もう「暑い」お話しは、いってもしゃーない・・ですから、
じーっと耐えておりますー。
本日は羽裏、これ、業者様からいただいたもの、ほんとにうれしい!
以前の「ライオン」の羽裏も迫力ありましたが、これもなかなか。
狩をして「食事」が終わって悠々と水を飲んでいる・・というところでしょうか。
不敵な面構え・・というのでしょうか「どーもー」と声をかけても
「フンッ!」と、そっぽむかれそうですね。
右足を下に折りたたんでます。ネコがよくやるスタイル。
どてーっと寝転がってひょいと顔だけ曲げて、ピチャピチャ・・。
野生の動物にとって「水を飲む」という行為は、実は「危険」な時でもあります。
弱い動物ほどその危険度は高まるわけで、
水飲みのときは見張りを立てる種もたくさんいますね。
それほど気をつけていても、逆に水の中からワニなんか出てきて
ひきずりこまれちゃったり・・。水飲むのも命がけなわけです。
ところで、トラはライオンと違って群れません。
子連れ以外は単独行動、今、数が減ってきているそうですが、
生態もなかなか解明しにくいそうで・・。
トラの住んでいるところは、ライオンと違ってジャングルの中、
水場も、アフリカの草原のように乾期になったら消えてしまうかも・・
などという水場ではなく、森の中を流れる川とか湧き出る泉とか。
おまけにトラは熊でも、同種のトラでも、時には襲うそうです。
そうなるとこんな風に、のんびり寝そべって水を飲むなんていう姿も
本当に見られるのかもしれません。
ではその「無敵の素顔アップ」です。
瞳が青いのは、絵師のテクニック、ほんとに青い場合は、
体も白いアルビノ、いわゆる「ホワイトタイガー」です。
今回、トラの種類を調べたくて検索したら、8種もいる・・とありました。
ベンガルとシベリアしか知りませんでした。
それともうひとつ、トラの縞模様は個体で全部違い、
更に左右対称ではないんですって、そういわれてみれば・・って
間近でじっくり、見比べたことなんかありませんが・・。
シマウマなどとは違うんですね。昔、額の黒い縞が「王」と言う字に読める、
というトラを主人公にしたマンガだったか物語だったのかがありましたっけ。
さて、トラ君のお話しはこのへんで、もう一枚別のを・・。
重なった「雪輪」の中に家、パッと見たときは、日本の農村風景・・と
単純に思ったのですが、よく見ると家の形が洋風・・
しかも雪輪の外には横文字の「タバコ」、思いっきり「和洋折衷」です。
家の部分のアップ、家だけ見るとかなり洋風なんですが、
煙突細くない??屋根は洋風だと瓦の感じになりますが、
なんとなく「藁葺きっぽい」板葺き?・・。
後ろの樹木の描き方もなんとなくどっちつかずですねぇ。
こちらが、右側のタバコの絵です。
こういうタバコが本当にあったのかどうかはわかりませんが、
「シガレット」と書いてあるので・・。これって、ヘタなモノマネ芸人が
「美空ひばり~」とかって宣言しながらやってるのと似てますね。
いわれなきゃわからない・・あっ、この絵を描いた人を
侮辱するつもりはありません。ごめんなさい。
むしろ、新しいものを取り入れたり、実際見たこともないものを創作したり、
あるいは似たようなものからなんとか形に起こしたり・・
そういう思いとか力とかに対しては、敬意を表したいと思います。
着物にとって、明治維新から先、また戦争というものは、
本当に受難の時期だったと思います。
新しいものを取り入れて、それをうまく融合させ独自のものとする、
それは日本人の得意とするところで、奈良・平安の昔から、
そうやって日本独自の文化をつくりだしてきました。
ただ、それには必要な時間がちゃんと流れていったわけですが、
着物にとっては、明治以降の変化の早さはあまりにも早すぎたと思います。
結局うまく融合する間もなく、洋装にとってかわられてしまったわけで・・。
そういうプロセスの、たぶんど真ん中あたりで、
この羽裏は生まれたのだと思います。
結局、羽裏は洋服の裏地のように「表地に似た無地」には、なりませんでした。
確かに最近の裏地は淡い色合い、よくある柄・・で、
面白みにはかけますが、それでも表が濃い色でも明るい色、
洋風のリバティ柄やドットではなく「古典柄」や「吉祥柄」。
それを残したことだけでも、着物文化のプライドなのではないか・・
なんて、こむずかしいことを考えてしまったとんぼです。
さぁて、本日は届いた羽織がまだあるので、
お片づけお片づけっと・・・。
思わずニマニマしちゃいました。
最近、記事の終わり方に、苦労してませんか。
たぶん、暑さのせいと踏んでいるのですが。 うふ♪
襲ってきそうなほどの迫力が
ありますね。
細かい毛並みなんかを書かれている
のを見ているだけで、うわあっ~
大変な作業と気が遠くなりそうです。
いえいえ、苦労なさるのは「読んでくださる方」
ではないかと思い、イシキして短くしております。
とんぼは書くとダラダラと長くなりますので、
この暑さの時期、あっさりさっぱりのほうが
いいのではないかと思いまして・・・。
考えすぎ??実は今回羽裏もまだあったのですが、
やめておいたのです。
ご心配いただきましてありがとうございます。
陽花様
こういう絵を描くのに、いったいどれだけの
時間がかかるのか、予想もつきませんが、
苦労しつつ、楽しんでもいたのでしょうね。
こういうものは、結局自分の手を離れるわけで、
「手離す」というさみしさと喜びは、
陽花様も、よくお分かりと思います。
なればこそ、大切にしたいですね。
この虎はなんだか頭でっかちに見えるのですが、遠近感だすため?でしょうか。なんだか前足も短くみえます。あまり獰猛な感じがしないのはそのせいでしょうね。
さて、私「ホワイトタイガー」なるものをインドのカルカッタにある動物園で見てきました。しかし、インドは暑かった。多分40度あったと記憶してます。更にカルカッタは湿度も高くて、屋外の動物園を歩いていると意識が朦朧としてきます。なのであまり記憶が定かでなく目の色は覚えていないのですが、身体は白地で薄い茶色の縞がありました。アルビノは珍しいためその動物園の呼び物のひとつとなっていましたよ。
この絵は遠近感とか、バランスと言う意味では「ヘタウマ」ですねぇ。まぁ顔が一番アピールしたいところだったのかもしれませんね。「トラ・ライオン」の図柄は割と見かけるのですが、どれを見ても顔は結構なのに、どうも手足の描き方はうまくありません。今のように情報の多くなかった時代、染め職人の立場では、そうそう資料となるものが身近になかったのでしょうかねぇ。それにしてもンドの40度という気温は、考えられない高さですね。湿度が高いというのがねぇ。息子も私も湿気に弱く、湿度が高いとテレーンとダレますので「障子紙親子」と呼ばれております。