昨年ドタバタしていて、お福ちゃんには古い留袖を着せたまんまでした。
お正月になっても、あれこれしているうちにすっかり忘れてました。
今日二階に上がって、古着の一番上にのっていたこの着物を思い出し、
お福ちゃんに遅ればせながらの「お正月」。
以前アップしましたが、こうやって着せたのは初めてです。
着物としての形が見えると、やっぱりいいですねぇ。
これは相当古いです。
縮緬の着物の古いものは、それはそれは色鮮やかで、
どんな娘さんの身を飾ったものかと、心躍ります。
一方で、武家や身分の高い人たちは、かなり時代が進むまでジミめでした。
これは素材は麻、柄も、今で言うならおばあさんが着るような、
色の少ない、地味な柄行ですが五つ紋つきの大振袖、当然おひきずりです。
共八掛です。柄のアップ。
袖の裏や胴裏は紅絹、まっかっかです。
麻はいまや夏の素材ですが、この頃はあわせでも麻が使われていました。
ふき綿も入った、重みのある着物です。
成人式の振袖、最近はとみに華やかです。
私は古典柄だけがいい、古典柄こそが着物の柄だ、と言う気はありません。
時代とともに変わってゆくものはたくさんあります。
今の時代、洋風の花が舞い散る振袖も、それはそれでいいと思います。
ただ、古いもののよさ、というものを全く知らずにいるのは、
髪型と同じで、本当にもったいないと思うのです。
古きよき物を見て、眼を肥やし、更にいいものを見つける、
着物にはそういう楽しみ方があるのだということを、
今、振袖を売る人たちが、すっかり忘れているような気がします。
それも「大手」といわれるところほどです。
先日、ちょうど成人式の日のお昼過ぎに、着物特集という番組をやってまして、
その中で、日本最大とか何とか言う呉服屋の社長が出演していました。
工房だというところは大きなビルで、デザイナーは若い女性、
デサインは手描きではなく、とーぜんパソコン、フォトショップを駆使して、
長い振袖に大きな花模様を「描く」のではなく、「はめ込む」…。
会議で出てくるのは、ヨーロッパのモード雑誌で、
横文字のデザイナーのワンピースのこのピンクがかわいいとか、
このグラデーションがステキだとか…。
それを着物に取り入れると言うわけです。
もちろん、彼女たちも職業柄、十二単の襲の色目も、
江戸の昔の四十八茶に百ねずみも、知った上での推敲であろうと思います。
ただ、着る側はどうかと言うと、そういうことも何も知らない、
着物のこともよくわからない、そういう人たちが、
きれいだ、かわいいと、それだけで着物を選ぶわけです。
もっと情報をたくさん与えてあげないと、もったいないですよ。
そうしていかないと、益々、日本が1200年かけて育ててきたすばらしいものが、
いびつな形でしか伝わらなくなってしまう気がします。
毎度ぐちぐちと言っておりますが、着物をちゃんと伝えられなかった年代の
おしまいのほうの人間として、ちったぁ努力していきたいと思ってはおります。
来年成人式のかた、こんなじみーな振袖、かえって目立ちまっせ。
お正月になっても、あれこれしているうちにすっかり忘れてました。
今日二階に上がって、古着の一番上にのっていたこの着物を思い出し、
お福ちゃんに遅ればせながらの「お正月」。
以前アップしましたが、こうやって着せたのは初めてです。
着物としての形が見えると、やっぱりいいですねぇ。
これは相当古いです。
縮緬の着物の古いものは、それはそれは色鮮やかで、
どんな娘さんの身を飾ったものかと、心躍ります。
一方で、武家や身分の高い人たちは、かなり時代が進むまでジミめでした。
これは素材は麻、柄も、今で言うならおばあさんが着るような、
色の少ない、地味な柄行ですが五つ紋つきの大振袖、当然おひきずりです。
共八掛です。柄のアップ。
袖の裏や胴裏は紅絹、まっかっかです。
麻はいまや夏の素材ですが、この頃はあわせでも麻が使われていました。
ふき綿も入った、重みのある着物です。
成人式の振袖、最近はとみに華やかです。
私は古典柄だけがいい、古典柄こそが着物の柄だ、と言う気はありません。
時代とともに変わってゆくものはたくさんあります。
