ちょっと光って模様がわかりにくいですが「櫛」です。
もうとっくに鬼籍に入り、しかも93歳の大往生だった
祖母からもらったもので、たぶんもう90年くらい前のものです。
福島の寒村の生まれで「東京」に女中奉公にでてきた・・と聞いています。
そういう状況ですから「本鼈甲」なんてシロモノではございません。
セルロイド製や木製です。それでも金色の彩色や小さな螺鈿は
きれいに残っています。おそらく晴れ着用でめったに使わなかったのでしょう。
実は大ポカをやりまして、写真で櫛の後ろの布とすだれは櫛を飾るために作った
「タペストリー」なんですが、上から2番目の櫛、鮮やかな「朱色」だったのに、
ある日ふと見たら茶色に変色していました。もらってから20年以上も箱に入れて
大切にしていた間は、色は変わらなかったのに・・・。
やはり「日に当たる」というのは、いけないんですね。
ウラはまだ朱色がきれいに残っていて、リバーシブルの櫛になっちゃいました。
おばーちゃん、すんませーん。
櫛の歴史はとても古く、古墳時代には櫛の元らしき「竹串の束」みたいなものが
あったそうです。女性にかぎって言えば、髪を結うということにおいて、
奈良から平安と時代が下がるに連れて、髪を結わない「垂髪」(すいはつ)が
主流になっていきましたので、髪を梳く「梳き櫛」は古くからあったものの、
「飾り櫛」がいろいろと出回るようになったのはずっと後のことです。
垂髪から少し発展して「唐輪まげ」が始まったのは安土桃山あたりですが
そのころは櫛簪を飾るというよりも、髪を結うこと自体がオシャレだったわけで
その後少しずつ、イロイロな髪型が生まれて「櫛、簪」がもてはやされるように
なっていったわけです。髪型の変遷を見ていると、よくまあいろいろと
考えたものだ・・と思います。日本には「髪をカールさせる」という風習は
ありませんでしたから、まっすぐな髪を束ねてあちこち膨らませたりひっこめたり
そこに簪をさしたり、笄(こうがい)に巻きつけたり、櫛で押さえたり・・。
それはもう涙ぐましい努力?ですが髪型のこぼれ話はまたの機会に・・。
とりあえずは、櫛には魔よけのチカラもある、といわれています。
お手元の櫛、あだやおろそかに扱われませぬように・・。
(形見の櫛を変色させちゃったヒトが何を言うか!)
なんで「くしけずる」梳るって言うのでしょうね。
梳かすと髪が抜けるイメージなのでしょうか。
櫛も「妖怪」に変身すると昔の「百鬼夜行」図にもありますね。
日本の櫛は髪留めとして機能させているので櫛・笄とセットになっているんですよね。
以上、おやじの雑感でした。
「百鬼夜行」・・九十九神ですね。櫛っもともとアタマに使うものだし、なんか神秘的な力が宿りそうな道具ですよね。櫛のお話し、また本文で書きましょう。
つい、イザナミくんがはっしと投げた筍、
あれ、おいしかったんだよなぁ・・・
って、ちゃうちゃう。
TBありがとうございました。
はずかしながら、こちらからも送らせていただきます。