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まずは写真、関係ない写真ですみません。花ニラ、イフェイオンでしたっけ。
今年はいーっぱい咲いてくれました。もうそろそろ終わりです。
「訃報」の記事を書きました。
前所長はいつも「おかあさん、子供が障害があるからって、
人生犠牲にすることはない、自分の人生も暮らしも楽しみなさい、
そのために私たちがお手伝いするのだから」と言ってくださってました。
悲しいと泣いているより、自分のやりたいことがんばるほうが、
きっといいと思うから…とんぼ、今日もがんばって記事書きまーす。
さあ続けての帯結び、リクエストいただくと、ズにのるんですー。
今日のは「お七結び」、これは江戸時代の商家の娘などが結んだもの。
「関東だらり」とも呼ばれます。八百屋お七が結んでた、というと、
あぁあれね、と思い出されるかたも多いと思いますが、
お芝居や舞踊で「八百屋お七」が結んでいることから
「お七結び」といわれるようになったそうです。
帯の名前も「お七帯」といいますが、元々幅が少し狭くて6寸から7寸、
裏が黒繻子の昼夜です。特徴的なのは「踊り」などで見られるように、
表地の左右にも黒い繻子が入っていること。真ん中だけが派手な柄です。
お七の踊りのときはたいがい「赤と青で絞りの麻の葉もよう」で手綱柄、
つまり昔の床屋さんのあのグルグル回るマークみたいに、
斜めに赤と青が縞になってる柄、です。
結び方は要するに「文庫」なんですわ。それがただ長いだけ。
但し、途中でしっかり結びます。それは、帯が半幅と比べれは重さはあるし、
下に垂れ下がる部分が長いですから更に重さがかかる、
そういうわけで、実はすごく下にズリこけやすいのです。
それで、きーっちり結ぶのだと思います。
実際には娘さんというよりも、もう少し小さい少女向きではなかったのかなーと
そんな気がします。ついでのことに、江戸時代、こんな華やかな帯は
お金持ちでないと、たとえ木綿でも締められません。
しかーし、イザ結ぼうにも「お七帯」がありません。
そこでちっとムリヤリに半幅でやりました。ひんそーですが…。
幸いにも色柄的に似たのがありましたので、それを使います。
それでは始まります。
本来のお七帯は、裏も表の「フチ」と同じ色(この場合は紺)なのですが、
単なる腹合わせなので「朱色」です。紺のつもりで見てやってください。
まずは、途中までは一昨日の「ひっかけ」と同じなのですが、
最初の「手」は「ひっかけ」より長め、折り方や胴に巻くところは同じです。
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ひっかけでは、手を下に出るように結びましたが、
お七は手が上になるように結びます。
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緩まないように手とタレをタテに引っ張り、
手は反対側の右肩に乗せておきます。
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下がったタレをきれいにのばして、三等分にたたみます。
実は半幅だと長さが足りないので、こんなに短いのです。
この三つ折の「左の2枚がタレとして下がる左」「右の1枚が右」になります。
つまりもっと長くないと、お七にならないわけです。
とりあえずここでは「タレをこういう風に、2:1に折る」形を見てください。

三つ折にしたタレの真ん中にヒダを作りますが、
このとき、そのままだと下のように、右が「裏向き」になってしまいます。
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そこで一度ひっくり返す感じで、左右とも「表」になるようにします。
それからヒダを作ります。
すみません、不注意でした!正確には下の写真のように、
体の外側になるほうのヒダは裏ヒダにして「帯のみみ」が上を向くようにします。
こうすると、最後に帯を広げたとき、形よく広がりますので。

こちらが普通に真ん中をへこませたヒダ
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こちらは下のところが上向きに折ってあります。

すみません、ここからの写真「裏ヒダ」にしてありません。ごめんなさいです。
ヒダを結び目に乗せ、上から手を下ろします。

丈がたりないので、ここからは一度解いて、胴に一巻きの状態でやります。
伊達締めだけで不細工ですが、ご了承ください。
おろした手をヒダをとったタレの真ん中を、下からくぐらせて一回結びます。
ここでしっかりひっぱってシメるっ!

