇ。今年の実り具合はどんなでしょうか。
追記…このアケビは「ミツバアケビ」という種類です。
ふつうのアケビは薄紫というか、もっと白っぽい花だそうです。
着物好きな方なら「わかってるわよぉ…あっそれともとんぼのこと?」なんちゃって。
え~とんぼもそりゃまぁ、たまーにうそもつきまっせぇ、体重とかねぇ…ははは。
写真は、まんま「うそつき襦袢」、ジミ柄です。
さてさて、なんでうそつきのお話しかと申しますと…これまたヨソ様のブログで、
「襦袢の袖だけを着物に直接縫いつけました。襦袢を着ているように見えるので
『うそつき』と言うんだそうです。」とあったのです。
えぇ~とぉ…本来の「うそつき」は、袖だけ表地と同じ素材で胴体はベツモノ、の半襦袢。
着物の袖に直接襦袢の袖を縫い付けるのは「大うそつき」…と思ったら、
これ商品で実在しまして、ややこしいです、
「肌襦袢に」「衿をつけて」「丈を長じゅばんにしたものに」
「筒袖の上からマジックテープで襦袢の袖をつけたもの」…です。
別に「うそつきとはなんぞや」と、定義づけをして、
それに入らないものは「うそつき」ではない…などというつもりはないのです。
いつもいいますように、着物についてのたくさんの知識やしきたりや工夫のあれこれが、
戦中戦後の動乱の中で、ぼろぼろと零れ落ちてしまいました。
ですから「着物の袖の内側に袖だけ縫いつけたものがうそつき」と、
そこでとまってしまうのがもったいないわけです。
日本人はとても器用で「知恵と工夫」が得意な民族です。
着物に関するものや事柄についても、いろんな工夫をしてきていますが、
この「着物の袖に直接襦袢の袖をつける」という方法は、最近のことだと思います。
元々「うそつき」というのは、簡略に着るため、つまり汚れとか洗濯の便とか、
究極の理由として「モノがない」とか…そういうために考え出されたものです。
それも、何か教科書があるとか、誰かが教えたとかではなく、
日々の暮らしの中で、自然とみんなが思いついてやったこと、ではなかったかと思います。
なにしろ、当時はみんな自分でなんでも作った時代でしたから。
元々「襦袢」というのは「着物」でも「下着」でもありません。
下着としては「肌襦袢」というものがあります。オトコはふんどしとパッチ、女はお腰。
その上から着るものですが、元々江戸時代、女性は半襦袢と裾よけ、のセットが主流。
長襦袢は江戸後期に「お女郎さんの仕事着、部屋着」として生まれた、
といわれています。浮世絵とか、今の時代劇とかでも、派手な長じゅばんに
ざっくり帯を締めたりしている姿が見られます。
元々、日本の着物というのは「重ねて着る」ことがステイタスでもあり「礼」でもあり、
華やかな世界の女性にとっては「見映え」や「媚の演出」でもあったわけです。
今の時代、私たちは洋装になれていますから、上に着て人に見られるものは、
ブラウスとかセーターとかジャケットとかスカートとか…で、
「ボディメイク」や「肌に直接つけるもの」は下着、
外では人に見せないもの、隠すもの、ときっちり分けています。
あっ最近下着まがいの「服」もありますが、でも下着じゃないですよね。
「下着みたいでみっともない」とはいいますが…。
着物の場合は、「中着」という位置づけのものがあります。
これは着物を重ねて着る習慣での、表の着物のすぐ下に着るもの、です。
この「襲」の場合に二枚目に着るものが「中着」です。
この場合は、袖口と振りと裾は、表の生地と同じものを使った「胴貫」、こんなのです。
左が着物、右が中着。
子供のものですが、中着の「腰から下部分」「袖口布」「振り部分」は
表地と同じものが使われてます。袖の真ん中と胴の部分だけが別布の薄いものです。
ひとつ補足ですが、袷の長襦袢を軽くする、或いは私のような暑がり用に薄くする、
そのために、胴体の部分だけを裏無しに仕立てた長襦袢も「胴貫」といいます。
よけいややこしいですわ。
では、腰までのいわゆる「うそつき半襦袢」の下は…というと、これは裾よけをつけます。
この裾よけの腰の部分のさらしの下に、袖と同じ生地を使えば、
「胴貫」になるかというとそうではなく「二部式うそつき襦袢」です。あぁややこしい。
明治大正…と時代が下がると「襲」は礼装用などが多くなりました。
普段着で重ねるものとして、この長じゅばんの工夫から、
胴貫とかうそつきとかいろいろと出てきたのではないかと思います。
たとえば胴貫でも「袖割り」というものがありますが、
これは布がたりなかったときに使う方法で、袖口側と振り側に、腰から下と同じ布を使い
袖の中ほどは、別布をいれるというもの、写真がありました、こちらです。
昔の着物の繰り回しは「着物から最終的には長じゅばん」というものが多いです。
そういう場合は、あれこれつぎはぎにしたとしても「絹には絹」です。
私は「袖は絹もので、胴体はさらし木綿」という素材の違いも含めて
「うそつき」というのではないかと思っています。
表から見たら絹物着ているように見えるけど、実は真ん中は木綿、という「うそ」です。
まぁ別に細かく定義づけなんてしなくても、今の時代は昔のように
何枚も重ね着しなくても十分「暖」は取れる時代ですし、
素材や洗濯、着方や目的も、昔とはかなり変化しています。
袖に直接縫い付ける方法も、使い方だと思います。
便利だからとそれだけで、ちゃんとした襦袢とか、本来のうそつきとか、胴貫とか、
それを全部やめてしまうなんてことはないと思いますが、
いろんな知識の引き出しをたくさん持って、その中からあれこれだしたもので、
また別の新しいものをつくっていく…着物は廃れる一方といわれますが、
そんなふうに「足していく残し方」をしたいなぁと思っているわけです。
本日のおまけ、実家のあけび。これがアケビの花です。
実は大きくて薄紫だし、中は白いし…花ももっとおおぶりで
白とかピンクとかのイメージですが、実はこんな小さくてチョコレート色してるんですよ。
花粉つけはこの前の天気のいい日にすませたそうですが、
なんたってこの天候異変ですからねぇ。今年の実り具合はどんなでしょうか。
追記…このアケビは「ミツバアケビ」という種類です。
ふつうのアケビは薄紫というか、もっと白っぽい花だそうです。
つまんで縮める、足して延ばす、
着物はそれができるんですよねぇ。
便利だと思います。
私もあれは「究極の」であって、
普段はねぇと思います。
別々に着るのはそれなりの意味がありますよ。
着物のうそって、ちょっと心意気みたいな
そんなところがあっていいですよね。
アケビの花は同じ枝に雌花と雄花が咲きます。
開いてるほうが雌花、つぶづふが雄花です。
この花の色は「ミツバアケビ」で、
普通のアケビはもっと白っぽいそうですよ。
当たり前のことに気づいていませんでした。
目からウロコです!!
いつもありがとうございます~。
しましたが、慣れないと簡単なようで
着づらいでした。
うそつき、大うそつきと言い方も色々ですが、
どれをもってそう言うのか、あやふやな
感じがしますね。
物の無い時代は、見える所だけ絹のいい柄を
持って来て、見えない所はつぎはぎで・・・
といううそだったのかもしれませんね。
あけびの花かわいい!
花の形が2種類のように見えるのですが・・・