載せる写真がなくて、本の表紙…知恵のないこと…。
今日は、もう少し「余分」なお話をいたします。
ビギナー向けのお話です。
和裁には和裁独特の道具があります。
「へら」「へら台(裁ち台とか裁縫台ともいいます)」
「こて」「こて台」「かけ張り」「くけ台」「袖の丸み型」など。
こてなどは、洋裁でも「ミニアイロン」などを使いますので
似たようなものですが、和裁のコテは、アイロンの先のような、
三角のものと、先が丸くて薄い形のものがあります。
丸くて薄いのは「こてべら」といって、しるし付けに使うこともできます。
さて、名称をきいても形がわからないと「???」ですね。
私のへら台は…引越しのときどこかにしまった記憶があるんですがねぇ。
まともな和裁はやらないので、たぶん納戸の奥深く、
まるでお宝のよーに、しまわれているはず…。
というわけで、まとめて和裁の本から絵をお借りしましょう。
すでに著作権ないはずですから、大丈夫でしょう。そのかわり古いです。
最初は「へら」、左は「焼きベラ」とありますがコテと同じで熱して使うタイプ。
私は知らないのですが、母の話によれば「しるしの後が残らない」のだそうです。
これが「コテ」です。先が三角と丸ですね。
くけ台とかけはり、右が座って使うタイプ、左が机などに止めるタイプ。
右の立っている棒の先にぶら下がっているのが「かけはり」、
洗濯ばさみみたいに布をはさんで使います。
こちらが「ヘラ台」屏風のようにたためます。
こんなにいろいろ必要なの?めんどくさいし、お金かかりそう…ですね。
実際、全部一度にそろえたら大変です。
でも肌じゅばん、うそつきくらいなら、ほかのもので代用できます。
とりあえず、自分はどこまで自分でやるつもりか…、
そこが見極められるまで、ないものは代用でいきましょう。
とりあえず、道具の説明をしましょうね。
へら、これは要するに「しるし」をつけるもの。
洋裁と和裁の大きく違うところのひとつです。
洋裁は、型紙を布の上に置いて、型紙どおりにチャコで線を引き、
すべてのラインを布に写し取ります。
和裁は「しるしつけ」という言葉通り、必要なところに「しるし」をつけるだけ。
しかも「色のつかないしるし」です。これを「へら」でするわけですね。
縫い方が決まっていて、どこもまっすぐに縫う和裁では、
縫い合わせる場所のしるし、とかここから始まる、とか、
そういうしるしだけで縫えるわけです。だから洋裁の型紙をあてたときのように、
縫うところ全部のラインをへらでつけることはありません。
実はとんぼはこの「ヘラつけ」がだいっきらい!です。
だってヘラって、しるしつけても見えないんだもん!(コラコラ)
和裁に慣れれば、どことどこを縫い合わせるかもわかりますから、
布のどこに、どちら向きにヘラがはいっているかで、
あっ、こことこっちのここを合わせればいい…などとわかるわけですが、
知らないと「このしるしなんだっけ」「つけたはずのしるしがない」なんて…。
色柄のものだとよけいわかりにくいわけです。
もしヘラがあったら(買ってもプラ製なら安いです)肌じゅばんを作るとき、
「しるしつけ」の練習をしてみるといいです。
白いさらしは、しるしも見やすいですから練習になります。
ヘラ台、これは折りたたみ式(屏風みたいです)になってまして、
ボール紙の台紙を布でくるみこんで作ったもの。つまりマットですね。
へらでしるしをつけるには、へらを布に強く押し付けてこするわけですから、
下にある程度弾力がないとしるしがつきません。
それでこれを使うわけです。長年使っていたバサマのへら台は、
もうヘラのあとだらけでデコデコ…どこでしるしをつけようか…でした。
つぎに「コテとコテ台」、これは要するに「ミニアイロン」と「アイロン台」。
昔は火鉢を使ったりして「熱く」していたのですが、今は「電気製」です。
縫ったところを落ち着かせるとか、きせをかけるとか、
上に書いた「コテベラ」というのは、コテを立ててちょっと押し付けて