きっちり結んだあと、残りの「手」は帯の中に挟んで隠します。
両方のタレの形を整えて、出来上がりです。
胴に一巻きのため、ほかがお見苦しくてすみません。

結局原理は「文庫」ですが、この「一回結ぶ」というところが、ゆかた用など、
カンタンな文庫だと帯地の厚さによっては省略です。
それ以外は同じですね。
帯枕を使わないので、緩むというより全体に下がりやすいでしょうね。
小さい女の子などに、薄い帯で結んであげるとかわいいですね。
ちなみに…
実は舞妓さんの「だらり」も締め方としては、似たようなものです。
もっと大がかりですけれどね。帯の幅や長さも違います。丸帯で長さ5mくらい。
まずは土台作りで、伊達締めの上から幅広くしごきを締めて整えます。
先に大き目の帯枕をひとつ締めておきます。(あとでもう一個の帯枕を乗せます)
これが土台です。
帯の巻き始めは、同じように手を三つに折って肩にかける、ですが、
ひっかけなどと巻き方が反対になります、つまり「手を右肩」にかけます。
胴に巻くほうは、上のほうだけを少し外側に折り返します。
二回胴に巻いたら、手が上になるように結びます、これも同じ。
上の「お七」と同じように三等分にたれを折ります。
このとき、始まりが逆ですから、今度は左が一枚、右が輪になった二枚です。
ヒダも同じ、一番外側の帯のみみが上を向くように裏ヒダにします。
手を上から下ろして、ここで二個目の帯枕をして抑えます。
帯の中側に最初の帯枕がありますから、そこに乗せるように。
別の帯ですがこんな感じ。実際は帯枕も厚みと丸みのある、大きいのを使います。
見えやすいように帯揚げかけてません。
手の残りは畳んではさみこみで始末します。
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このあと、結び目の上にかぶせるようにたれを広げます。
「お七」は結びの真ん中の「手」がかかったところが見えましたね。
だらりって、うしろから見ても「真ん中」って、よく見えませんよね。
隠すようにして広げるからですね。こんな感じ。

