ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

安くて得?損?

2009-12-19 20:57:21 | 着物・古布
寒いけれど、空気は澄んで、富士山はよく見える…けど「これ」です。
京都三年坂では、電線電柱を消したそうです。(地下埋設でしょうね)
わが町では、そぉんなことはいつのことやら…で、
いつもこんな感じで、電線縞模様つきの富士山です。
これで二階からですから、屋根の上に上ったらなんとかなる?かな?


こんの忙しいのにっ!とイライラしたことがひとつ…。
割烹着の袖口のゴムです。

洋服タイプの割烹着暖かいんですよね。
それで去年、真冬用にと少し厚手のものを買ってきたわけです。
今年使い始めてすぐに、あぁ袖口のゴム替えなきゃ…になりまして…。
家事のとぎれたところでチョコチョコッとやってしまおうとしました。
ゴム替え口からちょいと引っ張り出すと、やっぱり細くてオソマツなゴムです。
既製品はねぇ…何ぞと思いながら、引っ張り出そうとしたのですが、
途中までは出て、そこからいくら引っ張っても動かないのです。
あれっと思ってよくよく探ってみたら…
なんと、袖の縫代にゴムも一緒に縫い付けてあるのですよ。
いくら引っ張ったって、でてくるわけありません。
このゴムを出すには、袖下の縫い代のロックミシンまで解かなきゃならないのです。
そのままにして、別のゴムいれちゃえば…と思うでしょ。
ところが、その縫い代にゴムが重なって、しっかり縫い付けてあるもんだから、
えらく狭くなってて、細いゴム通しを使っても次のゴムが入らないのですよ。
結局、ほんの1センチもなかった替え口から4センチばかり解いて、
まずは縫い代からゴムをはずし、また替え口を残して縫い直し、
やっとゴムを替えました。もう片方も当然同じです。


    


ちょこっとすませるつもりが、ミシン目を解いたり、ロック部分を解いたりで
30分もかかってしまいました。なんのための「替え口」なのよって話しです。

グチったら友人が「安かったんでしょ、それ」と…。
確かにねぇ、たーいへんお安かったですよ。つまり「安かろう、悪かろう」です。
昔、母がよく「安もんは、結局安かろう悪かろう、や。
安物買いの銭失いて言うやんか。モノはよう見てかいなはれ」といいました。
でもねぇ、こんなとこまで見えませんよ。
ましてちゃんと替え口ついてたら、普通に替えられると思いませんか?

もうひとつの失敗ですが、以前息子のズボンを買ったら、
ウエストが幅広ゴムをそのまま縫い付けたタイプでした。
これって婦人モノのパンツなどでも時々見かけます。
ゴムが伸びたらウエストぐるりと全部解いてゴムをはずさなきゃなりません。
うっかり買ってしまって、泣く泣く解いてベルトをはずし、
ゴム入れを新たに縫って入れなおしました。
元は1000円でも手間賃考えたら高いものについちゃうっての。

お若い方…手に取った商品が、安いし、かわいいし、でもなんとなくチャチ、
なんで?と、タグを見たらあぁ「メイド・イン・チャイナ」
「メイド・イン・コーリア」「メイド・イン・ヴェトナム」…だからか
なんてことありませんか?
実は、私の子供のころは「メイド・イン・ジャパン」が、その立場でした。
日本の製品は、決して上質良質ではありませんでした。
それしか作れなかったのです。どんどん経済発展をして、
技術も機械化も進み、やがて「日本製はいい」と
いわれるようになったものが、たくさんあります。

最近の安いものはそれしかできないから、の「安物」ではなく
「安く売るために作られたもの」ではないかと思っています。
つまり、いろんな技術が発達したことと、外国で作ることと、
大量生産することで、普通のものと同じ程度のものが作れるようになったから。

イマドキの人は、といったらまた御幣がありますが、少なくとも昔のように、
繕ったり、付け足したりまでして、モノは使いません。
つまり「ゴムがだめになった、じゃもう着られないわ」とか、
「穴があいたからもういいか」とか…。

また、安いものを作るところは数売れなきゃ困りますから、
そうやってどんどん消費してくれたほうがいいわけです。
これって実は、資源を無駄にしている気がしてなりません。
もちろん、綿や麻や絹は生き物ですから、材料を作り出していくことはできます。
でも、木綿布になったもの、麻布になったもの、絹の布になったもの、は、
一度捨ててしまったら、ゴミにしかならないのです。

作る側が「少しでも長く使ってもらうために」と考えてつくらなければ、
使い捨て用品を売ってるのと同じです。
最近は通販カタログなどに「ゴムは替えられます」なんて記載があります。
替えられないものは絶対買わない…そうすれば作っても売れなくなるんですけどね。

