ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

嫁入りに持たせてもらったもの

2009-11-06 13:38:07 | 着物・古布
嫁入り支度…という言葉からは、主人公は「娘」でありながら、
せっせせっせと整えている、親の後姿を思い浮かべます。
山ほどの想いがあふれている姿です。

自分の嫁入りの時は嬉しさばかりで、親の心にまで思いはいたりませんでしたし、
どちらかというと私の場合、やっと口うるさい親から開放される…なんていう
親不孝な思いもありましたので、こまごまと「これはここへ入れてあるしな」とか
「こまかいもんは一緒に入れてどーのこーの…」とか、あれこれいわれると、
もうわずらわしくて「あーわかったわかった」と、生返事…。
ほんとに親不孝な娘ではありましたが、今になって「ありがたみ」、
十分感じておりまっせ、おかーちゃん。
で、本日引き出しの奥の箱から出てきたものが…未使用品?!
トップの写真です。
どれも複数枚持たせてもらい、うそつきと裾よけのセットはモスリンで
自分で作れといわれて3セット作って持ってきたのですが…。
残っていたのは、懐かしい「ネルの裾よけ」「夏用裾よけ」あわせて3枚。
「ぴんく」でっせぇ…。

そしてこちらは「筒袖用レース袖」こんなのも売っていたんですね。
今もあるのかなぁ。母自身は、なにやら安いレースなど買ってきたり、
古いレースのブラウスを壊して作ったりしていましたが、
私にはこの新品を持たせてくれました。もうこれ一組しかありません。


   


私には娘がいませんので、嫁に出す用意はありませんでしたが、
イトコが娘を嫁がせたとき、あれこれ考えていたのに
「なんたって『そんなんいらん・そんなん用ない』て、片っ端から断りよって」
と嘆いていました。京都の子ぉでさえ、着物離れや…と。

手元にある本「京の一生もん」、これにいいことが書いてありました。
ある呉服関係の男性の言ったことだそうですが、
「日本の女性は、きものをきちんと着られるようになってからが、
ほんとうに美しいときを迎えるんですよ」、だそうです。
年をとって着物を着るのに適した体系になってゆく…わけで。
みんなが着物だった時代は、色柄で若さを誇ったかもしれませんが、
洋装が多い今、体型的に「着物向き」になる中年以降は、
着物を着るだけで「美しい」形をとれる…のだと思います。
嫁に行くころは「着物なんかめんどくさい、着ないからいらない」でも、
子育てが一段落して、ふと着物に眼がいったとき、
今までそんなに着なかったとしても、なぜか心惹かれる…のは、
やっぱり日本人だから、だと思うんです。ずいぶんあいまいな言い方ですが。

出てきたものは「あら、よかった、使おう」なんですが、ネルの裾よけだけは
「温暖化」と?、更年期の暑がりから全く用がなくなってしまった私です。
もったいないのでなんとかしよう…と今こねくりまわしています。

「京の一生もん」の本はこちら。
着物や帯、かんざし、櫛、ゲタ、扇子などの着物関係のものから、
めがね、数珠、茶碗、箸、茶漉し、イス、机…小さなものから家具まで、
いいものを紹介している本です。

京の一生もん (みやこの御本) -「おしゃれ」から「台所」まで72品 (みやこの御本)
中井 忍
紫紅社

このアイテムの詳細を見る



昔、母にもらった「茶漉し」が、引越しでどこかに行ってしまったのですが、
中にでてくる「辻和金網」のものではなかったかと思っています。
壊れないし壊れたら直してくれる…道具って「使い捨て」できるようでは、
本当にいいものは残らない…と思うのです。
今度行ったら探そう…と思ってばかりで、忘れている私って…。





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6 コメント

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Unknown (りら)
2009-11-06 13:53:29
私、着物類は全部実家に置きっぱなしでした。
持たせても虫干しもしないだろうから・・・と。
大正解~!!
それにコンクリートのマンション住まいで暖房入れたら結露するような所に持っていかなくて良かったんですよねぇ。
狭くて和装箪笥を置く場所もありませんでしたし。
着る機会があるごとに実家に戻って着たり、一式持ってきて東京で着せ付けてもらったりしてました。
まぁ、実家が二時間ほどで帰れる場所だったからできたことではありますが。
返信する
Unknown (陽花)
2009-11-06 23:29:41
ネルのお腰にレースの筒袖、スモックの
刺繍のようなのもありましたね。
ネルのお腰は暖かいけれどまとい付く様で
あまり好きではありませんでしたが、親って
有難いですよね。私も持ってきましたわ。
返信する
偶然だわ (アナログ)
2009-11-07 10:12:55
一昨日から肌着にそのレースの筒袖付けていました。
ブログに訪問してびっくり、偶然です。

やはり母が嫁入りのときに持たせてくれたものです。
昔は「なんじゃらほい?」とばかりに箪笥にしまいっぱなしでしたが、今あらためて母の愛情を感じております。

ありますよ、ピンクのモスリンの裾よけ。
もちろんネルも。
昔は当たり前の素材だったんでしょうか?

母は昨年他界いたしました。
お針ちくちくしていると母を思い出して涙がでてきます。

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Unknown (とんぼ)
2009-11-07 17:23:04
りら様
私も訪問着なんかは置いていきました。
最初のアパートは、安普請でかえって
「通気性」よかったんだけど、
そのあとのコンクリート建物の結露は、
すごいものがありましたわ。
着物の保管ってやっぱり気を遣いますよね。
ウチは電話で「指図むされましたよ、
「そろそろ虫干しやでぇ」って…。
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Unknown (とんぼ)
2009-11-07 17:26:53
陽花様
そうそうスモック刺繍みたいなのもありましたね。
ネルのお越しのあのモコモコ感と、
まとわりつきは、ほんと閉口しました。
立ち座りにコケそうになったりして。
私もたしか一枚しか使ってないと思います。
あったかいんだけど…ねぇ。
またわれパンツまで持たしてくれた親、
ありがたいものですね。(使わなかったけど)
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Unknown (とんぼ)
2009-11-07 17:33:11
アナログ様
私も「こんなの使わない」なんて思っていたのに、
結局お世話になりました。
お母様、きっと針仕事なさっているアナログ様を
ご覧になって「やってるやってる」と、
喜んでいらっしゃいますよ。

最近「モスリン」がなくなりました。
やっと見つけたら、けっこう高いんですね。
昔は当り前に普段着はモスリン、でした。
長じゅばんとうそつきセット、
どっちも持ってきましたが、
ついつい「うそつき」ばっかり着て、
長じゅばんはほとんど着ないうちに、
虫食ってますー。
化繊など、今はいろいろ出ていますが、
着心地の点ではやはり「自然素材」ですね。
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