まずは、台風お見舞い、いろいろありがとうございました。
写真は、落ちた「ゴーやのネット」です。つっぱりポールの太いのを使っていたのですが、
さっき見たら「なんか向うがよく見えるなぁ…落ちとるやん!」でした。
もう根元も切って処分の予定でしたから、惜しくはありませんが、これでまだ青々茂っていたりしたら、
がっかりするところでした。いまのところ我が家にこれ以上の被害はありませんが、
まだまだ吹き戻しの雨風がすごいです。関東は電車とまるわ、小田原平塚で停電するわで、
さすがに本格台風です。ここもこのまま無事すぎてくれることを祈るばかりです。
さて、気をとりなおしまして…
先日お話しした「ジミ」は、いかにもの紬や絣をその代表としてお話しをしました。
それは、今の若い方が縞のお召しとか黒っぽい紬をお召しになるので…とまぁ、
それを前提にして書いたものです。
「ジミハデ」ということについては、こりゃもぉ奥の深ぁ~~いお話しですからして…。
今回、何度も書き直したのですが、どうにもうまく書き表せませんで…。
それでとりあえず、今、気になるなぁと思っていることからお話ししてみようと思います。
テレビのCMで「日本○装」のこの秋編…着物姿の女性がお茶していたり、スーパーで買い物したり、
カメラ構えていたり…とりあえずは「気取らずに、スーパーだってお茶だって着物で」…なんでしょうが。
まぁ着方については、先般の「好きに着る、自然に着る」ということでお話しておりますから、
ちょっと横におきまして…今回は「色目」のことです。
こちらにあのCMのメイキングビデオもあります。
なんとなくみんなが薄い色目淡い色目の着物ですね。
これはCMですから「こういう色目の着物と帯に」というような指示が、当然あったのでしょうね。
最後にたくさんの女性があちこち向いて歩くところで、主役の真矢さんが出てきます。
この方だけがパキッと濃い色ですから、それを目立たせるための演出であろうと思います。
ですから今の人が、みんなこういう好みなのかは私にはわからないので、
今日の記事は「的はずれ」なのかもしれません。
とりあえず、単純に着物の色目として見てみると、ああいう組み合わせはみんなぼやけて見えてしまう…
ということなんですが、それは帯も着物も同系色の薄い色だからですね。
ジミハデにも関わることなんですが、母はよく「メリハリがある」とか「ない」とか言いました。
これはコントラストってことなんですが、メリハリという言葉がピッタリ来るのでこちらを使います。
あのCMの薄い色の着物に薄色の帯、ああいう組み合わせも、優しい柔らかい感じがして
それはそれでいいと思いますが、見ていて「あれっておばーちゃんカラーだなぁ」と思うのに、
実際着ていらっしゃるのが20代30代くらいだったりするわけで…。
ただこれは、自分も経験があるんですが、なんか若いころって大人ぶりたいのか、
ついピンクとかオレンジの薄い色って敬遠しちゃうんですよね。だから経験上よけいに思うのですわ。
また実際には、そういう色は自分では長く着られない、ということもあります。
昔の着物ライフなら、娘に譲るとか、染め替えという手があるので、何の問題もないのですが、
今はそういうことすら敬遠されますから、やっぱり好きな色長く着られる色…なのかもしれません。
それでもなんだか全体にぼんやりしていて、若いのにもったいない。
だからこそいつも言ってる「小物でメリハリ」なんですが、小物までなんか色が濃くてもジミ目の色か
逆に同じ色調で、帯に溶け込んじゃうような色ばかりに見えました。
溶け込む感じっていうと例えば…オバサン・モデルですみませんが、
過去記事で使ったいろんな色…の実験画像です。
まず元の着物と帯
着物と帯、小物が同じ色調 着物と帯がはっきり違う色調
似合う似合わないはこの際無視してください。
同じ帯なのに、ずいぶん雰囲気は変わると思います。
どれがジミかハデかなんて、簡単にはいえませんが、少なくともメリハリがあると、キッパリしますね。
全体を同じ色調にしてメリハリを弱めると優しい印象になります。(アタシがじゃなくて?)
