おかげさまで、久しぶりの着物話題です。
イトコは毎度ワンちゃん連れて550キロ、車飛ばして日帰りです。ありがたいです。
そのたびにたくさんのおみやげ持って。
今回は野菜やらお花やらのおみやげの話は、ちとこっちへ置いといて、
最初に車から降ろしたのは、古い畳紙に入ったものが二つ折れで特大のポリぶくろにごっそり。
イトコの友人で、ただいま断捨離中なのだとか。年齢からいって締めない帯をごっそり…です。
なるほど、出てきた帯は「赤」が多い…こりゃ20代までだわなぁ…。
というわけで、順番に写真撮りました。全部正絹です。
だーっと並べます。
二番目の紐と流れの帯は作り帯。一番下とその上は「絽」。
まあみんな見事にまっかっか…で、これは私にはねぇ…です。
状態はまだ細かく調べていないのですが、おおむね良好、しめたときにシミが出るようなことはないようです。
1本だけ、鮮やかな青がありました。これは…私が締めるかな、ちと明るいかな、ま、いいじゃん…へへへ。
そして、帯には珍しい鮮やかな緑色。さすが京都…ですかね。
色目だけなら、渋い紬に締めてみたいところなのですが、柄がねぇ…おっきな蝶。
裏向きにして無地で使おうかなぁ…。
このほかに、赤地と白地の絽の帯がもう1本ずつありましたが、残念ながらシミがひどくて、
使用不能。もったいないので、どうするか思案中。
1本だけ、とてーもクラシックなのが出てきました。
昔の帯って、芯からして重いんですよね。一見古いだけ…に見えたのですが、
よーく見るとシミが…あーもったいない。
ピンクという色は、どうしても「薄汚れ感」が強く出ます。柄のところだけとって、何か考えますか…。
そして羽織も2枚入ってました。1枚は黒絵羽、1枚は真っ赤な絞り。
黒絵羽はこちら。状態はヨシですが、羽裏にシミ出ています。お取替えが必要。
こちらが絞り、これまたまーっか。
手絞りです。手はそれほど上級ではなさそうですね。
矢印のあたり、まっすぐ並んでいなかったり、柄のせいかと思ったらそうではなくて絞りに失敗して、
染めがはいってしまっていました。
伺った年齢から行くと、お嫁入りのときのもので、たぶん30年近く前かなと思うのですが、
京都はさすがに「若いうちは華やか!」で、こんな真っ赤な絞り、関東なら子供が着ますわ。
いろいろ考えましたが、丈がちと短いかな…だけど、別布足して「じゅばん」にしようと思います。
絞りのじゅばんなんて、ぜーーーーたくだぁ。あったかいですよー。
今日は、時間がないのでご紹介だけ。次回、また間が空くかもですが「赤い色の帯」について
あれこれ書いてみようと思いいます。
絞りの失敗って、不良品とでも仰りたいのですか。
親御さんが思いをこめて娘に持たせたものでしょう?
だからこそ30年も手元に置いておかれたのでは?
元の持ち主やその親御さんは、この記事を呼んでさぞ悲しまれるでしょうね。
私は只今、義母のタンスの断捨離をしていますが膨大な量の着物を前にどうしたものかとフリーズしています。
さすがの私でも鋏を入れずらい。。。ちょうど娘が小柄なので何とかサイズ的には合いそうですが果たして取っておいて本当に着るのかと思うと考えてしまいます。
絞りは暖かいのでこれからの季節にぴったりですね~
こちらにお邪魔するようになって、着物については本当に勉強させていただいています。
たぶん初めてコメントをいただいたと思いますので、
コメントありがとうございます。
別にけなしているつもりは全くありません。
せっかくもらったものを並べて、
やれ赤いの私には締められないのと、
「もらっておいて…」とお思いなのだと思いますが、
私は、以前から「いらなくなった和服のこれから先」を
あれこれ考えることをしております。
長くブログをやっていまして、私の着物の行く先も…
というお客様もいらっしゃいますし、
イトコのように、私がそういうことをしているのを知っていて、
友人たちに「捨てるなら声かけて」と言ってくれる人もいたり…。
それで年に何回かは「断捨離」されたものや、ご家族の遺品など、
捨てたくはないが、着ることもない…というものが、
いろいろ運び込まれるわけです。
着られるものはほしいとおっしゃる方に、
手当をしたり、ほかのものに作りかえられるものは
そういう先を見つけたり、もうどうにもならないものは、
裂き織りの材料やパッチワーク用のハギレ分だけに整理したり…。
そんなことをしていますので、状態のいいものなどは、
写真にとって、ブログアップして、
ほしいという方のご連絡あればお譲りしています。
今は商売にはしていませんので、
買取もしませんが、売ることもしておりません。
それでも、正確な情報は必要ですから、
とりあえずの素材や、状態などは、
ご紹介程度に書くことも多いのです。
絞りの失敗は不良品、そんなことは思っておりません。
最初に「手絞り」と書きました。
それだけで、今、数多い機械絞りよりも今の時代
価値あるものと、たぶん、ずっとこのブログをご覧の方は、
お分かりくださると思います。
どんな技術にも、ベテランもいればまだまだの人もいます。
一級、一流、名人…と言われる人たちの仕事は、
人より秀でているから、そういわれるのだと思います。
そこまでいかない中堅どころの職人さんたちのものは、
ありがたいことに、それより安い価格で売りに出されます。
私の伯母は、京都の片田舎で「鹿の子絞り」を
しておりました。野良仕事の合間に、背中を丸めて、
