ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

頂いてから驚いた帯

2012-04-25 16:32:15 | 着物・古布

 

少し前ですが、知り合いの方からいろいろ頂いた…という記事を揚げました。

その中に「帯」がいくつかあったのですが、この帯、柄だけ見て「あっ単帯だ、すっきりしてていいなぁ」と。

ほかにも頂きものがいろいろあって整理していたものですから、ひょいとしまいこんだままにしていました。

しばらくたって出しましたら…あららっこれ「組紐の帯だ!」と気づきました。

箱の中に一緒に入っていたんです、これが。

 

     

 

帯の中の柄と一緒、そして帯の幅がかわる斜めのところを見ると「あっほんとに組紐だ…」。

組みがわかるように、ちっと明るい目にしてあります。実際の色は、トップのように濃いです。

 

        

 

組紐の帯って、最近紹介されているのを見ます。袋帯などは、ちょっと見ただけでは織りみたいです。

組みひもって少し大きく広げて考えてみると「編む」要素ももっているんですよね。

編み物の基本は、編み針で一本の糸をあっちへやったりこっちへやったり…。

組ひもは糸が一本ではありませんが、糸の巻いてあるコマを規則どおり右へ左へ…と動かすことで、

模様が組みあがっていくわけです。糸を交互に動かして柄を出すのは「織り」の要素でもあります。

とても繊細で、すごい「手わざ」だと思います。

 

元々は唐から伝来した「仏教具」、つまり数珠の紐とか、経文の巻物などを縛りとめるものとか…。

当然、一部の高貴な人たちだけのものだったわけですが、その後「武具、馬具の道具」として

広く使われるようになった…といわれています。

甲冑の様々なパーツをつなぎ合わせたり、縛って固定したりするなど。

江戸に入り平和な時代になっても、甲冑を持ち、手入れすることは武士のたしなみでしたし、

刀の下げ緒や、太刀の飾りなどにはかかせないものでした。

また、茶道具や衣服(羽織の紐など)にも、多用途に使われていました。

それが明治に入って「武士」が廃止となり、廃刀令も出て、武具としての用途が激減しました。

しかし、同時に帯の締め方などもかわって「帯締め」がいるようになり、

組ひもは、服飾の方に活路を見出したわけです。

つまり和服というジャンルの中では「帯締め」は新顔なわけですね。

それでも、いまやダイジなアクセント、帯締め一本で、着姿全体の雰囲気までかわりますからねぇ。

よく、着物一枚帯三本…といいます。それで行くなら帯一本帯締め…5本ほしーなぁ!

 

組ひもで帯にするには、横に広く並べた糸を動かしていくのだと思いますが、

これもまた、たいへんな作業ですよね。

おそろいの帯締めを使ってみたら…と置いてみました。いいもんですねぇ。シャープです。

 

       

 

この帯、たたまれていまして、折り跡がかなり強く付いているところがあります。

どうしたらとれるかなぁと考えています。

単ですから、紬などにさらりと締めたいところですが、柄は少なくてもちょーっとだけ派手かなぁ。

これで地色が黒の帯がほしい、いやグリーンもいいかも…なんて「妄想」バクレツ中です。

さてこの帯、いかがいたしましょうぞ…。


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2 コメント

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Unknown (陽花)
2012-04-25 19:29:08
数年前に高台で組紐の帯を組まれているのを
見学させて頂いた事があります。
帯締めを組むだけで青息吐息の私には、玉数の
多さと幅を出す為に力を入れられない打ち込み
方、なんと言っても長さも相当なもの、これを
機械じゃなく手で組み上げるとは・・・と
驚いたものです。

貴重な物が手に入ってよかったですね。
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Unknown (とんぼ)
2012-04-26 17:50:27
陽花様

いつも陽花様の組紐を拝見しているだけでも、
一目一目たいへんな作業だと思っています。
これを帯に…というのは、もう想像付きません。
ちょっと赤い色ですが、柄もスツキリしているし、
やっぱり締めたいなと思っています。
返信する

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