ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

羽裏です。

2007-04-27 19:39:33 | 着物・古布
これは骨董市で手に入れたものですが、お安かったです。
うまが三頭、白・黒・茶、互いにじゃれあいながら、
楽しげに走っているように見えます。
まるで本物のよう…というところまでは行かないのですが、
躍動感は出ていると思います。黒馬の毛ヅヤもよさそうですね。
毎度同じセリフですが、今はこういう柄がなかなかありません。
男物の羽裏は、女物に比べて「額絵」が占める割合が高いのですが、
いまの額裏はたいがい「薄いブルーかグレーに山水画、竜虎、富士山」、
三題話ではありませんが、だいたいそんなところです。
こういうおもしろいものはなかなかありません。
単なる裏地、という感覚なのと、イマドキ着物を作る男性は、
昔こんなステキなのがあったことを知らないのでしょうかねぇ。
「裏に凝る」「裏にもスキを見せない」「裏にお金をかける」、
これは、江戸時代、上からの締め付けに対する庶民の抵抗からでた
現象・文化の一つともいえると思います。
どうせ人前でやたら脱ぐことはないのだから、なんか裏がついてりゃいいよ、
というのは、たとえ100万の大島の羽織を着ていたとしても、
江戸っ子に言わせりゃ「野暮天」です。スキなく、そして遊び心を…、
「粋」になるのはむずかしいもんです。

この羽裏を見つけたのは、骨董市の中の「古道具・骨董」のお店、
「伊万里」が主流のようで、組の小皿や大鉢小鉢が多く並んでいました。
着物は申しわけ程度に10枚ほど。実はこういう店がねらいメだったりします。
つまり「本来、皿小鉢」がメインなので、着物はいわば「ついで商品」、
そういう時は価格も大雑把で、そのときも「これなんぼ?」とたずねると、
「え~~っと、なんぼやったなぁ、値段ついてへんかぁ…
 今おかぁちゃんメシ喰いに行ってよってなぁ、○○円やったと思うねんけど…」
(安いじゃん!)「おにいさん(たとえ白髪頭でもそーゆーのです)、
 それでええんなら、もろて帰るし、えぇよねぇ…」といいつつ、
さっさとサイフを出して「現金」を出す。「ほな、そんでええわ」
「おーきに(あっおばちゃんこっちくる、あれ、おかーちゃんかな?)
 おっちゃん(買ってしまえばあとは正直に)袋いらへんで、おおきに」と、
そそくさと立ち去る…。確実にオークションより3割以上は安かった!

市では「値切る」のも楽しみの一つですが、
やたら値切りゃいいってもんでもありません。相手と品物によります。
このときの買い物で、別の店で「矢立て」も買ったのですが、
私は骨董には全く目が利きません。その矢立には「16000円」という
値札がついていました。私にわかるのは、オークションでも「矢立て」は、
あまり数がでませんし、出てもあんまり細工の細かいものは出ないか、
たまに出ると初期設定が2万など、やたら高いということ。
あっ「矢立て」をご存知ない方もいますでしょうか、
いわゆる「携帯用墨ツボと筆」、現代のボールペンや万年筆ですね。
で、このときのものは、墨ツボのフタに打ち出の小槌が載っているなど、
こぶりでもなかなか細かい細工のあるもの、オークションよりは安い…、
でも、私には「何でできている」とか「細工的にいいもの」とか、
「年代」とか「普及品」とか、そういうことはさっぱりわかりません。
ただ、私は「売ったら高い美術品」を集めるつもりはなく、
単に昔の道具で、自分の気に入ったカタチや模様のものがほしいだけです。
その条件で、私のなかでは「妥当」であろうと判断すれば、そのまま買います。
このときも「これください」(かけひきする気のないときは標準語)と、
おじさんに声をかけたところ「最初から根切らんで買うてくれたから、
2000円引いとく」と14000円にしてくれました。
こういうこともあるわけです。だから楽しいんですけどねぇ!

