私は「リアル」な絵が好きなんですが、こういう漫画っぽいのも好きです。
「俳画」に入ると思いますが、ものすごーくデフォルメされていて(されすぎの感もあるくらい)
ほんとにさささっと描いた感じが楽しいです。
実は見つけたとき迷いました。絵はすきだけど「字」が読めん…。
読めたら、絵の中の意味ももっとわかるとおもうんですが、とにかく達筆すぎて手に負えません。
それでも手元におけばナントカ読む機会もあるかもしれん、いや読めなきゃただの漫画なんか…
とまよったあげくに「ええぃ可能性に賭けるっ」…なんの可能性やねん。
とりあえず届いてみたら「やっぱり読めない」…。でも絵は楽しいです。
たぶん、読めたら有名な俳句とか川柳とか、そんなものだと思うのですが…。
ここまで簡素に描いても、それどんな場面か想像ができるのは、おもしろいですねぇ。
こちらは吉原へお通いの、大店の旦那さんですかね。
ちょっとメタボな「ぼでぇ」、縞の着物にぞろりっぺぇとした羽織、羽裏は浮世絵だったりするんでしょう。
小さい女性が手にしているのは火鉢…じゃなくて紋入りの提灯ですよぉ。
こちらは二本差しですから当然「お武家さん」、手ぬぐいかぶっているみたいですが、
吉原通いに「被りもの」は必須アイテム、顔隠してまで行きたいか…ですが、
お互い見たり見られたりを避けるためもあったんですね。言い訳も気まずさも考えなくていいように。
こちらは「娘道成寺」、よく見るとほんとに「いいかげん」な絵なんですが、
それでもちゃんと「烏帽子姿の白拍子」も「恐れおののく修行僧たち」もわかりますよね。
問題は右の「字」、ありがたくも私にも読めるカタカナなんですが、
なにやら「記号」の説明のように「ボン」の「ボタ?イ」の「シンモク」「マチ」…こりゃなんじゃ。
囃子とか踊りのギョーカイ用語、、いえ符丁でしょうか。ご存知のかた、教えてください。
こちらは短冊仕立て、花魁と、たぶん振袖新造(花魁予備軍)でしょうね。
そして私がもっとも気に入ったのがこちら。着物着て横になってるって仇っぽいですよね。
今いっしょうけんめい「解読」しているんですが…。
これはちっとシミ汚れがあります。それでも状態は悪くありませんから、こざっぱりと洗って、
女物にして着たらいいですね。男性に着せたいけれど、今着物着る男性は少ないですから、
女が着ちゃえぇぇぇ、と楽しみたいと…。
それにしても…ハイ、皆さんでご唱和「何で今はこういうのがないかなー」。
これは、特に洒落ていて、すごいと思います。
こういうのを昔の人はみんな意味がわかったんでしょうねぇ。
カッコいいです。
では・・・・
「何で今はこういうの無いのかなーーー」
釣鐘と白拍子が描かれている所だけは
娘道成寺だと私にも分かりました。
これを描けばそれに見えるって考えて
描くのってすごいなぁと思います。
煩悩菩提の橦木町より
(ぼんのう ぼだいの しゅもく まちより)
ですね、おそらく。
絵文字でしょうか?
四角は盆、手のひらを捧げて菩提
T字型は撞木 次のT字型がなぜまちかはわかりませんが、
字の読めない人にも読めるようにと言うアレ
ではないかと・・・・
ご唱和、ありがとうございますっ。
ほんっとに粋で洒落てますよね。
「洒落」という言葉がぴったりです。
あぁあの新内か、とか川柳かとか…。
そういうとこもオシャレですよね。
ほんっとにところどころ「な」かなとか、その程度しかわかりません。
昔の人ってみんな字もきれいですよね。
さらさらっと描いているのに、特徴がちゃんと出ていて、
すごい絵ですよね。
なるほど!道成寺の長唄の文句なんですね。
読めない人の…わかります。
こうした方がわかりやすいですよね。
ひとつだけでもわかってすっきりしました。
ありがとうございました。
いやホント、着物着る男は絶滅危惧種ですよね。
なんとか生き永らえたいと思います。
こうしてみると、長唄といい男の着物といい、
捨ててしまった文化と言えるものですね。
着物は着るんでその物の有難みはわかるのですが、
残念ながら、その模様やそこに書かれているものについて
サッパリわからないのがぼん吉の現実です。
ボクも、「捨ててきてしまった者」の一人なんです。
捨てたものを取り戻せるかどうかは、その人の
『好奇心のアンテナと受信機』の性能にかかっているように思います。
いつまでも、高性能で有りたいと思う今日この頃です。
私もある種「捨ててきてしまった者」でもあります。
私自身は着物も着ますし、母に教えてもらいましたが、
「伝えること」をしてきませんでしたから。
おっしゃるとおり好奇心のアンテナが一番です。
そういうアンテナを伸ばしていらっしゃる皆さんに、
遅ればせながらいろいろ発信しているつもりなんです。