さて、今日の話題ですが、すみません「小紋」について書く予定でしたが、
その前に、それも含めての色柄ということで「シブ好み」について…です。
まず写真ですが、昭和の終わりころの本の写真です。
帯の黄色が鮮やかですね。渋い紬と帯が互いに引き立てあっていると思います。
右は渋いものを若く着ているもの、左は若いものを若く着ているものですね。
最近の若い方は、どうしても全体に「シブ好み」になられるようで…。
これは、木村 孝さんが、ある本で、
「歌舞伎に行くと、若いお客様が増えたのはいいが客席が暗い。
洋装で黒ばかり着ていた人は、どうしてもジミになるのではないか
という人もいる…」というようなことを書いておられます。
要するに、若いうちにしか着られないものは着たほうがいい、
というようなお話ですね。同じ本の振袖のところでも書いておられます。
確かに、たまに見かける着物の若いかた、なんとなく全体にジミ。
着物の・華やかな・若向きの…というところが、どうもしっくりこない…。
今日は、若いのにやたら全身渋めのかたを見て思うこと…です。
素人の私がアレコレ考えても、的外れかもしれないのですが、
たとえ話の材料に、ちと洋服を引っ張り出してきました。
こちらのスーツ、私物ですが20年くらい前のもの。
「お便利スーツ」でして、中に着るもので、あれこれ用途広く使えます。
いえ、実際には「使えてました」…太くなって今は着られまへんのです。
スカートが別物みたいに写ってますが、ちゃんと同じ素材です(思い切り化繊)。
ちょっとテリのある、やわらかくてドレープ性もある素材です。
中は地模様のある絹風のブラウス、もらいもの…こういうの持ってなくて。
さて、このスーツ、中身を替えてみますと、
どうでしょう、年代的にかなりいろいろいけると思うんですが…。
私の手持ちですから、若い色目がありませんが、例えば優しいピンクのニットとか
細かい花柄、そうですねアシュレイのバラ柄なんてのを使えば、
20代30代でも、ちょっとしたところなら着られると思います。
私は40歳くらいのとき、レースのブラウスとバラのコサージュで、
身内のアットホームな結婚式に、これを着ました。
このスーツは、中に着るものの色がが渋ければ渋いほど、年代はすすみますが、
洋服ですから渋めの取り合わせでも、例えばブラウスにフリルやレースなど使うとか、
少し胸元を広めにあけるとか…また華やかなアクセサリーや、スカーフ、
髪の色やヘアスタイルなどで若向きにすることができます。
また洋服には「デザイン」という、着物にはない「強み」があります。
上のスーツの色と素材でも、たとえばギャザーやフリルを使ったドレスのような
デザインにするとか、優しい色を合わせたデザインにするとか、
カタチを変えれば、特別何もつけなくても若ムキの洋服にすることができます。
つまり「カタチ」で調整できるのですね。
着物にはその「デザイン」の変化がありません。
あくまでも「定番スーツ」の形しかないのです。
上の上着を着物に置き換えたとしたら…着物はミニにするわけにいきませんし、
ゴージャスなネックレスや大ぶりのイヤリングをするわけにもいきません。
あくまで「そこにあるもの」で調整しなければならないのです。
つまり上のスーツでいうなら「スーツと中に着るものだけ」です。
だから、スーツならブラウスにあたるもの、つまり帯、
そしてわずかに使えるアクセ、つまり、八掛や帯揚げ・帯締め・半衿といったもので
うまく調整しないと、ただ「おばさんのまんま」になってしまうのです。
それの取り合わせ自体はとてもいいんだけど、なんでその若さを大事にしないの?
