ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

小紋のお話5…です。

2013-03-31 17:42:30 | 着物・古布

 

写真は手持ちの更紗。全体を撮るとにごるので、ほんとはこんな柄…で撮りました。

あとでこれで、色のお遊びします。

 

 

この前までは礼装っぽいところまで…の小紋のお話、では今日は当然それ以外…

よそゆきからオウチ着物まで…ですが、とてものことに広すぎです。

この「よそゆき」と言うのが、範囲がねぇというのを、最初にお話しました。

これはもうご自身で決めていただくよりないわけです。洋服と同じですね。

なので、ここではナニがどこに着られる…というようなことではなく、コーデのお話にしましょう。

 

コーデといっても、何に何があう、と言う細かいお話はキリがありませんので、どんな風に選ぶか…ですね。

私は和服で迷うことは洋服に置き換えるとわかりやすい…とよく言います。

洋服は、例えばスーツだと「スーツ」と「中に着るもの」、カジュアルな服装なら「ブラウス」と「スカートやパンツ」、

これはいわば「相方」みたいなもので、相性ってものがありますね。

スーツの中は、男性ならワイシャツネクタイ、女性ならそのスーツに合うシャツ、ブラウス。

それがなかったらカッコつかないもの…です。それと同時に、持ち物やアクセも合わせます。

そういう意味では着物と帯も互いに「相方」です。

ギンガムチェックで白い綿レース飾りの、カントリーなギャザースカートに、

ギンギンラメラメのタンクトップは着ないでしょう。毛皮のストールもナシですね。

小紋は色柄によって、1枚でスーツにもギャザースカートにもなる…というものなわけです。

着ようとする小紋を、どこへ何のために着ていくかで、組み合わせを考えればいいわけです。

ちょっとフォーマルっぽい場合に金銀の入った帯はいいけれど、

友達とド○ールでコーヒーなら、ワンポイントの名古屋とか、小花の散ってる八寸とか…。

そんなふうに考えれば、相方の選び方も難しいことではないと思います。

 

私は、むしろ「小物選び」の方が大変だと思っています。帯揚げ帯締めがあわないばっかりに、

全体のイメージが壊れたり、印象がまったく別のものになったりします。

着物と帯が「相方」なら、小物はいわば「主役」をいい舞台に乗せるための「囃し方」でしょうか。 

帯揚げ帯締めには「格」があります。これも時代年代によって違いますが、

帯揚げは元々…というなら、本来礼装の染めの着物用は綸子が主流。

ちりめんは紬や街着、つまりオシャレだけど「お遊び着用」…だったのですが、今ではすっかり様変わり…です。

別におかしくないのでかまわないのですが、紬は元々華やかさよりも素朴さが印象の着物です。

せめて胸元の帯揚げくらいは、ちりめんのぽってりしたものを…と若いころは思っていましたけれど、

最近は色目が気になります。全部ジミにするのは、どうしても洋装のイメージです。

地色のジミな紬は、たとえ花柄でも、小物には明るい色やハデ目なものを…。

最近は、いわゆる鹿の子絞りのように細かい絞りで、柄になっているもの、というのは見かけなくなりました。

若い方なら、ちょっと覗くのもかわいいものなのですが。時代なのでしょうね。

とりあえず、場所が小さいだけに、目立たないと思いがちですが、とても目に付くところです。

帯に合うから、着物に合うから…ではなく「全体」で捉えてください。

なーんて、エラそーなことを言ってますが、私も毎回迷うのです~。

 

帯締めは、太さ幅の広さに気をつけます。アンティークには幅広のものもありますが、基本、広めは礼装。

色が鮮やかだとかなり自己主張しますので、舞台でいうなら囃し方が、演者の真横で笛吹いてるみたいな?

うっさいわっ!といいたくなるような状況になりますので、帯との色合わせにきをつけたいところです。

また丸ぐけは、羽二重の白、黒、が礼装用です。黒は今でもも服用として使われていますね。

ちなみに今風の柄の入った丸ぐけは、ほとんどが綿かレーヨンです。これは礼装には向きません。

丸ぐけは自分でも作れますから、ハギレなどで作ると好みの色の系統のものが持ってますね。

作り方は過去記事のこちらをどうぞ

 

あとは半衿、これはもうお好みですが、小紋の場合は白半衿か、色がはいっていても

パステルカラーくらいが一番安心です。元々小紋が柄のたくさんあるものですから、柄半衿はうるさくなります。

ワンポイント柄などは、小紋の柄と関連付けたり、季節のものを合わせたりするといいですね。

 

