
昨日の「おままごと」のフタに貼ってあった「お勝手道具」のシール。
「お勝手道具」という言葉からして古めかしいですよね。
「お勝手」って考えてみるとおもしろい言葉ですよね。「勝手にする」なんて、あの勝手です。
元々は弓道からきた言葉だそうで、弓を持つ左手は動かせない、矢を操作する右手は自由に動く、
この動かせない左手を「押し手」、自由な右手を「勝手」というのだそうです。
今「勝手」という言葉は「自由」というより「自分本位」とか「好きなように」とか、
そんな風に使われますが、元々は単に「拘束されない」の意味ですね。
ではなんで勝手口というのか。
これは時代背景があって、今は単に裏口くらいの意味ですが、身分差別のあった時代、
女性は身分によっても職業によっても、屋敷の中で入れないところ、通れないところがありましたが、
家の中で調理や配膳をする場所と、そこに出入りする口だけは、自由でした。
そこで「自由に出入りできるから勝手口」になったわけです。
我が家の勝手口は私以外はほとんど使いませんが、たとえば誰かにそこへ行ってほしいとき、
単純に「裏口回ってくれる?」と言ってます。書くときにはわかりやすく「勝手口」と書くのですが…。
モダンなシステムキッチンが当たり前になって、今は話していても「うちのキッチンのさぁ」なんて言います。
私はまだなんだか「キッチン」というのが気恥ずかしくて、話の中ではどうしても「お勝手の電気がね…」
なんて言ってます。皆さんはいかが?
さて、この「シール」、じっと見ているといろいろ面白いことがわかります。
もう一度出しますね。
たぶん、西洋モノがいろいろはいってきて、おもちゃの世界も混沌としていたのでしょう。
まずは…お母さんらしき人はおすわりして果物だか野菜だかの皮を剥いています。
座っているところは板の間の絵ではありませんから、カーペット?
そこに座卓がある、のに右の女の子はスリッパ履いてます。
右の女の子が持っているのは「緑茶のセット」のようですね。
真ん中の子が支度しているのは紅茶のセットのようです。
スプーンの置き方の向きやが反対だったり、カップの持ち手があっちこっちなのはご愛嬌。
お母さんは割烹着、右の女の子はエプロン、古いサザエさん漫画の中では、ワカメちゃんがこれでした。
そして真ん中の女の子、勇ましくたすき掛け、そして下は…めくってますねぇハデに。
これは、着物で暮らしていた時代に、女の人が水を使う仕事(調理や洗濯、ぞうきんがけ)をするときに
裾が濡れないように、また動きやすいようにしていた方法。
着物の裾を持って、せーのでくるりとひっくり返し、裾のはじっこを帯の上に押し込む…。
今はこれがトイレに入る方法…ですね。
今の暮らしに慣れた身には、紅茶のセットとお釜はどうもミス・マッチ…ですが、
当時としては、うしろの道具類などは「どこの家庭もこんなもん」の当たり前だったのですね。
昨日「おもちゃは世相を映す鏡」と書きましたが、子供が大人のマネをして遊ぶ「ごっこ遊び」、
だからこそ、子供の目にいつも写っている様子をそのまま描いたものと言えるわけです。
それを思えば、この真ん中の子の、着物をくるりと端折る姿も、
母親が井戸端で洗濯したり、掃除したりするときの「当たり前のカッコ」だったのでしょう。
住むところも調度品も、すっかり洋風になり、便利でモダンな道具や食器を使い、
お母さんは洋装にエプロン、あねさんかぶりなんてする人はおらず、みんなきれいで若々しい…。
私は洋装に割烹着、ははは和洋折衷です。
モダンでもチャーミングでもないし、私が立っているだけで、せっかくの最新三口ガスレンジも、
ミス・マッチ?やっぱり「お勝手」という言葉がぴったりの女の城です。
今時の家には 玄関…出入り口が一つの建物が 主流みたいですね…
お召し…ステキですね…ヤフオクかぁ… 三味線とかも 出物有りますか?
今度 のぞいてみようかしら
なんとなく胸の奥をくすぐられるというか、私のツボですねえ(笑)。
こうしたものを見ているだけで時代背景がよみとけるのですね~
なるほどと感心いたしました。
茶の間も板の間も土間も三和土も通じませんね。
寂しい限りです。
ヤフオクで三味線は、結構出ています。
ただ、いいか悪いかというのは、
写真と説明だけですし、もうひとつ「出品者」の質も
とわれるところですからねぇ。
練習用に安いのを、なら、けっこう行けると思いますが。
なんといいますか、きゅーんときますね。
絵はいろいろ読み解くのが面白いのですよ。
柄もそうですね。
いろいろ想像するのも楽しいです。