なんです。渋い取り合わせなんて、その年になったらイヤでもしなきゃならないのです。
これは年をとると切実に思います。
私はすでに、母からもらった全ての紬がそのまま合う年になってしまいました。
どんなにつけたくても、八掛を朱色や赤にできませんし、
かわいいピンクの帯も半衿も使えません。
娘さんの着物借りたの?って言われてしまいます。
こんな写真を見つけました。「絣」となっていますが「紬」も同じです。
これは説明では10代と40代、となっています。
女の子の帯を半幅ではなくお太鼓にして、半衿を薄い朱やピンクなどにすれば、
20代ですね。もちろん、八掛も「朱系」にします。
いじけて言うわけではありませんが、正直若い人は若いというだけで、
それが魅力なのです。
渋い色も似合うし、私たち(あっみんな巻き込んじゃった)には着られないような
派手だったり、明るかったり、大きな柄だったりするものも着られます。
渋い大島の着物に渋めの帯で、小物も渋め、八掛も茶色…首から下だけ見たら、
私と同じくらいかと思ったのに、カオみたらどうみても30代…なんていうと、
ほんとにもったいないと思います。
古着の場合は、八掛まで変えるのはお金がかかります。
次に洗張り出すまで変えられない…ならなおのこと、ほかを明るくしてください。
江戸時代、猫も杓子も「茶」だ「鼠」だ、「縞」だ「格子」だと、
ジミで薄暗いものが流行したときでさえ、いえ、それだからこそ、
ちらりとのぞく襦袢や、胸元に広がる半衿はハデで赤いものを使ったのです。
スーツ … 着物
中に着るもの … 帯
アクセや髪型など … 和小物全て
こう書けばわかりやすいですか?
着物と帯と小物が合う…のともうひとつ「自分に合う」というところも
大事に考えてほしいなぁと、思ってしまうのです。
ジミ目の紬などを若いときに着るというのは、
定番のジミ目のスーツをオバサンルックに見えないように着る…
というテクニックが必要…ということなんです。
若いうちしかできないコーデをもっと探してほしいですね。
いえ、実際にはこんなこと「今の時代の好みでは大きなお世話」なのでしょうけれど。
もう少し書きたかったのですが、また長くなりますので、また続けます。
明日はこんどこそ「小紋の着物」です。
その前に、それも含めての色柄ということで「シブ好み」について…です。
まず写真ですが、昭和の終わりころの本の写真です。
帯の黄色が鮮やかですね。渋い紬と帯が互いに引き立てあっていると思います。
右は渋いものを若く着ているもの、左は若いものを若く着ているものですね。
最近の若い方は、どうしても全体に「シブ好み」になられるようで…。
これは、木村 孝さんが、ある本で、
「歌舞伎に行くと、若いお客様が増えたのはいいが客席が暗い。
洋装で黒ばかり着ていた人は、どうしてもジミになるのではないか
という人もいる…」というようなことを書いておられます。
要するに、若いうちにしか着られないものは着たほうがいい、
というようなお話ですね。同じ本の振袖のところでも書いておられます。
確かに、たまに見かける着物の若いかた、なんとなく全体にジミ。
着物の・華やかな・若向きの…というところが、どうもしっくりこない…。
今日は、若いのにやたら全身渋めのかたを見て思うこと…です。
素人の私がアレコレ考えても、的外れかもしれないのですが、
たとえ話の材料に、ちと洋服を引っ張り出してきました。
こちらのスーツ、私物ですが20年くらい前のもの。
「お便利スーツ」でして、中に着るもので、あれこれ用途広く使えます。
いえ、実際には「使えてました」…太くなって今は着られまへんのです。
スカートが別物みたいに写ってますが、ちゃんと同じ素材です(思い切り化繊)。
