秋の夜長、本でも読んで・・のはずが、どうも「食欲の秋」になってしまって、
あ・・毎年か・・・。
で、これはこの夏読んだ本です。どちらもジャンルは「児童文学」になるのですが
こういう本は、おとながひょこっと読んでも、けっこう楽しめるものだと
私は思っているのですが・・。もともとがファンタジー大好きでして、
おとなになっても、なんとか童話集なんてのに眼が行くほうでして・・・。
どちらも「伊藤遊」さんというかたの作品です。「えんの松原」は、
平安時代の京都御所の中でのお話し、「つくも神」は現代が舞台です。
長くなるのでので、あらすじは書きませんが、
おとなが、その経験や英知を以って「コレでいい」と思い込んでいること、
常識や慣習を以って「そういうことはしないほうがいい」ということを、
少年ゆえに、ただまっすぐに畏れずに突き進む、
それによって窮地を脱し、ことを佳いほうに進めてゆく・・、
その痛快さに思わずよっしゃよっしゃと拍手を送ってしまう。
読み終わって、ふと「あたしにだって、まだまっすぐなとこ残ってるよね」
などと、だいぶスレたおとなの心の中の僅かな部分の輝きを確かめたりして。
ベストセラーといわれる本も「なんとか賞」受賞の本もいいけれど、
ついついこういう本に手が伸びるのは、なくしたものへの憧憬でしょうか。
で、文学作品好きのかたにも、ちょっと寄り道して読んでみては?と
オススメしたいのがまだありまして・・。下の写真の本です。
「ルドルフとイッパイアッテナ」「ルドルフともだちひとりだち」の2冊。
かつてNHKで毒蝮三太夫さんの朗読で放送されましたので
ご存知のかたも多いと思いますが、ご存知ないかたのためにちびっと説明をば。
「ルドルフ」は真っ黒の子猫、岐阜の家でかわいい女の子に飼われていたのに、
イタズラから「長距離トラツク」に乗り込んでしまい、都会に運ばれてしまう、
という設定です。「イッパイアッテナ」というのは、ルドが都会で
初めて出会う「ワけありのノラネコ」。縞もようのおとなのネコで、
何も知らない「ルド」にいろいろ教えることになります。
妙な名前なんですが、これはルドに「名前はなんていうの」と聞かれた時、
彼はノラですから、町のあちこちにエサをくれる決まった場所があって
それぞれの場所で「トラちゃん」とか「シマ」とか、
いろいろ呼ばれているわけです。そこで、彼はルドに
「おれの名前はいっぱいあってなー」と答える、これを世間知らずのルドくんは
「名前なんだ」と思い込み、以来「ねぇイッパイアッテナー」と呼びかけるわけ。
「イッパイアッテナ」は学校にも出入りしていて、図書室などで本を見ているので
「字」が読める・・・結局、彼は地図を調べて、ルドが岐阜へ帰る方法を
考え出す・・というお話し。その間にほかのネコとのあれこれ、
近所の天敵ブルドッグとの闘いなどが盛り込まれます。
結局ルドは岐阜への旅の直前に「友情」のため、それを断念する・・のですが、
2冊目では、「イッパイアッテナ」の元の飼い主が戻ってきて、
カンゲキの対面を果たし飼い猫に戻ってしまう、ルドはそのまま自分も一緒に
飼い猫になってしまうことにためらいがあり、結局もう一度
岐阜行きを計画し、実行します。子猫ではなくなったルドは、
ちゃんと帰れるのですが、元の家にはいなくなったルドのかわりに、
新しい真っ黒な子猫の「ルド」がいるのです。
彼は、自分が元祖「ルド」だとは言わずに、また現れた飼い主にも
カオをあわさずに東京の仲間のところに戻るのです。
おとなになったルド君はかっこいいです。
ネコ好きのかたにも、そうでないかたにも、おすすめです。
ネコの本のご紹介をしましたので、ワンちゃんの方も・・これは「絵本」です。
題名は「りっぱな犬になる方法」
写真では見づらいので書き出します。これは本文12ページの文です。
あっ、あくまで「犬」の立場になってお読み下さい。
なんせ「りっぱな犬」になるためのレクチャー本ですから。
「おて」
手のていねいな いい方。
人は ふつう、犬の手のことを まえあしというが、
りっぱな犬には「おて」という。そういわれたら たいしたものだ。
「おて」といわれたら、むねをはって れいぎ正しく、
あいての手の上に 自分の手をおこう。
「きくばり」 よばれたら かおをむけよう・・なんてページもあります。
これは「きたやまようこ」さんという方の描いた絵本で、
もともと「シベリアンハスキー」の「じんぺい」という犬のシリーズのほかに
