♪焚き火だ焚き火だ 落ち葉たき・・焚き火なんて何年もしてませんねぇ。
この山茶花は、我が家の庭、というかお隣とのちょっと広い境目、
くらいしかない場所ですが、そこで毎年咲いてくれる花です。
およそ手入れも水遣りも、え~~~かげんなんですが、律儀に咲いてくれます。
「人、見るもよし、見ざるもよし、我は咲くなり」・・ほんとに。
思い出したようにたまに、ひとつふたつ花のついたものを切ってきて
花瓶に挿すのですが、家の中は暖かいせいか、長持ちしません。
花って正直ですね。
この山茶花の写真を撮って玄関にまわったら、右側のそでとズボンに
雑草の「種」が一杯くっついていました。
いかに手入れのしていない庭か、バレちゃいますが、
どうやら、庭からガレージにおりる狭いところにあったようです。
あいにくニット素材と、毛足のあるズボンだったため、
たった一列なのに、これでもかというほどついてました。
チクチクするし、家の中で落とすわけにいかないし、
寒いのに玄関でストリップをするハメになりました。
着替えて、草の実をひとつひとつぷちぷちと取りながら、
ふと子供の頃のこと、思い出しました。
あのころはまだ野原とか雑木林とか、ちょっとだけ残っていて、
日が暮れるのも忘れて遊びほうけ、家に帰って玄関先で母に叱られたものです。
帰りが遅かったこと、服いっぱいに草の実をつけて帰ったこと・・。
「よう取れへんねやで、ホンマにもぉ~」と言いながら、
母はぷちぷちと、今の私のように、草の実をとってくれましたっけ。
最近の都会の子供たちは、泥で汚れるとか、草の実がやまほどつくとか・・
そんな経験はなかなかできないでしょうね。
以前住んでいたところは土手の上、その下は一面「市街化調整区域」とやらで
わずかな雑木林と、たんぼ、畑、空き地が、ひろびろとひろがっていました。
田んぼの曲がり角には「数珠玉」があって、毎年「陣地」をひろげてゆく!
実は、その道は、体の弱かった息子の通院の道でもありました。
たんぼの向こう、なーんにもないところにどでかい病院があったのです。
2~3ヶ月に一度は入院、そのほかも毎週のように検査とリハビリに通った道。
季節も体調もよいときは「つくし」だ「せり」だと寄り道をし、
入院して面会に通うときは、何が咲いていたかも覚えていないというような。
こちらへ越してくる直前、あちらに最後の通院の日に、
数珠玉の角で記念写真を撮りました。毎年毎年、時には通院の途中、
ひなたぼっこしながら、時には面会に行ってもつらいばかりで、
誰も通らないたんぼの脇で泣きながら取り溜めた数珠玉は、
大きな缶一杯になり、今でもとってあります。
10年以上も住んでいたその地域には、りっぱなアスレチックのある
スポーツ施設や、こぎれいな公園もあったのに、
毎年お花見に行ったり、ブランコに乗せたりもしたのに、
なぜかときどき思い出すのは、ひょろひょろとした杉の雑木林や
ぶら~んとぶらさがったカラスウリ、田んぼに舞い降りてタニシをあさるコサギ、
そして車イスでニコニコと笑う息子を写した、あの数珠玉の角・・なのです。
いまでもあの数珠玉、元気かなぁ。今年は「お手玉」作ってみようかな。
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