ちょっとテリのある、やわらかくてドレープ性もある素材です。
中は地模様のある絹風のブラウス、もらいもの…こういうの持ってなくて。
さて、このスーツ、中身を替えてみますと、
どうでしょう、年代的にかなりいろいろいけると思うんですが…。
私の手持ちですから、若い色目がありませんが、例えば優しいピンクのニットとか
細かい花柄、そうですねアシュレイのバラ柄なんてのを使えば、
20代30代でも、ちょっとしたところなら着られると思います。
私は40歳くらいのとき、レースのブラウスとバラのコサージュで、
身内のアットホームな結婚式に、これを着ました。
このスーツは、中に着るものの色がが渋ければ渋いほど、年代はすすみますが、
洋服ですから渋めの取り合わせでも、例えばブラウスにフリルやレースなど使うとか、
少し胸元を広めにあけるとか…また華やかなアクセサリーや、スカーフ、
髪の色やヘアスタイルなどで若向きにすることができます。
また洋服には「デザイン」という、着物にはない「強み」があります。
上のスーツの色と素材でも、たとえばギャザーやフリルを使ったドレスのような
デザインにするとか、優しい色を合わせたデザインにするとか、
カタチを変えれば、特別何もつけなくても若ムキの洋服にすることができます。
つまり「カタチ」で調整できるのですね。
着物にはその「デザイン」の変化がありません。
あくまでも「定番スーツ」の形しかないのです。
上の上着を着物に置き換えたとしたら…着物はミニにするわけにいきませんし、
ゴージャスなネックレスや大ぶりのイヤリングをするわけにもいきません。
あくまで「そこにあるもの」で調整しなければならないのです。
つまり上のスーツでいうなら「スーツと中に着るものだけ」です。
だから、スーツならブラウスにあたるもの、つまり帯、
そしてわずかに使えるアクセ、つまり、八掛や帯揚げ・帯締め・半衿といったもので
うまく調整しないと、ただ「おばさんのまんま」になってしまうのです。
それの取り合わせ自体はとてもいいんだけど、なんでその若さを大事にしないの?
なんです。渋い取り合わせなんて、その年になったらイヤでもしなきゃならないのです。
これは年をとると切実に思います。
私はすでに、母からもらった全ての紬がそのまま合う年になってしまいました。
どんなにつけたくても、八掛を朱色や赤にできませんし、
かわいいピンクの帯も半衿も使えません。
娘さんの着物借りたの?って言われてしまいます。
こんな写真を見つけました。「絣」となっていますが「紬」も同じです。
これは説明では10代と40代、となっています。
女の子の帯を半幅ではなくお太鼓にして、半衿を薄い朱やピンクなどにすれば、
20代ですね。もちろん、八掛も「朱系」にします。
いじけて言うわけではありませんが、正直若い人は若いというだけで、
それが魅力なのです。
渋い色も似合うし、私たち(あっみんな巻き込んじゃった)には着られないような
派手だったり、明るかったり、大きな柄だったりするものも着られます。
渋い大島の着物に渋めの帯で、小物も渋め、八掛も茶色…首から下だけ見たら、
私と同じくらいかと思ったのに、カオみたらどうみても30代…なんていうと、
ほんとにもったいないと思います。
古着の場合は、八掛まで変えるのはお金がかかります。
次に洗張り出すまで変えられない…ならなおのこと、ほかを明るくしてください。
江戸時代、猫も杓子も「茶」だ「鼠」だ、「縞」だ「格子」だと、
ジミで薄暗いものが流行したときでさえ、いえ、それだからこそ、
ちらりとのぞく襦袢や、胸元に広がる半衿はハデで赤いものを使ったのです。
スーツ … 着物
中に着るもの … 帯
アクセや髪型など … 和小物全て
こう書けばわかりやすいですか?