あらら、ほんとは、このことから着物のことも書きたかったのですが、
今日は時間がなくなりました。
えーと、ほかにもかきたいことがあったのですが、
今日はこの「ゴム替えイライラ」だけでも、時間をムダにした気がしますわぁ。
またあらためて…。


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8 コメント

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Unknown (陽花)
2009-12-19 21:42:49
あァ~っ、それって一番腹が立ちますよね。
私も割烹着のゴムが伸びきっているから
替えようと見たら、ご丁寧に替え口何処にも
作らずぐるっと縫っていました。
こういう所本当に不親切ですね。
それにしても、袖口ゴムの伸びた割烹着だけは
役に立ちませんねぇ。腕まくり出来なくて
イライラしちゃいます。
返信する
価値観が変ったのは...。 (akkomam)
2009-12-19 22:03:10
  とんぼさんのお怒りごもっともです。
 昔は八百屋さんや魚屋さんの御用聞きが毎日、
 勝手口にきていたものです。お米やさんもです。

 嫁ぐとき母は<安菜はくず菜>って教えてくれました。
 経済ばかり考えて安いものばかりに目がいっていると
 少々高くても経済的にはすぐれているものが見えない
 ときがあるので、注意してね、と母らしい言い回し
 だったのかもしれません。

 今はどうして?って思うほど安いものが出回っていますが、
 むかし人のせいか、どうして...を追求したくなり、
 なるほどそれで...を知ってしまいます。

 もう、使い捨ての時代は終わりにしたいですね。
 よいものはそれなりに...をこちらも覚悟しますので、
 良心のある作業をしてほしいとつくづく思います。

 
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Unknown (花蛙)
2009-12-19 23:57:43
同じです。
私はゴムの取り替えは勿論、シャツの襟がすり切れたら裏に付け替えたりして何年も使います。

それなのに昨年初めて安さで評判のお店で買った主人のトレーナー。ワンシーズンで毛玉だらけ!!毛玉取る機械で取っても良いがそれまでして使う物ではないと思い、今日掃除に使うよう切り刻みました。

安物買いの銭失い。
商品も人間も使い捨ては止めたいです。
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Unknown (とんぼ)
2009-12-20 00:05:22
陽花様
最近のものはゴム部分に替え口のないものが
けっこうありますよね。
「替えられること」がウリみたいに、
「ゴムが替えられます」なんて、
わざわざ書いてあったりして、驚きます。

割烹着は、何枚かもらったのと買ったのとが
ありますが、元々入ってるのはすぐ伸びて…。
あれはほんとに役に立ちませんよね。
割烹着で腕まくりしながら
「なんでやねん」って。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-12-20 00:09:19
akkomam様
若い夫婦で子供が小さくて…なんていう所帯だと、
安いものを探すのも無理のないことと思います。
それでも、質より量ではなくて、質より価格、
というのは、結果的に損だと思いますよね。
食品はさまざまな偽装問題で、割と「国産」とか
いっとき価格高くても安全なものをって
いってたようでしたが、着るものはいいか…
なんですかねぇ。

返信する
Unknown (とんぼ)
2009-12-20 00:12:26
花蛙様
私もなにかというと「まだ着られる」と、
とっておいてアレコレ直してみたり、
つけたしてみたりしています。

使い捨ての時代は終わった…みたいなこと
言ったりしていますが、それは紙コップとか
なんかそういう「あからさまに」わかるもの
そればっかりみたいな気がします。
なんかおかしな世の中ですよね。
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Unknown (zizi)
2009-12-20 09:55:59
女学校の制服のジャンパースカート。擦り切れたら母がスカート部分を裏返してくれました。これって着物からの知恵かしら。

主人のズボン。太ったらウエストの後ろ部分を開いて伸ばします。5センチは稼げます。若い奥さん達は頼むと高いし、買ってしまうそうですね。昨今は その縫い代部分も少なくなりましたTT こまったものです。
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Unknown (とんぼ)
2009-12-20 21:39:31
zizi様
そうでしたよね、
母親はいつもお針箱をひょいと出して、
なにかしら繕ってくれたりしてました。

私もオットのズボンの幅だしや裾上げは
当たり前のようにやっていましたが、
「えーっ自分でやるの?すつごーい」と
若いお母さんに言われて、
こっちが「えーっやんないの?」でした。
縫いながらロックできるなんてミシンが
できてからこっち、縫いなおせなくて、
腹立ててます。便利になったのは業者だけですわ。
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