一心に鹿の子をやっている姿を見ていたものです。
鹿の子絞りの反物は、柄になるところに、
青花で小さな丸(○)が染められています。
直径が3ミリとか5ミリとか、そんな小さな丸です。
柄を埋めるように正確に整列したその丸の
中心をちょいとつまみ出し、先をほんの少し残して
染めない分を、糸で手早くきりきりと巻きます。
伯母の住む地域では、ほかにもやっている人がいましたが、
伯母はその中でもピカ一の腕前でした。
手元は正確で、染め上がりが美しい…
それゆえ総絞りの振袖や皇族方からのご注文なども、
あれこれきていました。
その伯母が、覗き込む私に、ちょっとゆるいとこうなる、
こうなると、柄が曲がったり絞りきれんで
全部染まったりになってしまう、
それでもこれを続けて、みんなうまくなっていくんや…と
そんな話をしてくれました。
上級ではありません、と言ったのはそういう意味ですし、
だからこれは三流ですとも書いていません。
とてもふっくらとして柔らかいです。
なので、解いて襦袢にしたいと書いたのです。
もしかしたら「この赤さは関東なら子供が着る」と書いたことも、
たぶんバカにして…とお思いなのかもしれません。違ったらごめんなさい。
そう書いたのも「意味」あってのこと。
そのため私は「次回、赤い帯」について書きますと、
そう締めくくりました。
これは関東と関西の着物の好みや使い方、
その他さまざまな違いにかかわることです。
それとても、今までいろいろ書いてきましたので、
悪意で書いたわけではありません。
もしそうとられたのであったら、ご理解いただきたいと思っております
私のわるいところは、自分で勝手に
「みなさんわかっておられるから」と
思い込んで書くことなのでしょう。
毎回「私はこういうことをしているので」とか、
「着物に対してのスタンスはこういうことで」とか
そういう説明をすることはありませんので、
この記事だけをご覧になったら、
「もらったものにケチつけて」と思われるのでしょう。
誤解を招いたと思っておりますので、
その点はお詫びいたしますが、
私はこれからもいただいたものでも、
お嫁入り先を探すためにも、写真をのせ、
素材や状態の説明をしていこうと思っております。
いまでここにアップしたもの、しないもの、
たくさんありますが、そのことについて、
なぜ写真を載せたのか、とか、
なんであんなところに譲ったのだとか、
そういう苦情をいただいたことは、幸いにもございません。
これからもないように努めていきたいと思っています。
お返事にはなっていないかもしれませんが、
以上が私の現在の気持ちです。
着物に挟を入れるのは、勇気がいりますよね。
もうとれないシミがあるのだからとか
弱りがあるから着物には仕立てられないとか、
それがわかっていても、ちょっと待て、
まだなんか考えられることはないか…なんて。
ましてや親の着物だの、気に入ったものなどは、
つい「明日にしよう」になってません?
それがいつのまにか山になる…でしょう。
私には娘がいないので、よけいに
とっておいてもだれが着る…ですー。
幸いなことに、イトコのところに孫が6人、
そのうち半分女の子。(しめしめ?)
一番上はまだ5年生ですが、
いまから「売り込んで」います。
今回、一番鮮やかな赤の帯、
畳紙がうすくですが、赤く染まっていたのです。
長年タンスの中に入ったままだからだと思いますが、
ちと色落ちも調べなければなりません。
そうなると「プロ」のお力を…と、
どこまでも他力本願の私です。
お義母様の断捨離、がんばってください!
いよいよどうにもの時は、ご連絡を…
手ぐすね引いて、いやいや箱をご用意して、
お待ちいたしておりますです。
今は手掛けていらっしゃらないのですね。
残念。。。
他にも、ご友人の娘さんの成人式のお支度のお手伝いの記事も拝見しました。
いつも、「とんぼさんの着物の知識と着る人への愛情と、堅実な経済感覚が素晴らしいな~」と感じています。
最高のモノ、最高のお値段、では手が出ないこともあるので。。
3つのバランス感覚が素晴らしいなぁと。
ご友人の娘さんの成人式のお支度の時も、(悪意なく)「着物のデザインは20年以上前のものだし、最上級品ではない」ようなことを書かれていた気がします。
歯にきぬ着せぬ伝え方をしても、周りから苦情がこないとすれば、それはとんぼさんのお人柄でしょうね。
シャンとしたお母様に育てられて、手のかかる家族を抱えて(ごめんなさい)、それゆえにいっそう磨かれた世渡り術なのでしょうか。
私は気が利かなくて頭でっかちで、生活に根差した自分なりの考えを持ちかねているので、とんぼさんの見解をに触れるのが面白くて、何年もブログを拝読しています。
(途中、出産したのでブランクあり 笑)
今回、辛口コメントがあったので、愛読者のコメントを寄せたくて、長々と失礼しました。
季節の変わり目ですので、ご自愛ください。
ありがとうございます。
着物については、今も昔も、誰しもが
高級呉服を買えないのが実情ですし、
元々、庶民は「分相応」の中で、着物を楽しんでいたわけです。
何かと「ブランドもの」を礼賛する風潮もある中で、
何を大切にするのがいいのか…と、考えていくことが、
着物賢人になる道ではないかと思っています。
暮らしがなかなか落ち着かず、ブログもボチボチで
皆様にもご迷惑をおかけしています。
少しずつでも頑張りますので、
今後ともよろしくお願いいたします。