しるしをつけるわけです。コテ台はつまり「アイロン台」のことです。
つぎは「かけ張りとくけ台」、これもセットで使います。
和裁は直線縫いばっかりですから、縫うときにピンと張られていると
縫いやすいんですね。
そこでまずくけ台の下の板を座布団のしたに入れてその上に座っちゃいます。
「自前重石」ですね、そして、立っている棒のほうに「かけはり」をつけて、
布のこれから縫うほうを手で引っ張って縫うわけです。
最近は「イス」の生活のほうが多いですから、
ネジで机に締め付けて使うタイプのほうが多いかと思います。
使う使わないは自由ですので、なくても縫い物はできます。
ちなみに私はめったに使いません。しばらく本格的な和裁をやっていない、
というのもありますが、ちょっとの手縫いは「男縫い」をします。
つまり、あぐらかいて自分の足の指で布を挟む…です。
プロの和裁師さんの仕事ぶりを見ると「格闘技の世界」?です…。
あと「袖の丸み型」は、いうまでもなく袖の丸さをきれいに出すための
いわば「型紙」、金属製でいろいろな丸みが出せるよう、セットで売っています。
長くなってきましたね。ちょっと休憩しましょう(自分がお茶したいからっ?)
こちらは先日入手のふる~~~い「編み物の本」昭和10年のもの。
ご覧のとおり、ぼろぼろで表紙もありません。
写真はこのころの写真技術では「リアルな肖像画」程度ですね。
見てすぐに誰だかお分かりの方は、きっと私より先輩でーす。
左のハンサムな男性は「上原 謙」さん、加山雄三さんのお父さん、
右の少女は「高峰秀子」さんです。
さて、それではこれから「手抜き」指南?です。
いろいろそろえるのは大変ですから、代用できるものや、
ちょっと作れるものは自分で作りましょう。
袖の丸みなどは、本に載っているのを写してもいいし、
自分の着物などから写しとってもできますね。
金属ではつくれませんが、まずは「紙」で、便箋の後ろの台紙とか、
お菓子の箱とか、材料はそのへんにいくらでもあります。
要するにペラペラしていなきゃいいんですから。
もし、しっかりと折れないものがほしい…なら、プラ板がお勧めです。
ただ、切ったあとの面をやすりなどで滑らかにしてください。
着物が傷つきますので…。
コテ、コテ台はまぁミニアイロンとアイロン台があればOK。
ミニアイロンがなければ、使いづらいですが普通のアイロンですね。
つけっぱなしにすることが多いですから、そのあたりを気をつけてください。
さて、一番の問題は「へら」と「へら台」なんですね。
ヘラは手芸店などで売っていますが、ヘラ台はあってもけっこう高いです。
ネットでも検索できますが、それなりのものは6~7000円くらいもします。
実はへら台というのはヘラつけだけでなく、「裁ち台」ともいわれるとおり、
反物を切るのにも適しています。のばすと170センチ以上ありますから、
その上で反物をひろげられるのと、布張りのため置いた布がズレないのです。
もし、ゆとりができたら「あると便利」道具です。
では、ナシでやる方法。
まず、肌じゅばんは最初から「ヘラ」を使わない、これがひとつ。
つまり洋裁式に「チャコ」を使うわけです。これなら楽勝ですね。
肌じゅばんくらいなら、それでもいいと思います。
ただ、上にも書きましたが「ヘラ」というもの、その使い方としるしの見方、
ということについては「経験」していただきたいと思いますので、
併用してみてはいかがでしょうか。
そのときのヘラ台ですが、たとえば週刊誌のようなものに、
ボール紙、なんでもいいです厚みがあって少し固い目のものをのせて、
さらしでくるりと巻く…。ちょっとの練習ならこれでいけます。
まちがってもテーブルの上でじかになんてやらないでください。
テーブルにしるしつけしちゃいますから。
ミニへら台、これは自作できます。
私は引越しでどこかにやってしまったらしくて、いくら探してもないのです。
あまりに汚くなってましたので捨てられちゃったかも…。
作り方はカンタン、さっきも袖の丸み型のところででました
