ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

遊びの羽裏

2010-07-23 23:40:22 | 着物・古布
さて、この柄、なんでしょう。
柄のアップ画像です。とりあえずバックの柄は「百壽」です。




     
          
          


「庄屋・狩人・狐」、そうです「藤八拳」です。狐さん、これではお面になってますが…。
いわゆる「三すくみ」もの、庄屋拳とか狐拳とも言われます。
この「藤八拳」柄は、もう一枚かなり前にご紹介したぺらぺらのがあります。
こちらです。


       


このご紹介の時に「藤八拳」については書いておりますので、
詳しくお知りになりたい方は、こちらにどうぞ。

じゃんけんというのは、世界中にあるそうですが、日本の中だけでも、
掛け声が違ったりしますね。我が家は家族も少ないし、
じゃんけんで何かを決めるなんてことも、もうありませんが、
籤運がまったくない私、昔から「じゃんけんにも弱い」と言われていました。
なぜか最初に負けるんですよね。確率からいって公平なもののはずなのに、
なんでやねぇん…です。

さて、ほかに描かれているものを見てみると…こちらは「柴」ですね。
風車がかわいいです。


     


柴は雑木の小枝などのこと、これを刈り取ったり落ちているものを拾い集めたりして、
束ねて垣根にしたり、また焚き付けに使ったりしたものです。
「おじいさんは山へ柴刈りに…」の柴ですね。
今ではシバを刈るというと「芝」でしょうけれど…。
この「柴を垣根にしたもの」を柄にすると「柴垣紋」、束のままのものを「柴束紋」
あるいは「束柴(たばねしば)紋」といいます。
装飾として梅の枝とか、この絵のようにもみじの枝などがそえられていることが多いです。
元々「柴刈り」は、日常の燃料や道具などのために刈るものではありますが、
これをすることによって、いわゆる「間伐」になったり、
また落ちた枝などの掃除になるため、結果的に里山を守る「営林」の作業にもなりました。
大きいものも小さいものも「木材」というものを使わなくなった暮らしになって、
今営林はたいへんな状況です。ただ伐採して木材にしてしまうことで、
山が壊れ、地滑りなどの事故がおきる…。
「山が海を育てる」ともいいますね。自然はみんなつながっているのですよね。
そんなことからも「柴束紋」は、実は繁栄とか豊穣とかに通じるものではないかと
私は思っているのですが…。

もうひとつは「挟み箱」となぜか「ナス」…。
いくら考えても、このつながりがわかりません。


    

 
まず「挟み箱」の方、これはお引越しや旅行用の衣装箱であり「コンテナ」です。
大名の使うものなどには、金で紋が入っていました。これは「先箱」といいます。
歌にありますね「♪金紋先箱 供揃い お籠の前にはひげ奴 」
はい、何の歌でしょう、題名は意外と間違えられやすいんです。
「鞠と殿様」ですね。この歌に出てくるのは「紀州の殿様」です。
金紋先箱というのは、格の高い大名行列では、この金の家紋の入った挟み箱が、
先頭を行ったからです。浮世絵の広重東海道五十三次の第一番「日本橋朝之景」でも
この「先箱」を担いだ二人が先頭にいます。もちろん「後箱」もいました。
本来は、行列のもっと前には武器を持った人とか
これからいく道を「そーじする人」なんてのもいたんです。

さて、なんで羽裏に金紋の挟み箱があるのか…
コロンとふたつある「なす」は何を意味しているんでしょ。
なすにも「はさみ焼き」って料理があるから?まっさかぁ~~。
で、結局結論はでておりません。何かの見立てか、言い習わしか…。
それがきになった私は、これを見ながらずーっと「てんてんてんまりてんてまり~」と
意味もなくフルコーラス歌ってしまいました。


さて、ほんっとに毎日暑いですね。昨夜は遅くに地面がぬれる程度の雨が降りましたが、
まさしく焼け石に水、で、ちっとも涼しくなりませんでした。
あの「団十郎朝顔」もこのごろは順調に咲いてくれていますが、
見ると、たまに色の濃さが違うのが…お弟子さんかいな?


       


咲いてはくれるものの、この暑さで花はすぐにしおれるし、何度水遣りしても、
こちらも「常陸花火」も日中の葉っぱはしなびっぱなし。
グリーンカーテンどころじゃありません。
こんな暑さ、いつまで続くんですかねぇ。
それでも夏ヤセとは縁のないアタシって…。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2010-07-24 09:33:00
小学生の頃学校から、近くの雑木林に
大きな袋を持って、落ち葉拾いや柴を
拾いに行きました。今では考えられない
でしょうが、あの頃は石炭ストーブで
焚きつけを学校行事で行き、遠足気分で
楽しかった思い出があります。

ご飯を炊いたりお風呂を沸かすのに
必要だったものが使われなくなって、
山も雑木林も壊れてしまう気がしますね。
返信する
夏の献立 (こいけ)
2010-07-24 10:42:29
すてきな羽裏ですねえ。嘆息!

「奴 茄子 柴」で検索したら
冷や奴にナスのしば漬けなんて結果に(笑)

江戸~戦前の方々の素養・教養ってすごいですね。
全然解読できない自分が情けないです。
最近流行りのなぞかけや川柳も全然ダメで
余裕とか遊びとか、あこがれです。
返信する
わたしも (ちっく)
2010-07-24 10:52:30
洒落など解らない
「朴念仁」で江戸の謎かけなど
なかなか読めないです…

それにしても、とんぼさんの博学ぶりには
目を見張りますね~
文化人類学の教授とかになったらいいのに
なーんて思っています。

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Unknown (とんぼ)
2010-07-24 16:43:08
陽花様

薪拾いはしませんでしたが、楽しそうですよね。
学校は中学まで「石炭ストーブ」でしたよ。
朝「焚き付け」は小学校は小使いさんが、
中学は当番でやっていたように思います。
「次のページ、○○君読んで」なんていいながら、
先生が石炭くべてましたっけ。懐かしい…。

まだ薪で沸かすお風呂で、町場でしたから、
自分ではとりにいきませんでしたが、
雨をよける場所に薪の束がおいてあったものです。
竹林や雑木林が放置されているとか、
そんなことを聞くと、もったいないなぁと思います。
なんか大きなしっぺ返しがきそうな木がしてます。



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Unknown (とんぼ)
2010-07-24 16:45:44
こいけ様

「冷や奴にナスのしば漬け」、けっこうこれかも?!
昔の羽裏や襦袢の柄で「見立て」や「判じ物」を
見つけると、ワクワクします。
ただ、きれいとか見栄えがいいとかだけでなく、
徹底的に楽しんでますよね。
見習いたいと思いつつ、探しても今はありません。
残念ですねぇ。
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Unknown (とんぼ)
2010-07-24 16:47:25
ちっく様

あ~とんでもない、私も四苦八苦しながら
首ひねって考えてます。
それがまた楽しいのですが、このナスはねぇ…。
思いつきませんでナス…。だはは。
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