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今日は朝から「モノ探し」…全くどうしてこう「すぐ忘れる」のでしょう。
いつものところにしまったはずなのに…これもいつものセリフ…だいじょぶか、アタシ…。
みつけました、。これです「鋏とぎ」…。
こんなふうに鋏の刃をいれて、いつものように何か切る感じでチョキチョキと動かします。
(すみません、下の写真、飛んでました。入れなおしましたので)
なんかいいかげんな道具のように見えますが、ちゃんと切れるようになります。
研ぎたかったのはこのキッチン鋏、刃先のこのカタチが牛乳パツクを切るのにとても使いやすいのです。
ついでだから…と、日ごろ紙を切ったりする鋏も出してきてチョキチョキ…。
ふと、我が家には「鋏」と名のつくものはどれだけあるのかな?と思って出してみました。
あららこんなに…。上の4丁は「ヘアカット」や「眉カット」などのためのもの。
子供の髪は今でも私が切りますので赤ちゃんの時の先の丸いものやらなにやら…
あっ肝心の今使っている「髪カット用」がはいっていませんわ。
下の左が縫い物などの手仕事用、右は「紙」専用です。紙の厚さや、細かいカットかどうかなどで使い分けています。
先が細くなっていないと、紙切りには使いにくいので。
このほかに手仕事の大きいのがこちら。右側のが一番新しい「現代モノ?」ですが、
実際に布を着るには、真ん中の「昔ながら」のものの方が、私は使いやすいと思っています。
左側は「ピンキング鋏」、これは母からもらったもので、フェルト細工にはよく使いました。ものすごく重いです。
さて「鋏」ですが、洋鋏と和鋏の大きな違いは「支点」の位置ですね。
洋鋏は真ん中のとめてあるところ、和鋏は、Uの字になっている一番底の部分です。
和鋏のいいところは、使うときさっと握って、そのままチョキチョキとできること。
洋鋏は、指輪(この場合は「ゆびわ」ではなく「しりん」と読みます)に指を入れて、一度刃先を広げる手間があります。
和鋏は小さいものは手の中にしっかり握りこんで、刃の背中に直接指を置いて力の入れ加減を微妙に調節できます。
洋鋏、というからには、入ってきたのは明治維新後…と思われるでしょうが、
実は正倉院御物の中にあるそうです。
元々鋏そのものは、遺跡などの出土品から、U字型は古代ギリシャの遺跡、
真ん中支点のX字型ものはローマの遺跡から発掘されているものが、それぞれの最古といわれています。
二本作って真ん中を留めつけるより、U字にまげて、バネのチカラで開け閉めするほうが作りが簡単ですから、
最初はみんなU字から始まったのでしょうね。
鋏はもともと「挟み」つまり何かをはさむのに作られた形ですが、
それに刃をつけることで、挟んで切る、という便利な道具になったわけです。
日本では、刃物を作る技術がすすんで、鋏も当然自国で作られたわけですがU字型が主流でした。
道具というものは、その国や土地の風俗や暮らし方にあわせて作られたり発展したりしますね。
日本は着るものは「和服」、これは直線裁ちしかありません。
洋裁のようにカーブという切り方がないので、極端な話、反物を裁つのに小刀でもよかったのです。
また縫い物をするとよくわかりますが、ちょっと切り込みを入れたり、糸をチョンと切ったりするのは、
いちいち指を指輪(しりん)に入れて、一度は先をあけるという手間のない「握り鋏」がとても便利です。
洋鋏はチカラが入れやすく、厚手のものとか太いものなども、軽く切れますから、
ウールのような厚手の生地や革を切る、羊のような動物の毛を刈るなどには便利だったわけです。
また髪も日本のように男女とも長く、先をまっすぐ揃えるだけ…と違って、様々カットしましたから、
洋鋏の方が使いやすかったでしょうね。日本人は、元結を切ったりちょっとそろえたり程度で、
あとは切るより「剃る」方が多かったのです。
日本という国では、日常的によく使う鋏は「手仕事」と「灯心切り」、これも和鋏の方が使いやすい…。
つまり、日本人の暮らしの中では、布をカーブして切るとか、動物の毛を刈るとか、革を切るとか、
そういう暮らしではなかったので、あまり必要性がなかったわけです。
それが、どうしてもX型がないと…となったのが室町時代、生け花というものが広まったから。
つまり「花鋏」ですね。生け花では、花だけでなく細い枝なども切りますから、
小さければ手の先でぐっと「刃」そのものにチカラを入れられる和鋏ですが、大きいものは使いにくかったわけです。
