写真は手持ちの更紗。全体を撮るとにごるので、ほんとはこんな柄…で撮りました。
あとでこれで、色のお遊びします。
この前までは礼装っぽいところまで…の小紋のお話、では今日は当然それ以外…
よそゆきからオウチ着物まで…ですが、とてものことに広すぎです。
この「よそゆき」と言うのが、範囲がねぇというのを、最初にお話しました。
これはもうご自身で決めていただくよりないわけです。洋服と同じですね。
なので、ここではナニがどこに着られる…というようなことではなく、コーデのお話にしましょう。
コーデといっても、何に何があう、と言う細かいお話はキリがありませんので、どんな風に選ぶか…ですね。
私は和服で迷うことは洋服に置き換えるとわかりやすい…とよく言います。
洋服は、例えばスーツだと「スーツ」と「中に着るもの」、カジュアルな服装なら「ブラウス」と「スカートやパンツ」、
これはいわば「相方」みたいなもので、相性ってものがありますね。
スーツの中は、男性ならワイシャツネクタイ、女性ならそのスーツに合うシャツ、ブラウス。
それがなかったらカッコつかないもの…です。それと同時に、持ち物やアクセも合わせます。
そういう意味では着物と帯も互いに「相方」です。
ギンガムチェックで白い綿レース飾りの、カントリーなギャザースカートに、
ギンギンラメラメのタンクトップは着ないでしょう。毛皮のストールもナシですね。
小紋は色柄によって、1枚でスーツにもギャザースカートにもなる…というものなわけです。
着ようとする小紋を、どこへ何のために着ていくかで、組み合わせを考えればいいわけです。
ちょっとフォーマルっぽい場合に金銀の入った帯はいいけれど、
友達とド○ールでコーヒーなら、ワンポイントの名古屋とか、小花の散ってる八寸とか…。
そんなふうに考えれば、相方の選び方も難しいことではないと思います。
私は、むしろ「小物選び」の方が大変だと思っています。帯揚げ帯締めがあわないばっかりに、
全体のイメージが壊れたり、印象がまったく別のものになったりします。
着物と帯が「相方」なら、小物はいわば「主役」をいい舞台に乗せるための「囃し方」でしょうか。
帯揚げ帯締めには「格」があります。これも時代年代によって違いますが、
帯揚げは元々…というなら、本来礼装の染めの着物用は綸子が主流。
ちりめんは紬や街着、つまりオシャレだけど「お遊び着用」…だったのですが、今ではすっかり様変わり…です。
別におかしくないのでかまわないのですが、紬は元々華やかさよりも素朴さが印象の着物です。
せめて胸元の帯揚げくらいは、ちりめんのぽってりしたものを…と若いころは思っていましたけれど、
最近は色目が気になります。全部ジミにするのは、どうしても洋装のイメージです。
地色のジミな紬は、たとえ花柄でも、小物には明るい色やハデ目なものを…。
最近は、いわゆる鹿の子絞りのように細かい絞りで、柄になっているもの、というのは見かけなくなりました。
若い方なら、ちょっと覗くのもかわいいものなのですが。時代なのでしょうね。
とりあえず、場所が小さいだけに、目立たないと思いがちですが、とても目に付くところです。
帯に合うから、着物に合うから…ではなく「全体」で捉えてください。
なーんて、エラそーなことを言ってますが、私も毎回迷うのです~。
帯締めは、太さ幅の広さに気をつけます。アンティークには幅広のものもありますが、基本、広めは礼装。
色が鮮やかだとかなり自己主張しますので、舞台でいうなら囃し方が、演者の真横で笛吹いてるみたいな?
