ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ひさしぶり「きもの」

2007-08-18 23:35:39 | 着物・古布
時節柄、少々怪しい雰囲気に見えますが、これは「被衣(かつぎ)」です。
以前にも一枚アップしたことがあります。あれよりは少し若向き…かな?

被衣というのは、要するに日傘とか笠とかのかわり、
顔を隠したり、日差しやホコリをよけるためのもの。
実は、かつては普通の着物を使っていました。
つまり、まず着物を着て、それから「上着・コート」のように
もう一枚、アタマにかぶり、それから袖を通す…
なんかすんごいカッコだと思うのですが、
たとえば、今私たちが冬の寒い日に、コートの衿をたてて
マフラー代わりに風を防ぐとか、そういう感じだったんですね。
だだ、どう考えたって着づらい動きづらいのは当然です。
それが「そういうもの」と形が決まってしまうと、
めんどうだから、最初から「かぶってちょうど」に作ればいい、ということで、
最初から「肩線」と「衿」の位置をずらして作るようになったわけです。
江戸時代も後期に入ってから…だそうです。

真正面から見るとこんな形…。





このズレが、アタマにかぶるとうまく肩線がうしろにズレて、
裾がひどく持ち上がらないわけです。
この「被衣」ですが、おそらくは江戸より関西で使われることが
多かったのではないかと思われます。
で、この「被衣」実はオークションでけっこうお目にかかるんです。
幕末から明治のもの…という触れ込みが多い…。
でもねぇ、そんなに沢山残っているものかなぁ、なんて思ったりします。
今、もう二枚、チェックしているんですが、青いのが一枚。
大体は被衣は黒地で、背中のところが白く抜いてあって、
そこにじみ~な風景画、というのが定番。
その風景画が、これはちょっとだけ華やかなので、これは若向きかなと…。
こんな柄です。





ほんとは娘さん用には「紅色」とか「黄色」とかあったのかもしれませんね。
そういうのはまず色あせとかヨゴレとかで、やられてしまいますから、
残っていないのではないかと…カッテに想像しています。
できれば出会ってみたいですねぇ、蘇芳とか山吹なんてぇ被衣に…。


さてさて、今日はほんっとーに涼しかったんです。
もぉ生き返る気分!なんたって30度行かなかったんですから。
昨日と10度くらい違うんじゃないかと…。
それで息を吹き返したかというと…いや実は関東、今地震なんです。
震源地は千葉なんですが、昨日今日と、しかも朝の4時。
千葉では回数も震度もこちらより上なんですよ。
千葉と言っても外海に近いほうなんですが、震度5のところに友達がいます。
電話したんですが「留守電」になってました。
まぁ電話が通じるし、テレビでも被害はないような感じなので、
大丈夫とは思うのですが…。なんか落ち着きません。
台風や地震など、よけようのないものはほんとにいやですね。
しかも地震は何時来るかわかりませんから。
明日はいよいよ「Suzuka様」の「おけさ恋うた」本番です。
何事もなく、無事に、よいステージになりますように!

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6 コメント

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ほ~ (蜆子)
2007-08-19 09:59:25
江戸末期とか明治のはじめにかつぎがあったのですか?映画とかでは、被布や道行、羽織ばかりしか目にしてなかったような気がしています。
かつぎなんて平安時代か、鎌倉かなんて思っていました。それにしても、そんなに前のもの、生地に力残ってますか?
それにしても、生地はなんですか?なんだかごわごわして見えますが。
返信する
お久さ~ (かつ)
2007-08-19 14:33:04
ブログの事ミッチーから聞きました。
毎日、介護と好きな古着?(ごめん)で楽しくでもあり、辛さもあまり感じさせない生活が伺え、幼馴染みとして安心しました。
着物の事は、よく解りませんが、私も、デジカメで花や、景色を撮るのが好きで、あちこち行きますが、中々思うように撮れず、同じ所に又行って撮り直しするけど・・・・・シュン
これからも、趣味と実益と介護とetc
頑張って下さい。
時々カキコします。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-08-19 21:48:49
かつ様
こちらこそお久しぶりです。
ようこそおいでくださいました。
もう何十年お会いしてませんかねぇ。
デジカメはおもしろいですね。
私のはそろそろ買い替えどき…、
のちほどメールの方、お返事書かせていただきます。
カキコよろしくお願いします。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-08-20 17:30:45
蜆子様
遅れてすみません。
被衣を使うのは武家の奥方とか貴族系です。
実際に近代まで使われたのは関西、
といいますか要するに西に近いほうではないかと
おもっています。
かつては単なる「日よけ」等でしたが、
後年「礼装」としても使われましたので、
明治になっても、その地方の風習として
使われたところもあったようです。
今残っているのはほとんど近代に近いものだと
思いますが、行事に使われるものなどは、
性質上「未使用」で保存されているものがあり、
それは傷みも弱りもないものが多いです。
使用されたり保存の悪いものは、
紅絹がよわっているものや色流れなどがあります。
モノは羽二重ですが、北の方の「礼装」に使われた
被衣は、型染め木綿などもあるようです。
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Unknown (蜆子)
2007-08-20 22:02:58
詳しいご説明ありがとうございます。
木綿のかつぎまであったとは、驚きです。
そういえば、お重の上にかぶせる立派な爪織の重懸け、最後まで立派なものが使われていたのは奈良のどこかの地方と聞いています。かつぎも関西に残っていたのですか?貴族文化の名残みたいですね。
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Unknown (とんぼ)
2007-08-20 23:27:10
蜆子様
文化の発達を考えますと、どうしても西の方が
いいものが多い、と私はそんな風に思います。
東は西から運ばれたわけですから。
それと、おおざっぱに古着の絹系は九州と大阪、
木綿は北全般、が本場です。
古着の出所はオークションの場合、
うぶだしの場合は書いてくれることも多いのですが、ほとんどは出所がわかりません。
この被衣も、回りまわってきたものだと思いますが。

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