30日に予定されていた「はやぶさ2」の旅立ちは、お天気のご機嫌がナナメで、
12月1日に延期となりました。がんばれっ。
さて、私は特別「ロケット」とか「衛星」に深い関心があるわけではありません。
それでも、あの「はやぶさの帰還」は、あまりにもドラマチックでしたし、
そのあとに「親」である川口教授のお話を、ドキュメンタリーで拝見して、
「あぁそういうことなのか」と、うなずいたことがたくさんありました。
その本も買ってしまいました。(あのマンガを買った後で、もっと知りたいと思いまして…)
「はやぶさを飛ばす」は、当初「ハッタリ」だった…と、ご本人が言っています。
「はやぶさを飛ばす」というのは「探査ロケットを飛ばし、サンプル(今回はイトカワの土)採取し、
地球に持ち帰る」です。簡単に並べましたが、この一つずつが、実はたいへんなことなわけです。
宇宙に関することでは、アメリカにははるかに遅れている日本です。
宇宙開発については、追いつけ追い越せとはいかない…。
なにか新しいことをするのに「アメリカに倣って」か「まったく別に新しく」か、その選択から始まります。
川口教授は、このとき「ハッタリ」をかましたわけです。
それは、何か今までおこなわれていないことをしなければ「先に進めない」から。
全く進めないわけではありませんが、要するに「進歩」していくためには、
アメリカという大きな傘の中で、雨をよけながらついていくのでは、そこからは進めない、
傘の外に出て、雨にうたれなければ…とでも言いましょうか。
「ムリでしょ、アンタんとこじゃ」と思われることを「やるよ」と言ったわけですが、
完全にできるとは、教授自身、思っていなかったわけで…。
でも、それをいうことで、自分たち自身を追い込んで、前に進む原動力としたわけです。
「はやぶさ」は「世界初」をたくさん持っています。
でも、アメリカ側はあれもこれも「ウチが初だ」と言っているのだそうです。
「はやぶさ」は二番目だと。
教授によれば、それは厳密に言えば違うのだそうです。
例えば「はやぶさ」は、地球に帰ってきました。
アメリカにも帰還した探査機はあります。でも彗星の回りをぐるりと回って戻ったのです。
そのとき彗星の周りの「チリ」を集めただけです。
なぜ「星そのものの現場の土や砂、石」が必要か。一度溶岩になってしまった「土台」は、
「星が生まれたときのままではないから」…。
「はやぶさ」がタッチしてサンプルを集めたイトカワは、生まれたままの状態なので、
そのまま星が生まれた46億年分の記憶を持った砂や土があるのですね。
小惑星に着陸したのもアメリカは「自分とこで先にやってる」と言っていますが、
着陸ではなく、燃料切れで惑星に「落とした」のです。もちろんこれは戻ってきていません。
「はやぶさ」は、着陸し、採取し、離陸し、戻ったのです。どこをどうとっても「初モノ尽くし」なのです。
なのに「自分とこが先にやってる」という…読んでいると「なにさ、細かいこと隠してごまかしてさ、
そうまでして、どうしてもウチが1番って言いたいわけ?セコイっ」…と思いました。
でも教授は言います。「アメリカは多民族国家であり、国民に『ウチが1番だよ』と、
言い続ける必要がある。それによって国民に誇りを持たせ、求心力を高める必要があるからであろう。
2番でした、などと言ったら、宇宙開発なんかやめろと言われる」
なんとなくわかります。私はいつも、何かの試合とか、ゲームで、国歌を高らかにうたい、
なにかのインタビューでは「国に誇りを持っている」「アメリカを愛している」という言葉をいう
彼の国の人々に、不思議な感情を持っていました。ある種うらやましくも思いました。
正直、今の時代、アナタは日本国民であることに誇りを持っていますか、
愛国心はありますか、と聞かれても、「もちろんっ!」と、即答できる自信がありません。
着物を着るとき「日本人に生まれてよかったぁ」とは、とても思うのですけどねぇ。
つまり、それが愛国心の一部であろうかとも思うのですが…。
彼らは本当に、そういう気持ちがあるのだろうか…とか、疑ってみたりもしました。
本当のところはわかりませんが、「国」としての歴史が浅く、積み上げてきた実績が決定的に少ない国、
となれば、そりゃ強い気持ちを持ち、団結することで、よその国と並ぶ…という意識が必要なのだろうと思います。
もし、アメリカが面積的に、日本と同じくらいの小さな国だったら…今のようにはならないでしょう。
私はその点でも日本ってすごい国だと思うようになりました。
歴史はあっても、国は小さい、歴史はあっても、長く扉を閉ざし続けていた、
歴史はあっても、資源はない…そんな国が、知恵と技術と努力で、短期間で先進国と言われる国になったのです。
若い方はご存知ないでしょうが、私の子供のころ「メイド・イン・ジャパン」は、安物の象徴でした。
今の東南アジアなどの「メイド・イン・○○」…のような立場です。
最近は、それもずいぶん向上して、いいものが増えましたけれど。
ちょんまげに刀、荷車にわらじ、火鉢にいろり…そんな暮らしからわずか150年ほどで、
「はやぶさ」は飛んだのです。日本ってすごいと思いませんか?