こちらは帯がテキトーお絵かきなので、「雰囲気」だけですが、おとなしくて目立たない色の着物でも
帯が濃い色だとこんな感じ。左は今の私の年齢前後、右は20代でもいけます。
あくまで「見た感じ」ということですが、
ジミハデというのは、何も渋い着物を着ているからジミ、ピンクの着物を着ているからハデ、
ということではないんですね。
淡い色調の着物に淡い色調の帯を合わせたい…それはそれでお好みですが、
優しい、の前に「ばばくさい」にならないように、着物がグレーなら帯は薄い色でももう少し色と柄のあるものとか
小物を濃い色にするなら、もう少しかわいい色目にしたほうが、
首から下だけ見たら全員中年…なんて雰囲気にはならないと思うのですけれど…。
ジミって洋服のジミをそのまま持ってきちゃうと、着物では難しいんですよね。
いつもいうように「デザイン」が同じだからです。
このこと、もう少し書きたいなと思います。
今日の記事、きっとお若い方は「そうじゃないのよ、感覚古いわよ」と思うのでしょうねぇ。
でも、あのCMのお嬢さんたちの着物と帯、そのまま私でもイケちゃう…んですけどねぇ。
なんだか表ですごい音がするわ、時々家が揺れる感じがするわです。
そうそう、さっき換気扇つけたら、風が逆風ではいってきましたよ!
なんか落ち着かないので、本日コレまで。
皆様のところも、どうか大きな被害がありませんように。
大きな被害が無くて何よりでしたね。
私はどちらかというと目立たない色に
しがちですが、こんな風に比較すると
着物と帯がはっきり違う色調がスッキリ
していいですね。
おかげさまで、数時間怖い思いをしましたが、
無事すぎていってくれました。
着物と帯は同調しないほうが、のっぺりしないんですよね。
私は薄い色がうまく着られないのですが、帯で色を締めてなんとか、
と毎度思っています。
「着物と帯がはっきり違う色調」になりますが、
帯の中に着物の色がある
襦袢の中に着物の色がある ので
合わせるのに楽と考えるのかも知れません。
綺麗に粋に外して着たいのですが
そこまでのセンスがないんです
みなさん、そのままお茶席へ~みたいな(^^)
何だかあのCM、実際の若い人の好みを外してるみたいです。着物販売業と一緒で、努力が裏目に出てますよ~。今の若い人は地味好みですが、薄い色はあんまり着ないですもんね~。
実際に若い人は、全体に洋服のように暗い色か、アンティーク好みはこっくりした濃い色を好んで着てる。洋服感覚だから帯とのメリハリは考えてない場合が多いですね。全体に黒!とか(^^;)
ところで気になったのは、着付け教室のCMだから、着くずしなんてもってのほかでしょうし、似たような体型の人がきっちり着付けてるから、妙に不自然極まりない。。。あっCMの悪口になっちゃいました(--;)
とんぼ様の着方、好きです~。
着慣れた感が良いです~♪
私もはつきり違うタイプが好きです。
それを楽しむってところがありますね。
挿し色も、いろいろ考えられますし。
悩みながら楽しめるのが、色あわせ柄あわせだと思います。
私も悪口になっちゃいますが、カート押してる二人が
すれ違いながら軽く会釈をする、大笑いしました。
あれでもやしだの大根だのポイポイカゴにいれるところは、想像つきません。
確かに着付け教室ですから、ビシッとしてなきゃでしょうが、ロボットみたい、と思いました。
洋装文化で生まれ育った人は、着物の色柄は、てごわいかもしれません。
楽しんで悩んでほしいのですけれど。
着物を着始めてまだ2,3年なので、子供の頃に亡くなった祖母から受け継ぎ損なった着物文化をこのブログで勉強させてもらってます。
着物と帯が同系の色、っていうのは無難すぎて面白くない、とかねがね思っていたのですが。この記事を読んで、お年寄りっぽいからなのか、と納得がいきました。色目、というより、組み合わせが地味、っていうことなのですね。
リサイクル着物店で、大手着付け教室に入学申し込みをしたばかりらしい30代前半ぐらいの女の人が、店員さんに知り合いから譲ってもらったという着物の携帯画像を見せながら、「着物と帯の色がばっらばっらなんです!」と必死に訴えているのを見かけたことがありますが、それもこの記事を読んで腑に落ちました。彼女は同系色じゃないとおかしい、とそう思っていたのですね。実際、数日前に百貨店の催事で、年配の販売員さんから、「帯と着物は同じ色目なのがおしゃれです」と断言されたので、着物業界がそういう「美意識」を売っているのかな、とも思います。
