いやもう、連日のとんでもない暑さ・・。
絽ではありませんが、ちーっとでも涼しく見える色柄を・・。
これは絵羽織でした。シミもところどころありますし解いて洗いました。
後ろ身頃を並べた写真です。切り絵風で構図は大胆、シャープな印象の柄です。
袷でしたが、橋に松に梅、菊も桜も・・と、盛りだくさん、こちらは袖部分です。
けっこう目立つ羽織、夏物ではないのですけれど清涼感のある色柄でしょ。
少しは涼やかに感じていただけたでしょうか・・。
今日は県内に「大雨警報」がでたので、空を見たら遠くに黒雲が・・・。
どーっとくるかと思ったのに、またよけられてしまいました。
雷もゴロゴロ鳴っていたのに・・・。
昔人間の母の言葉を借りれば「よその夕立」、これは暑いばっかり。
こういう言葉ってありますね。「狐の嫁入り」なんていうのは、
今の人でもわかりますかしら。母がよく使ったのは「親方雨」、
これは、夜の間だけ降って夜明けにはやんでしまう雨のこと。
昼間雨だと仕事にならない職業の人、たとえば外での塗装業とか、
天日を頼りのモノ作りとか・・。そういう仕事は雨なら休めるわけですが、
朝起きたらやんでいた・・だと仕事しなきゃならない・・、
そこで「サボるなーッ!仕事しろーっ!」という親方の味方をする雨、で親方雨。
このところこの「親方雨」傾向にあります。
まぁ、夜のうちに降ってくれれば洗濯をする主婦としてはありがたいです。
というわけで・・なんていうのはこじつけですが、
こんな本を見つけまして・・・。
昭和10年4月の「主婦の友5月号付録」です。
当時はまだ「洗濯機」はとんでもないゼータク品、一般家庭ではたらいに洗濯板、
衣料の洗濯も、クリーニングへ出すより自分の家で洗おう・・の時代です。
次の写真は、その「ぜーたく洗濯機」・・これが?・・およよ。
上の真ん中が「電気洗濯機」、その左は「実際使用しているところ」
下は一番左が「電気」ただし「参考作品」だそうです。
真ん中と右は「手回し洗濯機」、これでもたらいよりはずっとラクそうです。
で、上の一番右、ご紹介がラストになりましたが「改良洗濯桶」・・・。
斜めに寄りかかっているのは、当然「洗濯板」、
確かに丸くて浅い「たらい」を下において洗うよりは、立って使えるし、
洗濯板にあわせた四角形、しかも深い・・確かに「改良型」ですね。
これは「白洋舎の五十嵐健治氏の考案」と書いてあります。12円だそうです。
いやなんとも・・・。
もう一枚、さてこれは何でしょう。
私はてっきり、あの下水が詰まったとき「パッコンパッコン」するものだと・・
ところが説明書きをよく読んでみましたら、まずこれは全部「外国製」、
名前は「洗濯棒」・・・。説明によれば、たらいにつけた洗濯物を
これでつくと、もみ洗いの半分の労力でヨゴレがキレイに落ちる・、とあります。
「近く和製で同様のものが発売されます。約五十銭」だそうで・・。
この本は、下着やワイシャツ、洋服、和服といったものはもちろんのこと、
角帯、兵児帯、洋傘、帽子、麦藁帽子、手袋、蚊帳・・と、
もうありとあらゆるものの洗い方、シミなどの落とし方を網羅しています。
今から見れば不便でたいへんなたらいや洗濯板で、
昔の人はこまめにヨゴレやシミを落とし、補修したの繰り回したり・・。
モノを大事に使ったのだなぁと思います。
毎日洗濯機にポンポン洗いモノを放り込んでは、
まったく洗っても洗ってもキリがない・・だの天気が悪くて乾かないだの、
ほんとにゼータクなこと言ってる・・と、ちと反省しました。
私が3歳くらいのとき母は井戸端でたらい、だったのをかすかに覚えています。
今、お天気のいい日に伸子の針をうちながら、昔の人の「こまめ」な仕事の手間、
ほんのほんの爪のかけらほどですが、味わっています。
ここまで記事になっていると○○冥利に尽きます。まだまだありますよ!たくさん。
伸子針ももってますよ~。
でも私は手抜き専門主婦です。
古い本は、暮らしがよく見えます。
手持ちは和裁系の本が多いのですが、
縫い方だけでなく、着方や、小物のあしらいなども
知ることができて楽しいです。
破れないように、そぉ~っとそお~っと見ています。
あっ、私も家事全般手抜き専門です!
狐の嫁入りは時々見ますが、夜の内
に降って朝やんでいるのを親方雨と
いうのですか、知りませんでした。
そういわれればなるほどですね。
昔の言い方っておもしろいものがありますね。
天気予報とかなかったから、
毎日の暮らしの中で、空を見上げ風を感じて
いろいろ言い習わしたんでしょうね。
この前はいわゆる「馬の背をわける」という
雨にあいました。私が郵便局から出て
スーパーに飛び込むまでだけ降ってくれて!
駐車場に着いたらやんでて、うちに帰ったら
ふったあとがない・・。ぬれたのにー!
初めて聞きました。
この辺で「通り雨」ていう雨のこと
でしょうかしらね。
通り雨のような夕立のような、
ごくせまい地域で、ザーッとふる雨のことで、
馬の背中を境に、右は降っていて左は降ってない、
というような・・。雨の分かれ目があるという
狭い地域の雨ってことですね。
これはどこかのブログで読んだのですが、
京都の北大路のほうは、そういうことが多いそうで
信号で止まっていると、自分の方は降ってないのに
とまっている対向車はワイパー使ってる・・
なんていうことがあるそうです。
「その場」にいてみたいものです。
本当です!
家の庭には降ってたのに、お隣には降らなかったことがありました。
(50坪くらいの敷地なのに・・・
お隣とは垣根で仕切ってあるだけなのに・・)
本当にあの時はキツネにつままれたような気がしたものです。
貴重な体験!ですねぇ。
私は乗鞍で、下から吹き上がってくる霧、
つまり遠くから見ると「雲」の中に
立ったことがありますが、青空きらきらと
晴れてたのにあっという間に雲がおそってきて
何も見えなくなり、すぐにまた晴れたと思ったら、
山すその町がスッポリ雲海の中に沈んでいました。
ここは青空なのに、あの下はきっと土砂降り・・
と思ったらなんかとてもフシギでした。
自然って大きいですよね。「馬の背」って、
そのはしっこのきれっぱしに引っかかるって
ことなんでしょうね。