舞妓さんの場合は、タレはまっすぐではなく、交差させて、
左が上に重なるように形付けます。実際の舞妓さんの帯は、
左の一番下に、屋形紋という紋があります。
ちなみに舞妓さんは必ず帯留めをします。
あれだけ派手な衣装ですから、帯留も特大?です。
そんなに大きいのに「ぽっちり」と呼びます。
また舞妓さんは未成年、いってみれば半人前の子供、ということで、
肩上げがあります、実は袖にも…。あんがい袖のあげは気がつきません。
袖口のすぐ下あたりです。
ついでに舞妓さんよりまだ見習いは、もう少し短いだらりで、
「半だら」といわれます。
さてさて、難しいと思われる帯結びですが、
結んで、手をどうにかして、タレをまとめる、ということなわけで、
実は無限に形が考えられるわけです。
「だらり」とか「柳」などは、決まりごとがありますが、
普段の私たちの帯は、みんな「基本形」があるだけですから、
ちょっとしたアレンジを自分で考えるのも楽しいと思います。
今年はいーっぱい咲いてくれました。もうそろそろ終わりです。
「訃報」の記事を書きました。
前所長はいつも「おかあさん、子供が障害があるからって、
人生犠牲にすることはない、自分の人生も暮らしも楽しみなさい、
そのために私たちがお手伝いするのだから」と言ってくださってました。
悲しいと泣いているより、自分のやりたいことがんばるほうが、
きっといいと思うから…とんぼ、今日もがんばって記事書きまーす。
さあ続けての帯結び、リクエストいただくと、ズにのるんですー。
今日のは「お七結び」、これは江戸時代の商家の娘などが結んだもの。
「関東だらり」とも呼ばれます。八百屋お七が結んでた、というと、
あぁあれね、と思い出されるかたも多いと思いますが、
お芝居や舞踊で「八百屋お七」が結んでいることから
「お七結び」といわれるようになったそうです。
帯の名前も「お七帯」といいますが、元々幅が少し狭くて6寸から7寸、
裏が黒繻子の昼夜です。特徴的なのは「踊り」などで見られるように、
表地の左右にも黒い繻子が入っていること。真ん中だけが派手な柄です。
お七の踊りのときはたいがい「赤と青で絞りの麻の葉もよう」で手綱柄、
つまり昔の床屋さんのあのグルグル回るマークみたいに、
斜めに赤と青が縞になってる柄、です。
結び方は要するに「文庫」なんですわ。それがただ長いだけ。
但し、途中でしっかり結びます。それは、帯が半幅と比べれは重さはあるし、
下に垂れ下がる部分が長いですから更に重さがかかる、
そういうわけで、実はすごく下にズリこけやすいのです。
それで、きーっちり結ぶのだと思います。
実際には娘さんというよりも、もう少し小さい少女向きではなかったのかなーと
そんな気がします。ついでのことに、江戸時代、こんな華やかな帯は
お金持ちでないと、たとえ木綿でも締められません。
しかーし、イザ結ぼうにも「お七帯」がありません。
そこでちっとムリヤリに半幅でやりました。ひんそーですが…。
幸いにも色柄的に似たのがありましたので、それを使います。
それでは始まります。
本来のお七帯は、裏も表の「フチ」と同じ色(この場合は紺)なのですが、
単なる腹合わせなので「朱色」です。紺のつもりで見てやってください。
まずは、途中までは一昨日の「ひっかけ」と同じなのですが、
最初の「手」は「ひっかけ」より長め、折り方や胴に巻くところは同じです。
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ひっかけでは、手を下に出るように結びましたが、
お七は手が上になるように結びます。
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緩まないように手とタレをタテに引っ張り、
手は反対側の右肩に乗せておきます。
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下がったタレをきれいにのばして、三等分にたたみます。
実は半幅だと長さが足りないので、こんなに短いのです。
この三つ折の「左の2枚がタレとして下がる左」「右の1枚が右」になります。
つまりもっと長くないと、お七にならないわけです。
とりあえずここでは「タレをこういう風に、2:1に折る」形を見てください。
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三つ折にしたタレの真ん中にヒダを作りますが、
このとき、そのままだと下のように、右が「裏向き」になってしまいます。
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そこで一度ひっくり返す感じで、左右とも「表」になるようにします。
それからヒダを作ります。
すみません、不注意でした!正確には下の写真のように、
体の外側になるほうのヒダは裏ヒダにして「帯のみみ」が上を向くようにします。
こうすると、最後に帯を広げたとき、形よく広がりますので。
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こちらが普通に真ん中をへこませたヒダ
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こちらは下のところが上向きに折ってあります。
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すみません、ここからの写真「裏ヒダ」にしてありません。ごめんなさいです。
ヒダを結び目に乗せ、上から手を下ろします。
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丈がたりないので、ここからは一度解いて、胴に一巻きの状態でやります。
伊達締めだけで不細工ですが、ご了承ください。