最近のしゃちほこばった衣替えのタイミングも含め、着物を着る人が少なくなった、という以上に、茶道等の芸道や花街などの、季節の先取りや季節にあわせた意匠を粋とする文化の美意識が、一般のところまで降りてきている、というか、ある種(着付け教室などから)押し付けられているので、さらに普段着物、というのが、実際に着物を着始めた人から遠くなっていくのかもしれません。
初めてお邪魔して、長々とすみませんでした。。
このお話の続きをまた楽しみにしてます(もちろん、他の記事も)。
無料着付け教室には、必ずセミナー(着物講座+展示販売会)がついてくるので、ニューヨーク在住ですが、日本の帯メーカーさんがもってこられる帯と着物の反物が見られます。蘊蓄つきなので、ありがたみが増しますし、勉強にもなり、実際、確かにとても立派で上等なものばかりで、宝物のような高級品ばかりです。
この地味系コーディネートは、日本○装も推してますが、ニューヨークまでセミナー(講座+展示販売会)にお越しになる京都の名だたる老舗帯屋さんも、着物本の著者・スタイリストの方も、今はこういうのが流行ですと断言されていて、日本からはるばる持ってこられる部屋いっぱいの帯も着物も、ほぼ全てニュートラルな色のものです。
本でいうと、「森田空美(あけみ)の知的きもの入門」にはじまる、森田空美さんのシリーズに顕著にみられるかと。
どこからでもスタートできて循環しますが、
1)ファッションリーダーみたいな着付けの先生やスタイリストとか教室(販売リーダー?)とかが地味系がいいという
2)帯屋、着物屋は売れ線がそうだから地味系ばかり作る
3)消費者は、情報として地味系がお洒落と思うし、呉服屋さんに買いに行ってもそういうのを見るしコーディネートしやすいし、長く着られるから買う(人もいる)
でも、実際は、上記の本のアマゾンのカスタマーレビューに見られるように、いろんな着物の好みがあって、受け取る側としては賛否両論。
むしろ、どっちかっていうと否定的な意見が多くて、あ、実はスーツみたいな地味着物って、私が想像している程、市民権を得ていないのかもと思いました(笑)アンティーク着物が好きな人も、普段着物が好きな人もいますし。格、TPO を考えたら高級地味着物も着るし、古着のウールを着るという人もいるでしょう。
コメントを書いているうちに頭が整理されて、そうか~と勝手に納得したんですが、上質地味着物トレンドって、作り手さんとスタイリストや着付け教室が流行らせているものだからでしょうか、着物だけがぽつんときれいにみえます。マネキンの素敵なディスプレイみたいな。イマイチワクワクしないのは、そこに着る人個々の人間味というか、個性が出てこないからなのかなと。
でも、とんぼさんが例に出されているように、同じ地味な着物や帯でも、コーディネートでいかようにもなるから、着る側にもっと知恵や自分らしく着ようっていうセンスやパワーがあればいいんですよね。今回も、とても勉強になりました。
地味着物についての私の質問、リクエストにこたえてくださって、ありがとうございました
はじめまして。コメントありがとうございます。
着物についてのことを「親」が子供に教えられなくなってから、
いろんなことがおかしくなりました。
ソレに輪をかけて、着物は売れない時代になってますから
売れるような方程式を作ってしまうほうが、楽なのでしょうね。
洋服ほどの激しい流行のないものですし、着物の好みは
ほんとに千差万別ですから、
自分の好みや着方を確立していれば、何がはやっていようと、
気にすることはないのですけれどね。
なかなか難しいことです。
ン~~私は展示会というものを、あまりお勧めしていないので、
ちょっとイジワルな言い方になるかもしれませんが、
呉服屋さんの思惑、というのがあります。裏事情もあります。
>上質地味着物トレンドって、作り手さんと
スタイリストや着付け教室が流行らせているもの
だと思いますよ。
元々着物の色柄の流行は「傾向」程度で、実際には主役はお客なんですよ。
お客がしっかりと「こういうのは着たくない」といえば、違うものがでてきてこそ呉服屋なんです。
展示会用などたくさん作ったら、それをできるだけ売らなきゃなりませんからね。
流行、オシャレ、イマドキは…という言葉で、同じ傾向のものをならべなければ、
商売にならないのですよ。
本当は呉服屋は個人の店か、高島屋などの老舗が安全なんです。
高級品の価格のつけ方は、素人には判断つきません。
私は少なくともそういう知識を持つことができましたので、
誂えなどは、自分の信用できるところでしか買いません。
礼装用ではなく、普段着物だったら、洋服は自分で選んで買うように、
好きなものを好きなように着ればいいのです。
その時のポイントとして、ジミハデのお話を書いています。
話が多くて、まだ続きそうなんですが…。