役者絵の羽裏は時々見かけます。
たいがいは、江戸時代の「錦絵」タイプとか、現代の役者さんの似顔絵とか…
リアルなものが多いのですが、これは「絵はマンガっぽく、セリフいり」…。
残念ながら、歌舞伎のセリフは少ししか知りませんので、これも全部はわかりません。
お芝居好きの方なら「あぁあの場面の、あのセリフ」と、すぐに思い当たられるでしょう。
これは私でもわかりました。吉良さんが浅野さんをイジメる場面「鮒じゃ鮒じゃ鮒侍じゃ」のあれ。
スキャンなのでちと、色が合いません。実際は薄~いモスグリーンの地です。
こちらは、遊蕩三昧で「ダメ家老演技中」の大石さんが、討ち入りの手紙を読んでいるのを、
遊女になったおかるさんが「ラブレター」と勘違いし、鏡に写して読もうとしたのをみつかって…の場面。
実際には、かなーり離れていて、しかも字は左右逆になるし…それで読めたらスパイになれる…。
おかる勘平のお話し中心…のような感じもしますが、討ち入り部分もあります。
後はもう場面はなんとなくわかるものの、やはりこういう字は読めません。
とりあえずご覧ください、全体像。
眼の辺りの描き方は、いかにも舞台化粧なんですが、なんだかどれもマンガっぽくて、かわいい?
なかなか凝った羽裏だと思います。ハギレだったのですが、一緒に入っていたはぎれの端っこの形…
これ、洋服の身頃の形です。きっとブラウスかなんか作ったんでしょうね。
それともスーツの裏にした?いずれにしても、完成品を見てみたかったです。
ハギレとしては、袖二枚分しか残っていません。バッグの中袋にして、あけると見える…なんてのがいいかもです。
作り帯なら、別布足してぎりぎり…ですかね。
いずれにしても、こういう芝居関係の文字は、大体が「謡」部分がおおいもので、
まんまのセリフは珍しいかと思います。
おまけ話ですが…「セリフ」を漢字で書くと「台詞」、なんで「だいし」がセリフ?…
これは元々は「せりふ」という言葉の語源が「競り言ふ(せりいう)」、お互いに掛け合いで言うことですね。
喧嘩のこととも言われています。、これが「せりふ」という言葉になり、それが使われるのが「舞台詞(ぶたいことば)」。
この舞台詞、の「台詞」だけ、とったものといわれています。
また「科白」という当て字もあります。あまりみないのですが、小説などでは出てきます。
これは中国語。中国も京劇など、演劇は盛んでしたから「科」はしぐさ、白はせりふ…の意味。
これが日本の舞台用語に当てはめられたというわけです。
もうひとつ「ト書き」という、台本で使われる文があります。
花子「○○でしょう」
太郎「そうかなあ」
トここで、花子は手にしていたカップをテーブルにさりげなく置く…
なぁんて感じで、「ト書き」というのは、役者の芝居の動作のポイントをあらわすもの。
これは江戸時代の歌舞伎の台本が元だそうです。
せりふの合間に書かれたこの動作を表すのに、必ず「ト○○する」のように、
ト、を入れてあるそうです。これは「ここからはセリフじゃないよ」ということをわかりやすくするため、だとか。
演劇の世界には、独特の「業界用語」がたくさんありますね。
たとえば最近では素人さんでも知っている「バミる」…これは舞台で役者が立つ位置とか、
道具を置く位置とか、大事な場所をよく見えるようにテープを張ったりすること。「これバミっといて」とか。
「ハケる」は、人間の場合は「退場」、道具はどけること、「わらう」は、片付けること。
「そこ、わらって」といわれて「がはは」とやったら、クビです。
さて、サッカーの予選は、男女ともに初戦勝利!いや、よぅやりました。
台本のない世界ですから、最後までひやひやしてました。
いよいよ明日は開会式、こちらは台本どおりつつがなく進行しますように。
科白になると中国語、だなんて。
いやはや、いつものことながらとんぼさんの博識ぶりにはびっくり。
ずっと芝居作りをやってた私ですが、まったく知りませんでした。
言葉って面白いですね~♪
即クビ間違い無しです。
子供の頃学芸会などでト書きあったような
記憶が・・・
開会式の演出も楽しみです。
こういう洒落っ気が日本から無くなっていくのだ寂しいです。
セリフのお話、さすがはとんぼさん!!
いつものことながら、勉強させていただきました。
「科白」のほうは、よく「犯人」に刑事が、
「よくそんな白々しい科白がでるなぁ」
なんて感じで、使われます。
漢字は奥が深いし、日本語って面白いですよね。
それぞれ職場には、いろんな業界用語ってのがありますね。
私も「即、クビ」のくちですわ。
開会式、なかなかでしたね。
イギリスの昔の農村風景、私すきなので見とれました。
ほんとに「どれだけ好きやねん」ですよね。
これを裏につけて、優越感にひたっていたのでしょうかねぇ。
セリフのお話は、昔国語の先生にそんな話を聞いたことがあったんですよ。
大人になって推理小説読んでで「科白」がでてきて、
どう違うの…なんてね。好奇心ばっかしです。