いたずらお絵かきは、太夫の結う「お福」という太夫髷(らしく描いたつもり)で、
後ろはつと(たぼ)が、ごく小さく、立ち髷(唐輪系で、立て兵庫のように髷が立っています)
真ん中の赤と青の部分は「鹿の子絞りのてがら」です。
江戸では「花魁」、京都は「太夫」、
江戸の花魁の髪飾りは「粋で華やか」、京都の太夫の髪飾りは「かわいく華やか」。
先日、突然「アクセス数」がいつもよりハネあがりまして、あれれと思ったら、
検索ワードが全部「花魁」系。閲覧が多かったのは9月2日の記事「花魁ばやり?」です。
数日のことだと思い、ミクシのおしゃべりでもちょっと書いたのですが、
これがいっこうに減らず、ようやく昨日から下降線になりました。
検索ワードが毎日「花魁・花嫁」「花魁・結婚式」「花魁・成人式」…オイオイ…。
今年はもう11月もおわりだし、来年の春の結婚式か、はたまたその手前の成人式か…。
どっちにしても、やめてよねぇ…です。
ためしに私も「花魁・花嫁」など、いろいろ検索してみました。
ホッとしたのは、ほとんどが「やめなさい」の意見だったのですが、
実際「結婚式で着たいのだけど」という話もあります。
「結婚」じゃなくて「身請け」になっちまうでしょーが…。
発言小町の中のお話で、友人が結婚式にびっくり企画で親にも知らせず、
お色直しに花魁のキンキラ衣装で登場したのだそうです。キセルまで持って…。
当然会場全員がドン引きで、親族の一人は憤慨して帰ったとか。
親が怒って問いただしたところ、新郎の方も「悪いとはおもわなかった」と言うし、
結局、新婦の両親が、新郎の両親に謝罪に行ったそうですが、
当の新婦本人は、「みんな大袈裟に騒ぎ過ぎだ。何がいけなかったのか分からない」と。
私はそれを手伝った結婚式場の意図が分からない…。
もう一人、こんな質問がありました。要点だけまとめました。
「来年の成人式には黒い日本髪に真っ赤な口紅をしたい。
しかし芸者はいやなので「さくらん」の土屋アンナのような花魁のゴージャスな髪型をしてみたい。
花魁は今で言う風俗なので、そんなにおめでたい髪型ではないのではないかという気がする。
このアイディアはどうだろうか? 」
思考回路がつかめません。
「黒い日本髪」…ふつー日本髪は黒じゃ。
「芸者はイヤで花魁がいい」…単なるゴージャス思考?
「花魁は風俗嬢だから」…わかっててやるんだ。
「おめでたい髪型じゃないみたい」…花魁にめでたいもへったくれもないわっ、めでたいときは「文金高島田」ときまっとる!
「メデタイのはあなたのおつむりではないか」と思わずモニターにつぶやいてしまった…。
回答者はほぼ「やめなはれ」意見で、
どうしてもやりたくてもイマドキ日本髪の結えるところを探すのはたへん、という意見。
しかし…あるのですよ「成人式」「結婚式」の「花魁着付けいたします」…が。
そんなもん企画するなよぉぉ、と思いました。
しかもそういう「行事」ナシでも着付けして写真撮ってお散歩つきあります、です。
結婚式は「○○様ご夫妻」と紹介の写真まで…。
どうみても、どっかの若ダンナが親に泣きついて、花魁身請けしたって感じでしたが。
なんというのか、着たいほうにしてみると、花魁でも何でも「ファッション」で、
きれい、目立ちたい、人と違うことがしたい…なのでしょうか。
受け付けるほうは、お金になれば、なんでもいいのでしょうか。
昔、漫談で「人間というのは、その気になりやすいもので、
例えば(高倉)健サンのやくざ映画を見たあと、映画館から出てくるお客は、
みんな肩揺らして眼光鋭く出てくる」…と笑わせた話がありました。
「さくらんの土屋アンナ」を見ると、みんなああいう風になれると思っているのでしょうかねぇ。
仮になれたところで「コールガール」ですがな。
とにかく「成人式に花魁着付けいたします」のサイトがいろいろあるのを見て、
来年の成人式は「花魁道中メインか」と、今からため息です。
「高尾太夫」「揚巻花魁」、あの世から出てきて「なんとヤボのきわみでありんすなぁ」と、
つややかにあでやかに、見おろして笑ってやってくださいましな。
いまは揚げ嬢とかで、キャバクラの女の子みたいなメイクと髪型で振り袖着るのも流行りのようで。
大正ロマンも、当時のそういった職業の女性を真似たものなんだと呉服屋さんのご主人に聞いたことがあります。
だから振り袖とかで真似るのはどうかと思う、と。
フランスなんかでも娼婦のファッションを真似るのが流行ったり、芸者さんのお太鼓を皆が真似したりしてたんだし、カジュアルな場面でほんのちょっと取り入れるならアリかと思うんです。
でも花魁も、身受けが決まってからは「素人」の格好しかしなかったんではないかと思います。。。
多分彼女たちにとっては、「素人」の格好だけすることが悲願だったんじゃないかな、
少なくなっているみたいですね。
内掛けを着ても普通のアップの髪型
だそうで、何だか寂しい限りです。
でも、花魁の姿でされるよりは遥かに
いいですけど。
そういう姿に憧れるなら、せめて写真に
残すだけにとどめてほしいですね。
たしかに、江戸時代でも、当時のファッションリーダーは
「芸者、役者、花魁」です。
彼らの着る着物の色柄や、帯の締め方、
化粧水、紅などは、もてはやされましたが
姿を「丸写し」することではありませんでした。
今の時代「キャバ嬢」にあこがれるというのも、
単純にお金がたくさん入るとか、きれいなカッコができるとか、
そんな気がします。
自分のプライドも相手のプライドも、
どつかへいっているような…。
そういうあたりをきちんとわきまえれば、
まねする線引きは、おのずと分かってくると思いますね。
簡素化もいいけれど、一生に一度ですからねぇ。
私なんかは子供のころから、あれに憧れたものです。
今はまず「ファッション」として…がさきなんですかねぇ。
ほんとにさびしい風潮です。