さて、昨日に続いて「よそ様のフラワーロード」です。
今日は歯医者の日、この前は痛さのあまりゆっくり見る余裕もなかったのですが、
今回は少し早めに出て、デジカメも忘れずに持ちました。
最初に見つけたのは「ハナミズキ」の赤、
ハナミズキの花は上を向いているので、高い木だと花の裏しか見えません。
これは、道路から一段低いところに植わっていたので並んで撮れました。


        


小さい木なのですが、とりあえず枝全部に花咲かせたぞっ、という感じで、
一生懸命咲いていました。こうしてみると赤もいいものですね。
こちらは玄関の外、低い塀に沿って置かれたプランターに咲いてました。
ミヤマオダマキです。この色、好きですー、ちょっとピンボケですみません。


        


今年「八重咲きのオダマキ」の苗を買ったんです。咲くのが今から楽しみです。
次は同じプランター育ちの花、実家で見た気がするのですが名前がわかりません。
真ん中だけがこんもりとポンポンダリアのように盛り上がり、
まわりにそれを包み込むように長い花びらがあります。とても贅沢!
どなたか名前をご存知でしたら、教えてください。


        


このほかにも、芍薬がゴロンと転がりそうな大きい花をつけていたり
駐車場の入り口に「ノゲシ」が風にゆれていたり…。
伯父が大好きだった「赤芽」、カナメモチですね、それの若い芽が、
見事に真っ赤に伸びていたり…ほんとにいい季節、歯医者さんへ行くのは、
ちょっと気が重いけど、足取りは軽くなります。
そんな上天気の今日の空、玄関でたときにみつけて一枚撮りました。


        


まるでヒダを寄せたようですね。自然っておもしろいです。

いい季節だお花がいっぱいだといっているうちに、もうすぐ四月も終わりです。
お天気が定まらないせいか、今年は近所でまだ「こいのぼり」を見ません。
早く安定するといいですね。

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14 コメント

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私も知りたい (陽花)
2007-04-27 21:06:44
よそ様の玄関先で綺麗に咲いているお花を見ると
つい立ち止まってみてしまいますね。
このぽんぽんダリアのような花、私も名前知りたいわ。
でも、葉っぱはコスモスのような感じもしますね。
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おぉ~馬!ぃぃです♪~ (うまこ)
2007-04-27 22:52:26
花は丁字咲きのマーガレットだと思います。
丁字咲きというのは、
丁字つまりスパイスのクローブの様な格好で
真ん中が八重で球形、
回りに一重が囲む咲き方です。
返信する
こつ (蜆子)
2007-04-27 23:25:02
古道具さんてなんでもというわけではないんですね。扱っているものもそうなんですが、店主はとても詳しい領域があるかわりに、そうでもないってところもある。そこで、何に使うかわからないので値段は客次第なんてこともあり、詳しく教えてもらえるラッキーもあるかわりに、おもいがけず、むふふなんてことも。
これだから道具あさりはやめられません。
昨日も・・・言いたくてうずうずしているけど、怒られそうで黙っています。
やめられんわ。
とんぼさんの気持ちわかります。
返信する
馬。。。 (ぼん吉)
2007-04-27 23:58:43
馬は男のロマンですから。。。

ちなみに最後の写真の雲、飛行機雲の広がったものでしょうか?
そんなのが午後の空に見えたら、雨の兆候です。
翌日は、雨具持参で出かけましょう。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-04-28 00:44:45
陽花様
「マーガレット」の丁子咲き種、だそうです。
うまこ様子様に教えていただいて、
さっそく検索してみました。
同じ丁子咲きでも、チェリルマイスとか
天使の初恋とか、いろんな名前がついてました。
実はこの「葉」に見覚えがあって、
よく考えたら自分のうちの玄関前、
わずかの土に植えてある「ムーンライト」という
黄色いマーガレットと同じでした。
花ばっかり見てたんですね。

うまこ様
いいうまでしょー。
「丁子咲き」ありがとうございました。
この花がなんという「個名」なのかまでは、
調べませんでしたが、これが一番「まん丸」ですね。
とてもかわいくてステキです。

蜆子様
お茶道具、お茶碗にいたっては、100円と
100万円の区別もつかない私です。
ただもう「気に入ったもの」を探すんですが、
以前、さんざん迷って「大きいからやめよう」と
あきらめた「竹の花かご」、買っときゃよかったと
あとでおもいました。モノも出会いですね。