出版されたものです。「じんぺいくん」シリーズは、実に笑えます。
たとえば「おかあさん」、お化粧していろいろつけまくるおかあさんのことを
「カオを洗うと全然違う。オレはカオを洗ってもかわらない」とか・・。
絵本なんて幼児・児童の読むもの、と思いがちですが、
そんなことはないと思います。昔話にしても、もうあのころのような感動は
ありませんけれど、また違った意味での感動があったり発見があったり。
お子様に絵本や児童書を選んであげるときは、おかあさんも、
必ず読んでいただきたいと思います。初めて親になったとき、
子育てはだれしも初めてなものですが、
「子供」は誰でも一度「やって」いるので経験済みです。
子供の気持ちがわからない、そういうこともあるかもしれませんが、
時には「子供だったときがある」ことを思い出してみるのもいいかもしれません。
そんなわけで、我が家には私専用の「絵本棚」があります。
絵がきれいで買ったもの、ストーリーが好きなもの、
作家さんで選んだものなどさまざまですが、ときどき出して眺めるのは
今はやりの「癒し効果」もありまして、まだ絵本は増えそうです。
中でも大好きなのが『エルマーのぼうけん』シリーズ。
最近はこれのビデオも発売されましたが、私は絶対うちの子供たちには見せたくありません。
映像の世界はきれいで解りやすいけれど、それ以上でもそれ以下でもありませんもの。
でも活字の世界なら、自分もエルマーと一緒に、りゅうの背中に乗って旅ができますから。
最近のオススメは『ずーっとずっとだいすきだよ』『どんなにきみがすきだかあててごらん』『LOVE YOU FOREVER』とか。
これは昔からありますが『100万回生きたねこ』も泣けます。
『100万回生きたねこ』は、正直、子供の頃はこのお話の良さが解りませんでした。
大人になって初めて、胸にじーんときたお話・・・。
それから、上記の胸きゅん(私語?)の本たちとは違いますが、島田ゆかさんの『バムとケロ』シリーズと『かばんうりのガラゴ』シリーズは機会があったらぜひ見てみて下さいっ。
私は特に『うちに帰ったガラゴ』が好き好き。
めちゃくちゃ楽しいですよ、ページをめくる度、新たな発見あり。
特に「ガラゴ」って名前だけでも楽しそう!
さっそく探してみます。
「100万回生きたネコ」は私も最初に読んだ時
といってもオトナなってたんですけどね、
「なんかナマイキなネコ」なんて思って
ちょっと敬遠気味だったんですが、
今なら、あのよさがわかります。
穏やかなラストに涙しました。
なんか武者子さまと本の好み、同じです。
「ずーっとずっと・・」もそうですし。
親子で本を読んだり聞かせたりって、
子供のころしか持てない時間だから、
大切にしたいですね。
といいつつ、今の私は一人で楽しんじゃってますー。
スゥーと落ち着くのは何でかな。
師匠!これからも宜しく!
「100万回生きたネコ」私も読みました。
10年くらい前までお付き合い(不倫ではありませんよ 笑)していた女性のバイオリニストが居まして、彼女に薦められて読みました。この題名を聞くと、内容より彼女の演奏を思い出してしまいます(笑)
私はモンゴルの民話「スーホの白い馬」が好きなんですね。本物の馬頭琴の演奏が又、聴いてみたい。
ドジばかりなので、師匠というより「支障」の方が
あってる気がするんですが・・・。
好奇心ばっかり強いので、これからも
あれこれ首突っ込んで書いていきます。
こちらこそよろしくお願い致します。
「スーホの白い馬」、持っていたのに
なぜか見当たらない・・もしかしたら
友人のお子さんにプレゼントしちゃったかも。
やっぱり補充!あれはいいお話です!
今でも結婚祝いや誕生祝、出産祝い等のご祝儀の台にして絵本をプレゼントしています。
意外と「へぇっ」って喜ばれるのが「お見舞い」。
もちろん、相手との関係や病状にもよりますが。
お花はみなさん持っていかれるし、
食べ物は制限あったりするし、迷った時は「本」、
で、絵本とお花の写真集とか、風景の写真集とか。
けっこうな価格ですから、ちょっとしたお花と
同じくらいのお見舞いになりますし・・。
で、私のお得意は「岩村和朗」さんの
「14匹のねずみシリーズ」です。
お見舞い本としても利用しました。
パズルの本とか、旅の絵本なども私の定番です。
何よりもその人に合うものを本屋で選んでいる時間が好きです。