着物と帯と小物が合う…のともうひとつ「自分に合う」というところも
大事に考えてほしいなぁと、思ってしまうのです。
ジミ目の紬などを若いときに着るというのは、
定番のジミ目のスーツをオバサンルックに見えないように着る…
というテクニックが必要…ということなんです。
若いうちしかできないコーデをもっと探してほしいですね。
いえ、実際にはこんなこと「今の時代の好みでは大きなお世話」なのでしょうけれど。
もう少し書きたかったのですが、また長くなりますので、また続けます。
明日はこんどこそ「小紋の着物」です。
帯や小物使いで、たとえば顔が出て
いなくても年代が分かる写真ですね。
出稽古に行く所のお嬢さんも30代
なのに私でも着れそうと思う渋目を
好まれます。地味なのばかり着ていると
派手目なのは着れなくなるのかもしれま
せんがほんと、お若いのにもったいない
ですよね。
今思うと何でなんだろうな、と思うのですけど、ちょうどその頃っていうのは、着物も、「これを着なさい」って渡されていたのが、自分で選ぶようになってきた時期だと思われます…。
やっぱり、洋服で黒を着なれているからだったんでしょうね。
でも、祖母の若い頃の着物を見ると、ほんとに大胆な色・柄でパステルな水色に、巨大な百合がどーん!とか…さすがにそういうのは着れません
好きだったら、似合うのなら、着ればいいんじゃないのかしら・・・と思ってしまうのですが。
若い方の全身渋好みというのは、洋服で黒を着慣れているからというのもあると思いますが、もう一つには大部分の人が洋服を着ている外出先で色目だけでも浮かないため、というのも大きい気がします。ただでさえ着物を着ていると奇異の目で見られますので。
寂しいことですが、これだけ洋服主流になってしまうと、そういう価値観も仕方ないのではないでしょうか・・・。
一方、以前品川駅で見かけた着物姿の女の子、「紫の着物に濃いピンクの帯、オレンジの帯揚げ」という超派手な組み合わせ!でもとてもキレイに着ていました。
色の好みは結構その人自身が出るように思います。
ちょっとしたきっかけとか、周りの影響で好みって変わったりすると思うのですが。
洋服の話ですが、私の周りでは、「彼氏が出来るとなぜかピンクやパステルカラーを着始める」という現象が時々起きます(笑)
「若いうちにしか着られないものを着なさいよぉ」と。「もったいないー」と。
あと、「着物でしか着られないような、華やかさ」とか「可憐さ」「お嬢様っぽさ」っていうのもありますよね。そういうのを着て欲しいなあ。
私も和裁の先生に貰った70年代の雑誌「美しいキモノ」を持ってます。全体的に色が派手派手(笑)良く眺めて楽しんでおります。
私自身は、娘時分に着物を着ることが少なく、かつ、幼いころから母に「赤いものが似合わへん。」と言われて育ったので、振り袖も墨色のようなものでした
今、自身の肌が衰えて初めて、「それでも、若い時はきれいなものがあったんだ!」と実感。
娘たちには、洋服・和服を問わず「何を着ても可愛いねぇ特に、こんな色は娘さんだけのものだからねぇ」…といろいろ着させてます。
若い人が明るい色を着るのは、目上の方に対しても「わきまえてる子」という印象を与える気がします。
一つの体に多色を楽しめる、着物ならではのおしゃれをさせてあげたいな。
紺白…は、新品では目にすることもないのかもしれませんが。
感覚がひっくり返ってる感じです。夏こそ涼しげに・は古いのかな。
若いってだけで「朱赤」「赤」「ピンク」を勧められましたし、そのどれもが同じ酔うな色調で、全然ステキだと思えませんでした。
あの押し付けと「若い人は何でも赤!」ってのはいったいいつ頃始まったのか?詳しくは分かりませんが、私が知る限りでも、もう30年も続いているんですよねぇ。
あんなのを押し付けられてたら、若い人が着物を着るのが嫌になるのは当たり前だと思います。
そこに着物の色柄と年齢の常識が薄れたのですから、みんな地味な物を着たがるのではないでしょうか?
あと、もう一つは紬流行が若い人の地味化に拍車をかけたように思えます。
今の若い人たちだとて、今アンティークと呼ばれるようなドッカンなのにとても綺麗な色柄の着物があれば喜んで着るんじゃないででしょうか?
それに、アンティークの着物って柄の大きさと年齢のルールは徹底していると思いますが、色は綺麗な地味な色を使っている物も多いですよねぇ。
今の方たちには、いきなり「若い着物」は
選別が無理なのかもしれませんね。
若いうちにしかきられないものも多いのに、
もったいないことです。
欲を持つ、ということは、オシャレするうえで
大切なことなんですよね。
自分で選びたいとか「こっちのほうがいい」とか
そういう気持ちが、センスを育てます。
楽しんで着なきゃですね。
昔のほうがずっと大胆ステキですね。