さて、最後になりましたが、実は小紋を着る場合(小紋にかぎりませんが)一番気にかけてほしいのが「八掛」です。

八掛はまっすぐ立っていたらほとんど見えません。しかし、袖口のほんの少し、裾のほんの少しが、

着物全体にかなり影響します。古くなった着物を仕立て直すときも、年にあわせて八掛を変えます。

八掛をかえることで、若向きの着物を歳相応のものに変えることが可能です。

ちょっとやってみますと…トップ写真の「更紗」は、私が嫁入りに持たされたもの。

更紗って色が多いせいか、デジカメで撮ると色がにごります。ちっと見栄えがよくありませんが、お許しを。

ではお絵かき開始です。最初はこんな八掛がついていました。

(この八掛のままの状態は、2011年10月17日に着姿ごと出ています。

ザザッと着て、カメラテストしたら、その試し撮り以外、ボケていたという???あまり気に入ってない写真ですが)

こういう場合は、若い間は全体の色(この着物だとなんとなく紺系)より「柄の一色」で、

年代を追って派手な色から使います。

 

        

 

最初母は、20代から30くらいまでは、赤い部分にあわせてこんな色にしようと思ったらしいです。

 

        

 

でも、着物自体が少しジミ目なので、ほかのピンクやオレンジの小紋を先に着なさい、

これは40すぎてもからし色でいけるからと、最初の色にしました。

結局数回着ましたが、からし色が目に付くようになったので、昨年変えました。現在の色です。

 

       

 

呉服屋さんは、こんな色でもいいよと言ったのですが…なんかボケるからイヤ…。

 

       

 

このあと10年くらい経ったら、今度はこんな感じ?

 

       

 

八掛で、着物の表情はずいぶん変わります。着物は着たらそのまま突っ立っているわけではありません。

歩いたりしゃがんだり、イスに座ったり、カップを持ち上げたり…そんなときに袖口や裾からこぼれる、

わずかな色が、着物のそのときの「性格」です。最後は「着物と帯」と「自分」の相性、なんですね。

 

紬などは、元々が地味なものですから、若いうちは八掛赤め、年とともにトーンを落とす…でいいのですが、

小紋は元々がいろんな色目ですから、その色柄で、年齢にあわせて替えるのは

まずはいろいろあててみて、じっくり考えていただきたいところです。 

 

さて、ちっとも天気がよくならん!さぶいっ!灯油も結局まだ必要で…。1850円は高いよぉぉぉ。

これからいろいろ値上げの春?まっ、ついでだから気分もアップでいきましょう!


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2013-03-31 18:04:46
とんぼ様のこの更紗のお着物は
八掛次第で年齢長く着られる
すてきな色柄ですね。
返信する
Unknown ()
2013-03-31 23:23:17
更紗柄 大好きです

八掛けの色は一応 気にはしているのですが
どうしても 最初から 地味色 無難色を選んでしまいます。
この先仕立て直して着るという事は無いだろう という気持ちがあるので
自分が作る様になってからは ずうっと・・・
もっと 楽しめば良かった
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-04-01 07:32:39
陽花様

写真ではにごっていて残念なんですが、
実際にはけっこう華やかです。
地色が紺なので、長く着られるなぁと、
母の眼力に脱帽しています。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-04-01 07:34:51
惠様

八掛を替えるのは、ひとつの楽しみでもありますね。
ジミでも、まったく別の色を付けてみるのも、
また別の発見がありますよ。
返信する
そう そう (波ウサギ)
2013-04-02 11:44:53
こちらにコメントは、はじめてです。
八掛は大事ですよね、私も八掛を替えたい着物が有ります。
八掛で着物がガラリと変わりますから、よくよく考えませんと。
楽しくて、悩ましい物です、着物。
返信する
Unknown (りら)
2013-04-02 12:03:43
遡りコメントで失礼いたします~!

ああ~、良いお色の更紗ですねぇ。
良い染めだからなんでしょうね。
お色も綺麗だしゴチャゴチャなりがちな更紗柄がクッキリ!
いつもとんぼさんとお母様は良い物を選んでらっしゃるよなぁ・・・と感嘆です。

八掛の色・・・
私、紺もきっぱりして素敵に思えました~。

小物の色使いって本当に目立つし大事なんですよねぇ。
「ま、いっか・・・」で出かけると、ずっと気になって気になって。
ムズカシイです!
返信する
ようこそ (とんぼ)
2013-04-02 18:46:25
波ウサギ様

コメントうれしいです。

八掛をつけ間違うと、すごく気になります。
あぁ、あっちの色にしておけばよかった…なんて。
でも、和裁できないので、そうそうかえるわけにもいかず、
チャンスくるまでじっとがまんのコ…です。

楽しい悩みですが、はずすとたいへんですよねぇ。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-04-02 18:48:36
りら様

40年前は「なにこれ」だったのですが、
いまはなんとかよさがわかってきました。
呉服屋さんが、このちりめん(シボ大)の更紗は、
もう染めていないそうです。
今は紺で締めて、80すぎたら抹茶でやさしく…
着る気でいまっせ!
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