ぼん吉様
ようこそ「とと」へ。
この雲、向こう側にもうひとつありました。
そういえば「天気」よくなさそうです。
大当たり!ですね。天気予報なんかない時代、
人は山にかかる雲のカタチだの、
吹いてくる風の匂いだので、明日を判断したんですね
世の中便利になった分、人間の感覚は鈍ってますね。
こんなきれいな雲のメッセージ、
知ることができてうれしいです。
でも雨はちょっと困るなぁ、洗濯物いっぱいなんで。



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Unknown (青め猫)
2007-04-28 03:02:31
躍動感ある馬の羽裏、見入ってしまいました。
この羽裏はどんなものにリメイクするんですか?
よく、古着市などでご婦人が競って買われていかれるので、どんな風に使われるのかな~って。
額に入れて飾っても良いくらいに、良い絵柄がありますよね。
最近、私も気になって観るようになりました。
そうですよね「粋」って難しいですよね。
私はアンティーク着物が好きで好きでたまらないのですが、コーディネイトや着付けが難しくて。
ほとんど一般的には「リメイク」」行きなんでしょうけれど、それを着てしまおうというわけなので。
(いい歳して・・・と言うのもありますが)

お散歩途中の道ばたに咲いている草花や、ふとした垣根から見えるよそ様のお庭のお花って、足を止めて観ると感動ですよね。
でも、お空を最近見上げていない気がします。
綺麗な青空~。
GWは花屋さんへにも足を運びたくなりました。
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Unknown (とんぼ)
2007-04-28 06:17:13
青め猫様
羽裏は「絵」と同じように額に入れたり、
お金とヒマをかけられるなら「ついたて」とか、
屏風などにしたくなるようなものもあります。
これは一番カンタンなのは「額」でしょうね。
あとは大きい絵ですから、そのまま服の背中に
使うとか…きれいな羽織だと、
このままひっくり返してGパンの上に着るとかも、
今のファッション的にはあるそうですよ。
後は革ジャンの背中に貼るというのも聞きます。

リメイクというのは、シミがあるとか破れてるとか、
もう着物としては着られない…というものに
してほしいもので、着られるなら着物として着るのが
一番いいのですよ。着物はいいものなら、
親子三代着られる、といいます。
古いとか時代物とか言うのは、洋服とは全く感覚が
ちがうものです。おおいに着て下さい。
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 (Suzuka)
2007-04-28 12:18:31
祖父が、丙午でした。
女のそれは、よくないといわれますが、
どうせならかっこよく、わたしもヒノエに生れたかったな・・・
(いまでも、じゅうぶん、悍馬でしょうが)

黒馬は祖父、茶はわたし、白いのは奔馬の精霊・・・などとかってに夢想をめぐらしました。
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羽裏は男の粋の意味 (otyukun)
2007-04-28 23:31:23
とんぼさんの仰る通り羽裏に凝るのは男の粋だったのでしょうね。
出かけた先で座敷に上がった所で羽織を脱ぐ瞬間だけちらっと見せる「粋」

最近、男物の大島のアンサンブルを頼まれる事が三件もありました。
染め工房としては筋違いなのですが「安く手に入れろ」と言う同級生の要望で走り回った訳です。
その時に羽裏も集めたのですが、こんな絵はありませんでした。
一番良かったのが「風神雷神」でしたし、良く描けていたので高かったのですが、即決定。

何年も前、その筋の人用の春画を描いたものも結構注文があったと聞いています。
今は遠い昔の様です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-04-28 23:40:22
Suzuka様
うまこ様って、とにかく「絵」になりますね。
私は実父が乗馬をしていたので、
(写真しか残っていないんですが)
私もいつかはのってみたいと思っていました。
実際にはカルーセルのおんまさんどまりでしたけど。
羽のついたペガサスも好きですー。

otyukun様
私も、最近になって羽裏を集めているのですが、
変わったのがスキなのでなかなかみつかりません。
今のところ、私の手持ちでベストスリーは、
「くらげに乗ったサル」
「楠木正行・四條畷の戦い」
「像の背中に乗った美女」
です。古着ですのでシミもありますが、
大切にしたいと思っています。
昔も凝ったものは高かったのでしょうね。
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