うっさいわっ!といいたくなるような状況になりますので、帯との色合わせにきをつけたいところです。
また丸ぐけは、羽二重の白、黒、が礼装用です。黒は今でもも服用として使われていますね。
ちなみに今風の柄の入った丸ぐけは、ほとんどが綿かレーヨンです。これは礼装には向きません。
丸ぐけは自分でも作れますから、ハギレなどで作ると好みの色の系統のものが持ってますね。
作り方は過去記事のこちらをどうぞ。
あとは半衿、これはもうお好みですが、小紋の場合は白半衿か、色がはいっていても
パステルカラーくらいが一番安心です。元々小紋が柄のたくさんあるものですから、柄半衿はうるさくなります。
ワンポイント柄などは、小紋の柄と関連付けたり、季節のものを合わせたりするといいですね。
さて、最後になりましたが、実は小紋を着る場合(小紋にかぎりませんが)一番気にかけてほしいのが「八掛」です。
八掛はまっすぐ立っていたらほとんど見えません。しかし、袖口のほんの少し、裾のほんの少しが、
着物全体にかなり影響します。古くなった着物を仕立て直すときも、年にあわせて八掛を変えます。
八掛をかえることで、若向きの着物を歳相応のものに変えることが可能です。
ちょっとやってみますと…トップ写真の「更紗」は、私が嫁入りに持たされたもの。
更紗って色が多いせいか、デジカメで撮ると色がにごります。ちっと見栄えがよくありませんが、お許しを。
ではお絵かき開始です。最初はこんな八掛がついていました。
(この八掛のままの状態は、2011年10月17日に着姿ごと出ています。
ザザッと着て、カメラテストしたら、その試し撮り以外、ボケていたという???あまり気に入ってない写真ですが)
こういう場合は、若い間は全体の色(この着物だとなんとなく紺系)より「柄の一色」で、
年代を追って派手な色から使います。
最初母は、20代から30くらいまでは、赤い部分にあわせてこんな色にしようと思ったらしいです。
でも、着物自体が少しジミ目なので、ほかのピンクやオレンジの小紋を先に着なさい、
これは40すぎてもからし色でいけるからと、最初の色にしました。
結局数回着ましたが、からし色が目に付くようになったので、昨年変えました。現在の色です。
呉服屋さんは、こんな色でもいいよと言ったのですが…なんかボケるからイヤ…。
このあと10年くらい経ったら、今度はこんな感じ?
八掛で、着物の表情はずいぶん変わります。着物は着たらそのまま突っ立っているわけではありません。
歩いたりしゃがんだり、イスに座ったり、カップを持ち上げたり…そんなときに袖口や裾からこぼれる、
わずかな色が、着物のそのときの「性格」です。最後は「着物と帯」と「自分」の相性、なんですね。
紬などは、元々が地味なものですから、若いうちは八掛赤め、年とともにトーンを落とす…でいいのですが、
小紋は元々がいろんな色目ですから、その色柄で、年齢にあわせて替えるのは
まずはいろいろあててみて、じっくり考えていただきたいところです。
さて、ちっとも天気がよくならん!さぶいっ!灯油も結局まだ必要で…。1850円は高いよぉぉぉ。
これからいろいろ値上げの春?まっ、ついでだから気分もアップでいきましょう!
八掛次第で年齢長く着られる
すてきな色柄ですね。
八掛けの色は一応 気にはしているのですが
どうしても 最初から 地味色 無難色を選んでしまいます。
この先仕立て直して着るという事は無いだろう という気持ちがあるので
自分が作る様になってからは ずうっと・・・
もっと 楽しめば良かった
写真ではにごっていて残念なんですが、
実際にはけっこう華やかです。
地色が紺なので、長く着られるなぁと、
母の眼力に脱帽しています。
八掛を替えるのは、ひとつの楽しみでもありますね。
ジミでも、まったく別の色を付けてみるのも、
また別の発見がありますよ。
八掛は大事ですよね、私も八掛を替えたい着物が有ります。
八掛で着物がガラリと変わりますから、よくよく考えませんと。
楽しくて、悩ましい物です、着物。
ああ~、良いお色の更紗ですねぇ。
良い染めだからなんでしょうね。
お色も綺麗だしゴチャゴチャなりがちな更紗柄がクッキリ!
いつもとんぼさんとお母様は良い物を選んでらっしゃるよなぁ・・・と感嘆です。
八掛の色・・・
私、紺もきっぱりして素敵に思えました~。
小物の色使いって本当に目立つし大事なんですよねぇ。
「ま、いっか・・・」で出かけると、ずっと気になって気になって。
ムズカシイです!
コメントうれしいです。
八掛をつけ間違うと、すごく気になります。
あぁ、あっちの色にしておけばよかった…なんて。
でも、和裁できないので、そうそうかえるわけにもいかず、
チャンスくるまでじっとがまんのコ…です。
楽しい悩みですが、はずすとたいへんですよねぇ。
40年前は「なにこれ」だったのですが、
いまはなんとかよさがわかってきました。
呉服屋さんが、このちりめん(シボ大)の更紗は、
もう染めていないそうです。
今は紺で締めて、80すぎたら抹茶でやさしく…
着る気でいまっせ!