私は恥ずかしながら「華道」の心得もありません。あるとき「花鋏」を頂いたのですが、これが使いづらい…。
つまり「指輪(しりん)」がないタイプ、池坊型(もち手の下の方が小さく丸まっていて「わらび型」といいます)でした。
もうひとつは「古流型」と呼ばれる、持ち手が大きくぐるりとまわしてあるもの「つるて型」と呼ばれます。
私はどちらも使い慣れないので、現在、専用にキッチン鋏を買って使用中…情緒もなにもありませんが…。
話を戻しましょう。生け花のおかげで、洋鋏の形をしたものの便利さを理解した日本人は、
例えば植木鋏のような、大きくて力を入れやすいもの、を作りました。
江戸時代は植木つくりは素人でもはやりましたから。
それでも一般家庭の日常生活の鋏は「和鋏」が中心でした。
以前「鬼平さん」で、平蔵さんが縁側で足の爪を切る場面がありました。大きな握り鋏でした。
あったんですよ、爪切り用の和鋏も…。
大きく変わったのは、やはり明治維新。ここで洋服も入ってきましたし、髪についても、また「紙」の方も、
洋風のものが入ってきましたので、洋鋏の活躍の場が増えました。
同時に「武士」がなくなったので「刀」の需要がなくなったわけで、鍛治や研ぎの技術を持つ人たちは、
日常の刃物として「鋏」を作ることにも移行していったわけです。
さて、この和鋏の形は、いってみれば一番シンプルで「原始的」…そのせいもあってか、
世界のあちこちに「U字型」の鋏が作られた記録や形跡はあるのに、
いまだにこのカタチの鋏を日常的に使っているのは日本だけなんだそうです。
ただねぇ、和裁でなくとも「針仕事」をする女性が減ってきていますし、
更にはリッパーだのカッターだのという便利グッズがいろいろある昨今です。
「和鋏」の先行きは、なんだか先細りのような気がしている私です。がんばれ和鋏!
皆様の手元には、どんな鋏が何丁ありますか?古い歴史をこえてきたもの、
切れなくなったら研いで長く使ってください。
ちなみに「鋏研ぎ」、こんなのを売っています。
Googleで…
いい鋏はやはりプロに…これでやるなら安いやつ…というわけで、
けっこう安い鋏を長く使っています。
なんたって子供の「折り紙工作用」なんてのですしー。
一度に全部はやりにくいので、刃の奥の方を先に、
真ん中かはそこだけ、最後に先の方…というようにわけてやっています。
先を研ぐのがちと面倒なのですが、はさみは先まで切れてくれないと…なので、
じっくり腰すえてやっています。
プロはやはり違いますよね。
このアタリは2ヶ月に一度くらいですか、
定期的にまわってきてくれる研ぎやさんがいますので、包丁とペテナイフを…。
以前すんでいた船橋の人よりは、ちっとウデが落ちるのですが、
なんたって切れるようにはなりますからねぇ。
はさみはこれでショキショキとやってます。
私も以前は、どうにも切れなくなると
あきらめていたんですが、
これを見つけてからは重宝しています。
ちょっとコツもありますが、
何回かやっているとちょうどいい具合がわかってきます。
便利ですよ。裁ちばさみはさすがに難しいですが…。
今は砥石を何種類か揃えてお年寄りの旦那様が係りになっています
鋏は砥ぐのが難しいかと思い 手付けずでしたが
この様な簡単に砥げる道具があるとは
鋏が切れないとストレスになるので
それなりのお値段を出して買い求めていましたが
この道具があれば 百均の鋏も使い勝手が良くなるかも知れませんね
知りませんでした。
イロイロな道具があるものですね。
とてもよさそう、良いものを教えていただきました。ありがとうございました。
近所の神社(小さいけれど、古くからある)のご祭礼に出店してる刃物研ぎの方が、営業がてら、廻ってらしたんです。
珍しくて、植木鋏と花鋏と包丁を出しました。
2時間後、ものすごく良く切れるようになって戻って来た刃物達。
びっくり~!そもそも花鋏なぞ研いだことはありません。手入れだけはちゃんとしてましたが…。包丁も自分でやるのとはえらい違い!
植木鋏など、ずっと放っておきましたから、新品同様です。
「とても良いものですから、大切に使ってくださいね」ですって(^^;)すみません。。。
また来てくれないかな~と、密かに刃物を用意して待ってるのです(^^)
ここは東京の西にある、下町じゃないけど、昔の街道町なのでした。。。
縫い糸を切るのは、やっぱり和鋏でしょう!ボタン付けでも半襟付けでも。
こんな便利な物が売っているんですね。
いい事を教えて頂きました。