おろした手をヒダをとったタレの真ん中を、下からくぐらせて一回結びます。
ここでしっかりひっぱってシメるっ!
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きっちり結んだあと、残りの「手」は帯の中に挟んで隠します。
両方のタレの形を整えて、出来上がりです。
胴に一巻きのため、ほかがお見苦しくてすみません。
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結局原理は「文庫」ですが、この「一回結ぶ」というところが、ゆかた用など、
カンタンな文庫だと帯地の厚さによっては省略です。
それ以外は同じですね。
帯枕を使わないので、緩むというより全体に下がりやすいでしょうね。
小さい女の子などに、薄い帯で結んであげるとかわいいですね。
ちなみに…
実は舞妓さんの「だらり」も締め方としては、似たようなものです。
もっと大がかりですけれどね。帯の幅や長さも違います。丸帯で長さ5mくらい。
まずは土台作りで、伊達締めの上から幅広くしごきを締めて整えます。
先に大き目の帯枕をひとつ締めておきます。(あとでもう一個の帯枕を乗せます)
これが土台です。
帯の巻き始めは、同じように手を三つに折って肩にかける、ですが、
ひっかけなどと巻き方が反対になります、つまり「手を右肩」にかけます。
胴に巻くほうは、上のほうだけを少し外側に折り返します。
二回胴に巻いたら、手が上になるように結びます、これも同じ。
上の「お七」と同じように三等分にたれを折ります。
このとき、始まりが逆ですから、今度は左が一枚、右が輪になった二枚です。
ヒダも同じ、一番外側の帯のみみが上を向くように裏ヒダにします。
手を上から下ろして、ここで二個目の帯枕をして抑えます。
帯の中側に最初の帯枕がありますから、そこに乗せるように。
別の帯ですがこんな感じ。実際は帯枕も厚みと丸みのある、大きいのを使います。
見えやすいように帯揚げかけてません。
手の残りは畳んではさみこみで始末します。
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このあと、結び目の上にかぶせるようにたれを広げます。
「お七」は結びの真ん中の「手」がかかったところが見えましたね。
だらりって、うしろから見ても「真ん中」って、よく見えませんよね。
隠すようにして広げるからですね。こんな感じ。
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舞妓さんの場合は、タレはまっすぐではなく、交差させて、
左が上に重なるように形付けます。実際の舞妓さんの帯は、
左の一番下に、屋形紋という紋があります。
ちなみに舞妓さんは必ず帯留めをします。
あれだけ派手な衣装ですから、帯留も特大?です。
そんなに大きいのに「ぽっちり」と呼びます。
また舞妓さんは未成年、いってみれば半人前の子供、ということで、
肩上げがあります、実は袖にも…。あんがい袖のあげは気がつきません。
袖口のすぐ下あたりです。
ついでに舞妓さんよりまだ見習いは、もう少し短いだらりで、
「半だら」といわれます。
さてさて、難しいと思われる帯結びですが、
結んで、手をどうにかして、タレをまとめる、ということなわけで、
実は無限に形が考えられるわけです。
「だらり」とか「柳」などは、決まりごとがありますが、
普段の私たちの帯は、みんな「基本形」があるだけですから、
ちょっとしたアレンジを自分で考えるのも楽しいと思います。
なかなか、そういった長い帯がないと練習を
しようにも難しいですね~。
でも、普通の袋帯でだらりの帯を結ばれる
なんてさすがですね。
これらを習得すれば、もっとたのしい帯結びが出来るのにわたしゃまだふつーの結び方しかできません
いぜん舞妓はーんのだらり帯しかも塩瀬の染めのお仕立ての依頼があったのですが、あまりの硬さ(帯芯が特に)に仕立て屋さんももう二度と・・・・。
その重った事といったら半端じゃなかったですよ。
おの帯しめるのは、やはりお若いお人でなければ、体力いりますわ。
自分で結ぶというよりは
人様に結んでいただく帯かな~?と思います。
それだけに,むすんでもらったら
うれしいかも…。
で、ここで一つ質問があります。
お七結びには帯枕は使わない、ということは、帯揚げも使わないということでよろしいでしょうか?本来、帯揚げは帯枕を隠すために使うんですよね?
それと、歌舞伎の赤姫の帯もお七結びと同じと考えていいのでしょうか?
何卒よろしくお願い致します。
あまり結ばないですから、たとえば七五三の女の子、
なんていうなら、大人の帯の長さでたりるかもです。
これ、袋帯ですが、足りなくて胴に一巻きです。
実物は重いし長いし、たいへんだと思います。
だから舞妓さんも、男衆さんが結ぶんですね。
てっちゃん様
西陣会館で、舞妓さん用の丸帯織ってるのを
見学しました。重厚でしたー。
もも私がしめたとしたら、腰も弱いし、
そのままうしろにたおれるでしょーなー。
えみこ様
京都での舞妓体験、今すごーく数あります。
やってみますー??
人形屋さま
この本では使っておりませんし、
私は歌舞伎じゃなくて「人形浄瑠璃」の、
(しかも画像ですが)姿しかしりませんけど、
使っていないと思いますよ。それと赤姫の場合ですが
上にも書きましたけれど、この帯は庶民の娘の
締めたものです。帯も細いです。
赤姫と呼ばれる役は当然、身分ある方ですから、
帯も丸帯でしょうし、重さがかかることを考えれば、帯枕で支えることは必要かと思います。
だらりの帯では、舞妓さんのだらり、としての
締め方をご紹介したわけで、おそらく、
最後のタレの開き方の違いかと思います。
あくまで推測ですが…。
よくわかりました。ありがとうございました。
そして、若い娘用・・・
こちらの帯結びは実践控えましょう・・・(苦笑)
締めてみせてぇ??