日本は豊かな国、と言われますが、本当にそうでしょうか。
偏った豊かさに、慣れてしまっている気がします。
日本人は、切羽詰まることがない国に暮らしているわけではないのに、
なんだかいつもほんわかしているきがしてなりません。
埋もれているいいものが、まだまだあるはず、そして、長く培われてきたものにも、
大切にしなければいけないものがあるはず。
教授は「はやぶさの成功は、それまでの基礎があったから」とおっしゃっています。
その基礎を積み重ねたのは、先人たちです。
基礎を大切にし、その上にまたしっかりしたものを積み重ねる、それがその次の基礎になる。
当たり前のことですが、どうもそのあたりがアヤシイと思われるようなことが起きています。
喉元すぎれば…ですぐ忘れるし、やたら新しいものに飛びついたり、
そしてすぐあきてしまったり、機械ばかりに頼ったり、いらなくなるとすぐ捨てたり…
あ、ああ、アタシもやってますがな…。
宇宙の話なんて、直接私たちの暮らしにはあまり関係ないように思いますが、
地球はいつまでも今のままではありません。
そんな先のこと…とも思います。とりあえず、自分と子供と孫くらいが無事なら…なんてね。
でも、私の何十代か前のご先祖様は、今の私がどんな状況のどんな家族の
どんな人間に生まれるのかなんてことは、想像もつかなかったと思います。
それでも懸命に働き、子供を育て、土地や家を守ってきたことと思います。
だから今の私がここに生きているわけです。命はつながっています。
顔もわからない何百年も先の、私たちの子孫のことを考えるのは、
結局今の自分の世界を真剣に考えることだと、そんな風に思うのです。
大したことはできません。ロケットなんてペットボトルロケットを作るのもアヤシイ私です。
それでも、季節の変化を感じ、家族を思い、夢を持ち、日々を大切に暮らす…
そういう小さなことが、結局はいい積み重ねを続けることになるのではないかと、
そんな風に思ったりするわけです。
「はやぶさ」は、実は「なんでこのスイッチが入ったんだ?」という、フシギ…があったそうです。
人智、英知を越えた、何かチカラが働いたとしか思えない…のだと。
だからこそ、単純な擬人化ではなく、はやぶさを魂のあるもののように感じるのは、
当然なのだろうと思います。
この本のタイトルは「はやぶさ そうまでして君は」です。
「はやぶさ」を直せば直すほど、なんとかして地球に呼び戻そうとすればするほど、
それは確実に、「はやぶさ」が大気圏で跡形もなく燃え尽きることを意味します。
それなのに、そうまでして君は、なぜこんなに応えてくれるのか…。
キカイだから…とは言えないもの、それを感じることは、人として必要なものではないかと、
そんなことを思うのです。
1日、晴れてください、弟君の旅の無事を祈ります。
そうですよね。
日本って、八百万の神、というくらいで、
何にでも「宿る」という考え方です。
ものを大切にする基本的な部分も、
こんなところから育ったのではと思っています。
私、歴代のパソコンには、全部名前つけてます。
アルジであるわたしが、その名前を忘れるというのが、
目下の問題なんですが…。
ちなみに初代ウィンドウズ98だったのは「和吉」でした。
ご近所さんも「わが国が起源」とよく言いますね。
早速和紙にも><
またまた延期になりました。3日です。心配してました。今日は雨だし、明日も曇り予報。
雲で見れないかもと思ってました。
遥遥来られる方々には気の毒ですが、やはり万全の体制で飛びだって欲しいです。
お陰で私のスケジュールも変更。病院とかお買い物。はやぶさ優先なんです。
本早速注文しました。萌え~な女の子の絵が気に入りました。読んで見ま~す。情報ありがとうございます。
単一民族島国暮らしの日本人には、
理解しにくいことではあります。
誇りを持つことと、高慢になることは違うんですが、
なんか勘違いの方もいたりして…。
延期、きになりますねぇ。
なんか今頃の時期は、こんなにお天気不安定でしたかねぇ。
こちらも昨日やっと晴れても、今日またあっという間にくもり、
今は雨です。
ロケット発射台近辺と、その弾道近辺だけでいいから、
「晴れてっ」と思っちゃいます。
あ、じじ様が見える範囲でってことで…。
本、漫画なのに泣けました…。