今の時代、洋風の花が舞い散る振袖も、それはそれでいいと思います。
ただ、古いもののよさ、というものを全く知らずにいるのは、
髪型と同じで、本当にもったいないと思うのです。
古きよき物を見て、眼を肥やし、更にいいものを見つける、
着物にはそういう楽しみ方があるのだということを、
今、振袖を売る人たちが、すっかり忘れているような気がします。
それも「大手」といわれるところほどです。
先日、ちょうど成人式の日のお昼過ぎに、着物特集という番組をやってまして、
その中で、日本最大とか何とか言う呉服屋の社長が出演していました。
工房だというところは大きなビルで、デザイナーは若い女性、
デサインは手描きではなく、とーぜんパソコン、フォトショップを駆使して、
長い振袖に大きな花模様を「描く」のではなく、「はめ込む」…。
会議で出てくるのは、ヨーロッパのモード雑誌で、
横文字のデザイナーのワンピースのこのピンクがかわいいとか、
このグラデーションがステキだとか…。
それを着物に取り入れると言うわけです。
もちろん、彼女たちも職業柄、十二単の襲の色目も、
江戸の昔の四十八茶に百ねずみも、知った上での推敲であろうと思います。
ただ、着る側はどうかと言うと、そういうことも何も知らない、
着物のこともよくわからない、そういう人たちが、
きれいだ、かわいいと、それだけで着物を選ぶわけです。
もっと情報をたくさん与えてあげないと、もったいないですよ。
そうしていかないと、益々、日本が1200年かけて育ててきたすばらしいものが、
いびつな形でしか伝わらなくなってしまう気がします。
毎度ぐちぐちと言っておりますが、着物をちゃんと伝えられなかった年代の
おしまいのほうの人間として、ちったぁ努力していきたいと思ってはおります。
来年成人式のかた、こんなじみーな振袖、かえって目立ちまっせ。
本当に貴重品ですね。
この柄は、織りでしょうか、それとも
刺繍がほどこされているのでしょうか。
ジミ目だけどとってもいい柄ですね。
絹とは違って少しは理のあるような麻でこの色。
凛としたものを感じます。
見ていて、以前に創った歌を思い出しました。
火の星の夕焼け空は青と聞く
マリンブルーかコバルトブルーか
お説に同感です。
今の人たちは、花にたとえるなら花は知っていて
いろいろ言うけれど、根っこや茎は知らないと言うことです。
魚料理、ソースをかけられた切り身を美味しいと言うけれど、その魚の全体像は知らない。
釣り立ての魚のおいしさは知らないで、洋風好みになってしまっている。
こんなことを思っている私です。
これは染といいますか、全て手描きです。
細い筆で一つずつ描いてまして、
ひとまわりぐるりと回っても、同じ柄がありません。
ちょっとだけ刺繍があります。ぜーたくですね。
こういう振袖だったら、袖を切ってからも、
ずいぶん長く着られますね。
六十路独り言様
ほんとにいい青です。これはマリンブルーかな?
白い紋が凛としてきれいです。
本当に、おっしゃるとおりですね。
洋装文化にどっぷり浸かってますし、
そのなかでも既成のものしか見えないみたいで、
個性的でなきゃ、と言う割には、
みんな似たような感じですものね。
気の毒だと思います。
ふき綿の入った、麻や木綿の友禅の留袖は風格がありますね。
時代のある、麻、木綿の留袖は高価で、びっくりします。
むしろ麻、木綿の方が贅沢なのでしょうね。
私は、布の端切れの商い人ですが着物も、どうしても
時代のあるものの方に目がいってしまいます。
別に、時代があるから良いと決めつけてはいないのですが、この魅力にはまります。好きですね。
もう少しお勉強して、感覚だけでなく、ちゃんとしたことも少しでも知るように・・・と思っています。
そんな環境にせっかく居るのにね。
すみませんが、これは留袖ではなく「振袖」です。
骨董をあつかっていらっしゃるもも様には
釈迦に説法ですが、時代を経てきたものには、
積み重ねというものがありますね。
渋いもの華やかなもの、贅沢であったもの、
庶民のものだったもの、それなりの積み重ねが
言葉を持っているのだと思います。
いいものですよね。