年配のかたには懐かしい銘仙です。
なんたって「ポップ、カラフル、サイケデリック?」
とにかく銘仙というと、とてもハデで明るい・・というイメージです。
中には「本当にこれを着て歩いたんだろうか・・
誰にも何も言われなかったのだろうか」と、誰とも知れぬ、かの人の
人生の心配までしたくなるような色柄もあります。
ここに3枚並べたのは、その「ポップ・カラフル」の方で、
なんというのでしょうか、色がカラフルであると同時に、
なぜか「・・のように見える」という柄が多いのも、銘仙の特徴です。
たとえば一番左のは、よく見るとお正月の繭玉飾りとか枝垂れ梅とかに
見えなくもない・・。次のからし色地のは、ヨーロッパの街角にある
クラシックモダンの「街灯」に見えなくもない・・といった具合です。
次の写真は、銘仙では珍しい落ち着いた感じのものです。
左側の「バラ」は銘仙ではあまりみない「具象柄」。
はっきり「バラ」とわかりますね。真ん中は、もーピカソの世界ぃ~~!
右は、柄はポップですが、色目がおとなしくて淡い夏銘仙です。
で、次の2枚は「ハデ銘仙」を使って作ったポーチを元の布と並べてみました。
上は「繭玉もどき?柄」、下は「街灯」の方です。
こんな風に小さくしてしまうと、また感じが変わりますね。
もう、擦り切れ部分やヨゴレが多くて、着物としては着られなかったので、
こんなふうに使いました。
中も写してみました。朱色の紬用の八掛で中袋を作っています。
写真ばっかり並べてしまいました。
銘仙について、お話し致しましょうね。
銘仙は、明治以降に関東の伊勢崎、足利、秩父などを中心に織られた絹織物です。
もともとは養蚕農家の人たちの自家用でしたが、安価で丈夫であること、
また明治以降「化学染料」の輸入で華やかなで鮮明な染めが
できるようになったことで、爆発的に人気がでました。
戦時中などは絹の質が悪くなり、畳んだところから切れる・・などと、
「安物」の代名詞のように言われたりもしました。
戦後、ウールの着物の台頭で、だんだんとすたれてしまった・・というのが、
おおまかな歴史です。最近では、そのキレイな色やレトロモダンな感覚がいい・・
と、少しずつ「復刻版」がでてきています。
この柄はちょっと・・と思うようなものでも、肩に掛けてみると
「あら?意外に・・」というのも銘仙の魅力です。
ただし、銘仙を着るなら、やはり帯や羽織なども、
それなりにクラシックにコーディネートをキメてもらいたいものですね。
銘仙の長羽織なんてアナタ、すんごくシャレてまっせー。
質問です
座布団のサイズに銘仙判と云うのがありますが、それとは関係あるんでしょうか。銘仙判より大きいのを八端判と言ったと思いますが。柄のお話なのに、すみません。でも一番上の右の柄なんか、座布団に良くありそうな柄ですね。
実は、明日の分でお話ししようと思っていたんです。
そのまま続けようとしたら、
写真が多くて長くなってしまったので・・。
(ほんとは眠さに負けたんです)
だいたい夜中に書いてるもんですから、
午前0時すぎるとおもいますが
「おざぶとん」のお話し・・を致します。
待っててくださいね