「便箋のウラの台紙」程度の紙を10枚くらい重ねて、
各面がずれないようにセロテープや両面テープでところどころとめます。
一番上は外に響きますからテープが回らないように。
これをさらしでくるんで、糸でとめつけて出来上がり、です。
一番上の面だけは、さらしを2枚とか3枚とか重ねてクッション性を調節します。
これの欠点は、いくらピンと張っても接着していないので「ズレ」ること。
ですから使うときは、下も上もしっかり押さえてヘラ付けすることです。
でも、今はいいものがあります「両面接着芯」とか「強力両面テープ」とか。
これを使えば、動きませんね。
私も作ろう作ろうと思いながら、和裁をしなくなったので作っていないのですが、
作りますかね。ちょっとした作業台にもなって便利なんですよ。
今日は「お道具」のお話をしました。
本格的な和裁まではいかなくてもいい、せめて肌じゅはんとうそつきまでは、
とお考えでしたら、まずは昨日お話した基本的な「針だの糸だの」の裁縫道具。
それからとりあえずは「チャコ」とものさし、アイロンとアイロン台を…。
これだけあれば始められます。
なかなか作り方の概要までいかなくてすみません。
作り方だけなら、ページ丸ごとコピーして載せればカンタンです。
でも、そうではなくて、まず「和裁」の入り口にたったこと、
それを感じていただきたいのです。和裁は「手縫い」の世界です。
たかだか肌じゅばん一枚でも、それが「着物ライフ」につながっていることを
考えながら感じながら、楽しいものにしていきたいと思うのです。
しょうがないから縫うのではなく、そこから新しい楽しみを
しっかり見つけられるように、じつくりゆっくり「わかりながら」
すすんでいきたいと思うのです。お付き合いください。
使っているのですが、これから縫うところじゃなくて
縫ったところを挟んでいるのですが、やり方も色々
なんですね。
ありがとございまーす!
えっそんなこと書いたっけ?と読み直して、およよ!
自分で書いててきがつきませんでした。
途中中断して書いたので、縫うほうをひっぱって、
というのと、せんたくばさみみたいのではさんで、
というのがごっちゃになってました。
左ひっぱったら、縫えまへんがな…。
男縫いは左も引っ張りますけど。
書き直しました。
長い記事を書くと、最後に読み返しても、
どっかポカするもんですね。気をつけます。
私も先日大きなポカしましたものね。えへっ
石羊改め小春です。
ヘラ台、、、実は持っていたりします。
以前、和裁をちょこっとだけ習っていたときに
買ったのですが、教室に通えなくなって以来
それこそ半襟付けくらいしかやってないので、
すっかり用無しです(こらこら)
本当は、長襦袢とは言わぬまでも
うそつきくらいは縫わないと洗い替えが足りなくて
不自由で。。。
汗をかく季節になるまでに何とか1枚くらいは
と思うだけは思ってるのですが。(冷汗)
袖の丸み、そういえば昔、祖母が浴衣を縫って
くれたとき、小皿でしるしつけてました。
但し アイロン台はテーブルの上に直置きの脚の無い
一枚ものでした。
いつの頃だったかな・・・
ようこそ!
ヘラ台、今は和裁をやっている人でないと
持っていませんね。
私の子供のころは「嫁入り道具」だったのですが。
私のは、さいしょのものはカビはやかしてぇ…、
母にしかられたのなんのって。
嫁入りに持たされたのを、今広げるのがこわいです。
うそつき、もう少しあとに載せますね。
作り方というより工夫ですが…。
恵様
重たいヘラ台を出すのがめんどうで、
アイロン台の裏を使い、ちからのあまり
ウラのベニヤ板を割ったのは私です…。
このブログを読んで無かったのが、いけませんでした(汗)
へらは、生地が傷むという理由で、使わせないところもあるそうですよ。
でも、このこてべらなら大丈夫ですね。
いえいえ、ちょうど思い出しましたので…。
私はヘラが嫌いでして、大きな声では言えませんが
浴衣なんぞは「チャコペン」ですー。